リクエスト*高杉夢小説*獣と雨 | I LOVE 銀魂~夢小説~

リクエスト*高杉夢小説*獣と雨

第二回リクエスト企画


②定春様リクエスト



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獣と雨









それは、強い雨が降る夜のことだった。



「雨強いじゃねーか、俺が行ってやるから」



ここはスナックお登勢。



私、“みな”はこの店で働いている。



「大丈夫だよ、平気だから銀さんは飲んでて」



深夜、強い雨が降る中買出しに出かけようとする私を銀さんが止める。



傘を開いて外に出た私を、未だ眉間に皺を寄せて見る銀さん。



「つってもよぉ、深夜に女が出歩くっつーのは・・・」



「だーいじょーぶだってば!行ってきます!」



あまり心配はかけたくない。



こんな雨が降ってるんだし、そんなに人も出歩いていないだろう。



私は銀さんの言葉を遮って、笑顔で店をでた。



「・・・・行っちゃったし」



颯爽と出かけてしまったみなを見ながら、ポツリと呟く銀時。



「なーにー心配かー?」



ベロンベロンに酔っ払った長谷川が、ニヤニヤしながら銀時を小突く。



銀時は「うっせーよ」と言いながら、グイと酒を飲み干した。









傘にぶつかる雨の音を聞きながら、暗い道を走る。



水溜りが跳ねて冷たい。



「降りすぎだよ~・・・」



ひんやりと冷えた風が吹いて、身震いした。



こんなんだったら銀さんの言う事聞いてれば良かったかも。



なんて後から悔やみながらも、さっさと帰ろうと急いだ。



・・・この時、私が行かずに銀さんが行っていたらどうなっていたんだろう。



私は彼に出会う事も無いまま



平凡な毎日を過ごしていたのかもしれない。



薄暗い道、人気の少ない路地。



ここはコンビニに向かうのに一番の近道になっている。



だから、いつもの様にその道を進んだ。



その時・・・路地裏、建物の壁に座り込む男が1人。



激しい雨の中、傘も差さずにうつむく姿に思わず足を止めた。



「・・・あの、大丈夫ですか?」



男に傘を傾けながら、そっと声をかける。



けれど男からの反応はなく、雨の音が響くだけ。



私は傍にしゃがみこみ、近寄ってもう一度声をかけた。



「大丈夫ですか?こんなところで・・・」



肩に手を置いて相手の顔を覗き込む。



その瞬間、私は息を呑んだ。



驚くほどに整った顔立ち。



左目に巻かれた眼帯。



紫がかった髪からは、しとしとと水滴が落ちていた。



触れてはいけないような、危険な雰囲気をかもし出している。



・・・でも、倒れている人を放っておく事なんて出来ない。



私は傘を置き、男の腕を自分の肩にかけた。



「とりあえず、どこか雨宿りができるところに移動しよう・・・」



ふんっと足に力を入れ、立ち上がる。



でもなぁ・・・雨宿りっていっても、どこに行けば良いんだろう・・・。



ちらりと今通ってきた路地を見て、思いつく。



建物と建物の間なら、少し屋根があって雨を防げる。



私は男をひっぱり、近くの建物の間へ移動した。



壁にもたれかかるようにして座らせ、相手の額に手を当てる。



もしかしたら、熱があるかもしれない。



「熱っ・・・」



すると予想通り男の額は熱く、熱があるようだった。



その時、男の目がピクリと動いた。


ハッとして額から手を離すと、ゆっくりと瞼が開く。



「あ、起きましたか?」



顔を覗き込みながら笑顔でそう聞く。



だが、こちらを見た男の目は鋭かった。



・・・例えるなら、獣。



「・・・・誰だ」



息が詰まるようなその視線に、体がこわばる。



でも、不思議と逸らす事が出来なかった。



吸い込まれるようなその瞳を見つめながら、口を開く。



「みな、です・・・あなたは?」



そう言うと、男はゆっくりと立ち上がった。



そして私の質問に答えないまま、歩き出した。



「あっちょっと!熱があるみたいなんです、傘をっ・・・」



慌てて自分の傘を持って立ち上がる。



それにも答えずに路地をでていこうとする。



その時、ばしゃばしゃと水溜まりの上を走る音が聞こえた。



「晋助様ー!!」



・・・女の人の声だった。



金色の髪をなびかせた女性が、傘を持ってその男に駆け寄ってきた。



そして「探したんスよ」と言いながら、男に傘を傾けそのまま歩き出していった。



その後姿を、ただ呆然と見つめる。



「・・・晋助・・・」



私は先ほどの男の顔を思い浮かべながら、ポツリと呟いた。



それから買出しをし店に戻るまで、晋助という男のことが頭から離れなかった。









「・・・はぁ」



早朝。



店の中の掃除をしながら、ため息をつく。



何故か昨日から離れない男の顔。



迎えに来た女の人。



「・・・彼女なのかなぁ・・・」



肩を落としながら、小さく呟く。



・・・って、何ソレ!



まるで好きみたいじゃん!!



ハッとして大きく頭を横に振る。



何故か頬が熱くなったので、パンッと両手で頬を叩いた。



「何やってんだ?おめー」



するといつのまにか後ろにいた銀さんに声をかけられる。



「わわっ!いつのまに!?今日は早起きだね」



そう言うと、頭をかきながら「まぁな」と返される。



「昨日帰ってくんの遅かったし、風邪引いてねーかと思ってよ」



そう言って私の頭にポンポンと手をのせる。



そんな銀さんをじっと見つめながら、考える。



銀さんなら、なんでも話せる。



相談してみようか・・・?



「な、なんだよ」



フイと目をそらした銀さん。



私はよし、と意気込み聞いてみた。



「あのね、一目惚れってあると思う?」



・・・って、何聞いてるんだ私。



でも、内心嘘ではない。



あの男のことが頭から離れなくて、昨日だって寝付けなかったんだから。



するとこちらを見た銀さんは、ピキーンと体を固まらせた。



不思議に感じて首をかしげると



「ないね!ないないない!絶対ない!」



大きな声でそう言って、ズンズンと店を出て行ってしまった。



なんだか怒ってる感じだったけど、そんな気に触る事だったかな・・・



「い、いってらっしゃ~い」



ポカンとしながら、銀さんの後姿を見送った。



一目惚れなんてない、か。



「まぁそうだよね・・・」



考えていてもしょうがない。



ゴミ捨てにでも出かけよう。



私はそう思って、大きなゴミ袋を持ち店をでた。



空はまだ晴れず、ポツリポツリと雨が降り続いている。



「銀さん、傘も持たずに大丈夫かなぁ」



少し心配しながら、自分の傘を開いた。



ゴミをだし、店開きもまだなので少し散歩をしようと街を歩く。



気がつくと足は昨日の路地へ向かっている事で



やはり自然とあの人を探している事に気がつく。



「何やってるんだろう私・・・」



傘に当たる雨の音を聞きながら、肩を落とす。



なんだか虚しくなって、もう帰ろうと踏み出した。



その時―――――・・・



水を踏む音が、後ろで聞こえた。



「見つけたっス。あんた、昨日の女っスね!」



その声に振り向くと、そこにいたのは昨日の女の人だった。



「え?そ、そうですけど・・・」



驚いて相手を見ると、額に銃を向けられた。



「大人しくついて来い」










それからその女の人につれてこられたのは、大きな船。



変に静かで、緊張から息を呑む。



この人があの男の人の知り合いなら、ここにあの人がいたりするのだろうか。



いつのまにか鳴り出した心臓を押さえながら、女の人の後につづいた。



「入るっス」



そう言われて通されたのは、一つの和室。



襖を開けて目に入ったのは・・・昨日の男だった。



「きっ・・・昨日の!!?」



私がそう叫ぶと、女の人は離れていなくなってしまった。



また、会うことが出来た。



男はキセルをふかし、窓に腰をかけている。



「なんで、私・・・ここに呼ばれたんですか?」



自分がここへ呼ばれた理由が分からず、眉をひそめて男に言う。



すると男はこちらを見て、キセルを置いた。



窓から降りると、ゆっくりとこちらへ近づく。



私はビクリとし、少し後ずさる。



「怖ぇか」



それを見て、男はククッと喉を鳴らして笑った。



・・・やっぱり。



銀さん、一目惚れってあると思うよ。



男を見ながら、ふとそう思う。



この人から、目を離せない。



近づくたび、心臓が高鳴る。



すると男はこちらへさらに近づき



気づけば、手の届く距離にいた。



何も言えずにその場に立ち尽くしていると、そっと私の顎を持ち上げた。



暴れだす心臓。



私はそれを悟られないよう、口を開いた。



「あなたは、誰なんですか・・・?」



すると男は口角を上げて



「・・・高杉だ」



そう言った。



私の頭の中で、二つの名前が繋がる。



高杉 晋助



過激派攘夷浪士



まさか・・・この人がそうだったなんて・・・



唖然として、相手を見つめる。



すぐに、“危ない”という言葉が頭をよぎる。



やばい・・・逃げなくてはいけない。



そう思ったときには、もう遅かった。








顎を支えていた手は頭に回り、強く引き寄せられ



荒く、唇が重なった。



抱き寄せられるように、高杉の手が腰に回る。



「・・・んっ・・・」



気が遠くなる様な、深いキス。



体が熱くなり、心臓が大きく鳴りだす。



足の力が抜けて、相手の服をギュッと掴んだ。



・・・何故か、抵抗はできなくて



離れたくないとさえ、思った。



でも、息が苦しくなったところでそっと唇が離れる。



鼻が触れるくらいの距離で、甘い視線を浴びる。



「みな・・・つったな」



心拍数を上げるような、低い声で囁く。



「昨日の礼、何をしてほしい?」



ゆっくりと頬をなでながら、こちらの目を離さない。



何をなんて・・・もう、されてるよ。



バクバクと鳴る心臓。



この状況に頭がクラクラしながらも、私は高杉を見た。



「それじゃあ・・・また、会いに来てもいいですか?」



・・・どうかしてる。



こんな危険な人に、もう一度会いにくるなんて。



でも口は勝手に動いていて、



気持ちは嘘をつけずにいた。



私は、この人に惚れている。



隠し切れない事実だ。



私の言葉に、高杉はククッと笑うと



もう一度キスを落とした。



息が出来ないくらい、何度も角度を変えながら



長いキスをする。



もうたっていられなくて、私はその場に座り込んだ。



「はぁっ・・・あのっ・・・なんでこんなこと・・・」



肩で息をしながら高杉を見上げると



「聞きてぇか?」



そう、余裕の表情で言われた。



「だったらまた来い」



高杉はそう言うと、部屋からでていってしまった。



それを呆気にとられて見つめる。



「なっ・・・ちょっと!!」



慌てて呼び止めるが、すでに高杉の姿は無かった。



まだ、体が熱い。



それって・・・また会いに来ても良いって、ことだよね?








なんだか危険な恋の予感。



私はまだ高鳴る心臓の音を聞きながら、甘い余韻に浸っていた。










―――――――――――



なんじゃこれ~~~!!


ごめんなさい定春様!!!


全っっ然リク通りじゃない。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。!!!


えっとですね・・・高杉は熱があるのに出歩いて倒れてたんですよ。


リクは高杉を助けてそこから始まるっていうのだったので・・・


その高杉を助けました。


なんか・・・暗い話になっちゃってましたすんません~~~(/TДT)/


それと、勝手ですが銀さんはみなちゃんのことが好きということにさせていただきました( ´艸`)


銀さんの行動で気がつけたでしょうか?w



とにかく、下手くそですみませんでした(涙)



それでも読んでくださったみなさん、ありがとうございました!!



もっと精進しなければ・・・(涙)





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次はあらいどん様のリクエスト!





こちら、続編を書きました!



獣と雨 2