Hidden Enemy10 | The Lilies And Roses

The Lilies And Roses

当ブログはスキップビートの二次小説ブログです。
作者様・出版社様には一切関係はございません。
また文章の無断転載等はご遠慮下さい。

自由にのんびりと書きたいお話を載せていきたいと思います。
Laylaの完全自己満足&文章力UPの為の修行場です(´∀`)

※このお話は33巻からの続き未来のお話だと思って下さい。本誌とはズレが出て来ます。


蓮Side



『あっ!蓮ーーー!!何処行ってたんだよお前!携帯も通じないし!…探してたんだぞ!!』

ニワトリ君と別れた後、自分の楽屋の方へと戻ると 社さんが楽屋の前で待っていた。

「あ…すみません社さん…マナーモードにしていて気付きませんでした…」

『…お前の事だから時間までには戻って来ると思ってたけど…まぁ取り敢えず中に入ろうか』

二人は楽屋の中に入り、椅子に腰を下ろす。

その後も俺の頭の中は 昨日の出来事でいっぱいになり、そのまま無言で考え込んでいた。

「………………………………

そして暫くそうしていると、
社さんがそんな様子の俺を気遣い、静かに話掛けて来た。

『なぁ…蓮…。今日のお前やっぱり何か変だぞ…。…昨夜、キョーコちゃんと何かあったんだろ…?』

………………………………

俺は無言のまま何も答えなかった。

『…蓮……?』

すると社さんは心配そうに俺の顔を覗き込む。

迷惑かけちゃいけないな…敦賀蓮の仮面をちゃんと被らないと…と考えながらも、なかなか思う様に出来ない。

俺はゆっくりと深呼吸をしながら 自分の心を少しずつ落ち着かせていった。


「…社さん……」

『あぁ…蓮、大丈夫か…?一体どうしたんだ…?』


「…彼女のプライベートな内容を含むんで…今はまだ詳しくは説明出来ないんですが…。」

「ひとつ…社さんに頼み事をしてもいいですか…?」

蓮の真剣な態度に社は少し緊張しながら口を開いた。

『…何だよ…?改まって…俺に頼み事って…?』

「…今度…1日オフ取れませんかね…?…最上さんの休みと同じ日に」

『おい…2人揃ってオフか…?うーん…難しいぞ…?』

そう言いながらも何時に無く真剣な蓮の様子に、社はそれを受け入れる事に決めたのだった。

「……社さん…?」

『あぁ 分かった!何とかスケジュール調整してみるよ…!その代わり…ハードな日が続く事になるぞ?』

「ありがとうございます…社さん…!!」





昨夜の最上さんの話を聞いてしまったら、もう俺の”お願い事”は叶えられない…。

俺は…彼女の”心”が欲しいのだから…。


それならば―――……。

少し違う方法で…彼女の傍に…。

もう一度だけ…カインとして―――。







《PM9:00過ぎ》

蓮は撮影の休憩時間にそっと抜け出し、周りに誰も居ない場所まで来るとポケットから携帯を取り出した。

大丈夫…いつも通りに普通に話せばいいんだ…落ち着け…俺…。

「ふぅ~~~……。」

蓮は大きく深呼吸をした後、キョーコに電話を掛け始めた。

プルルルルルル… 
プルルルルルル…

『…はっはい…最上です…!』


「…もしもし最上さん…俺だけど…。」

『あ…敦賀さん…お疲れ様です…あの…私 昨日は敦賀さんに大変なご迷惑を…』

「いや…いいんだ…気にしないで…むしろ君から無理やり聞きだした…俺が悪かったんだ…俺の方こそ…ごめんね?」

『いいえ…そんな事ないですよ…あ、それであの…敦賀さんは今どちらにいらっしゃいますか?』

「俺?…俺は今TBMにいるけど…」

思っていたよりも普段と同じような彼女の態度に俺は少し安心した。

『…あの…敦賀さんのお家のカードキーの件なのですが…事務所に預けておけばよろしいでしょうか…?』

「あ…いいよ…それは君がそのまま持っていてくれる?」

『え…でもそうしますと敦賀さんが…』

「それは元々スペアだから…俺は俺でちゃんとカードキー持ってるから問題ないよ」

『え…でも…』

「…君も持っていた方が便利かなって…思ったんだけど…それとも迷惑かな…?」

『いっいえ…そんな事は全然…』

「…じゃあ持っていて…?」


本当はその鍵は 最上さん

俺が君の為に用意した物だったんだよ

だから…その鍵は 君に持っていて欲しいんだ―――…。



「ねぇ最上さん…」

『はっはい』

「…俺の”お願い事”なんだけど…今度の休みに…1日セツカになってくれないかな?」

『…は…はい?』

「カインとセツカになって…あの時みたいに変装したまま堂々と街中を歩き回りたいんだ…」





普段は全然甘えてくれない君――。

もっと俺に頼って…?たくさん甘えて欲しいのに…。


君は育った環境上

あまり甘える事が上手じゃないのは分かってるけど…。

でもカインの時はセツカとして甘えてくれたよね?


だから…今はまだ ”俺”にじゃなくて構わないから

”カイン”に”セツカ”として たくさん甘えてくれる…?


今は…君の1番近くで…君の事を見守るよ―――。






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