7月7日。そう七夕の日。共同主宰のひきださんと浴衣で王子まで観劇に行ってまいりました・・!


敬愛すべき劇作家女子会さまの公演!!

浴衣着て観劇ってだけで私たち、浮かれておりまして、でも本当に素敵な七夕の夜を過ごすことができました!

芝居自体はそれぞれの作品が全力で私のみぞおちあたりにボディブロー食らわせるようなパンチのある作品でいまだに体がしびれてる感じですが・・!

七夕の日は七夕ならではのイベントもあって、まるごとイベントとしても楽しめました!個人的には戯曲のダウンロードプレゼントが嬉しかったです!(もはやただのファンw)


さて、拙いですが、感想を述べさせていただきます。


「DOG」

人間が動物を演じることによって出てくる生々しさが好きです。

「あんたをかみ殺すことだってできるんだからね」というセリフが、お気に入りです。

病を抱えた女の葛藤と胸を掻きむしりたくなるくらいの衝動と焦燥が伝わってきました。

個人的に、すごくこの女性に共感でき、自分で思い通りにならない身体を、でも自分はずっと一緒に生きていかねばならなくて、自分という存在のしんどさ。

人間てのは、社会の中では社会性を纏わないと人間でいられなくて、でも人間という生き物は獣の臭いこそ纏ってはいないものの、動物でもあって。

最近当たり前のことに気づいたんですが、人間てのはどんなに文明が発達しても、生殖(セックス)の方法は変わらないんだよなあと。まあ今人工授精とかありますけど。

100万回生きた猫も思い出しました。猫として生まれたら猫生を全うする。

今は私たち、人間としてこの世に生を受けたけれど、果たしてその生を全うできているのか?いくら清潔で無菌な社会性で覆われようと、遺伝子には人としての本能とか、自然への回帰とか刻まれているよね。なんてことを感じた次第です。







「だるまかれし」

痛かった。ひたすら、痛かったです。

ときどき、優しいんだけど、やさしく、まだ治っていない傷跡の上を撫でられる感じ。

弱い、やわらかい部分を、真綿できゅうきゅうと絞められているような感じ。

そういう、感覚に訴えられた作品でした。

江戸川乱歩の芋虫を彷彿とさせる、軍人の夫の姿、舞台で見るとよりいっそう、その存在の哀れさと、その姿が讃えられた戦時下の異常さが際立ち、迫ってきました。

個人的に、軍人の妻が夫の世話を焼きながらも「恥ずかしい・・!」と荒ぶり、でもそれでも夫を抱きしめる、その一連の妻の姿に心が動かされました。

こから、アスペルガー症候群の主人公と、シリアルキラーの彼女をもつカップル、その3つがリンクしていくのが面白かった。彼らは皆、不器用なんだけどまっすぐなんだと思うんです。それがひしひしと。疑心暗鬼、猜疑心、周りの目、世間の反応・・・

今にも爆発しそうな不安と感情の爆弾かかえて、なんとか引火しないように、人は社会性という鎧を着て生活しているのかな、そのようなことを考えました。



「絶対恋愛王政」

何よりオタクチームの肉弾戦演技プレイ、否、パフォーマンスが最高でした!

個人的に全員でロボットを作るところがツボすぎて、演劇の青春的側面を見せられたようで、私も童心に返ってわくわくしながら観てしまいました。

坂本さんの作品は、劇読み!でも想ったのですが、生身の人間と人間がちゃんと向き合うことの大事さをエネルギッシュに、描いてくれていて、すごく勇気をもらいます。

なかなか、人と真正面きって向かい合うのってできないですから。

まさかのリアルラムちゃん登場や、生徒会とオタクチームの息もつかせぬ攻防戦に目が離せなかったのもさることながら、ロミジュリのセリフをまさかのパロディもしていて、心から笑えました!そして、私たちは何かのコスプレをして生きているというセリフ。

確かに、自己紹介をするときに、私たちは自分の名前の前に自分が所属している会社や団体、役職、職業などをつけます。そう、実はその自分が着ているものにとらわれているんですね。そういう肩書とか、脱ぎ捨てて生身のフラットな自分で世界や人と向き合っていきたいものです。



「幻燈」

まずアイディアが素晴らしい!!これは匠の技です。

映像と演劇のコラボというのは色々見てきましたが、これは役者さんの技術も相当問われるし、いやでもこの瞬間に立ち会えてよかったです。

3回、活弁士のように同じセリフを同じ映像に被せてしゃべるシーンがあって、3回とも違う発見があり、この繰り返しは面白かった!!これぞ、手法の醍醐味だなと。

最後の方で、子供が父の腕に抱かれ、「こっち向いた」というセリフが個人的に、すごくハッとさせられました。

今まで自分が見ていたのは、こうであるべきだという自分の理想という幻想であり、

現実と向き合ってこなかった、結局現実から逃げていたのだなあと。

でも人間ってどうしても日本の教育的になのか、いい大学に入っていい会社に入ってお給金貰って、家庭を築いて、子を育てて、、みたいな理想像というか、そういうのが刷り込まれているじゃないですか。(最近はこの価値観もだいぶ変わってきたかと思いますが)

理念とか、思想とかを掲げるのも大事だけれど、それ以前に現実の状況と自分の本心とを見つめていきたいなと思わせるラストでした。



こんなに濃密な観劇体験をさせていただけたこと、感謝いたします!

そして、劇作家女子会さまのようにクオリティの高い作品を執筆できるよう、

わたくし、劇作家サカイリユリカも頑張ります!!


秋の企画までにまだまだ書くぞー!!

皆さん楽しみにしていてくださいませ!