進化するコンクリート | Ghost Riponの屋形(やかた)

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なぜ壊れない? 古代コンクリートの謎がまたひとつ解明
2013.06.18 ギズモード
http://www.gizmodo.jp/2013/06/post_12547.html

例えば、ローマン・コンクリート(古代コンクリート)。

今のコンクリートでは到底及ばぬほど長もちするのですが、その秘密は一体なんなのか? 二千年の謎がまたひとつ解明されました。

コンクリートは現代建築には欠かせないものです。一般によく使われる「ポルトランドセメント(Portland cement)」は、セメントの強固材として200年近く前から使われています(日本では1875年に宇都宮三郎の会社が初の国産に成功)。が、耐久性の面ではローマン・コンクリートの足元にも及びません。イタリアには何千年も前からあるコンクリートの港が今だに健在ですが、ポルトランドセメントのコンクリートは「塩水に浸かると、もってもせいぜい50年が限界で、あとは侵食が始まる」(UCバークレーMarie Jackson博士)んですね。

そこで欧米各地のラボで調べてみたところ、最強のローマン・コンクリートは石灰と火山岩を一定割合いで混合したものだとの結論に達したのです。成果は「Journal of the American Ceramic Society(米セラミック協会ジャーナル)」とアメリカの鉱物学会誌「American Mineralogist」に掲載中。

石灰と火山灰って話は前からあった気もするのですが、プレスリリースにはこうありますよ。

ローマ人は石灰と火山岩を混ぜてコンクリートをつくった。水中の構造物の場合は、石灰と火山灰を混ぜてモルタルをつくり、このモルタルと火山性凝灰岩を木製の型に詰めた。これは海水に触れると瞬時に熱の化学反応が引き起こされる。 石灰は水和され(=水の分子が構造内に取り込まれ)て火山灰と反応し、構造物全体をひとつに固める役割りを果たした。


優れた点は強度だけじゃありません。ポルトランドセメント製造は環境に良くなくて、そのCO2排出量は今の産業全体の実に7%にも相当するのですが、ローマン・コンクリートはものすご~くエコなんです。

このローマン・コンクリートの原理を今の建築に活かせないかという研究は日本でも盛んに行われています。古の知恵に学ぶべきことはまだまだありそうですね。

ローマン・コンクリートは、ピラミッドとも関係がありそうだったり↓



ローマン・コンクリート
http://ja.wikipedia.org/wiki/ローマン・コンクリート
ローマン・コンクリート(英: Roman concrete)または古代コンクリート(こだいコンクリート)とは、ローマ帝国の時代に使用された建築材料。セメントおよびポッツオーリ(イタリア・ナポリの北にある町)の塵と呼ばれる火山灰を主成分とした。現代のコンクリートは、カルシウム系バインダーを用いたポルトランドセメントであるが、古代コンクリートはアルミニウム系バインダーを用いたジオポリマー(英語版)であり、倍以上の強度があったとされる。ローマのコロッセオには古代コンクリートも使用されており、二千年近く経過した現在も存在しているのはそのためとされる。また、ローマ帝国の滅亡後に使用された痕跡はないとされる。

性能
現代のポルトランドセメントはアルカリ性になる化学反応によって結合しているため、炭酸化によって表面から中性化することでしだいに強度を失っていく。そのため、日本のコンクリート建造物の寿命は、およそ50年程度と言われている[要出典]。これに対して、古代コンクリートは、地殻中の堆積岩の生成機構と同じジオポリマー反応によって結合してケイ酸ポリマーを形成するため、強度が数千年間保たれている。現代の鉄筋コンクリートと呼ばれるセメント建築物は、引っ張り力を鉄筋が受け持ち、コンクリートは圧縮力に耐えればよいが、鉄筋が使われていない古代コンクリートは、引っ張り力もコンクリートに依存するといった根本的な違いがある。鉄筋コンクリートは、引っ張り強度を確保するために使われている鉄筋などの鋼材に中性化が達すると、腐食に伴って鉄筋が膨張し、コンクリートを内側から破壊する力を発生させて、ひび割れや剥離を引き起こして崩壊へと至る。一方、鉄筋等が使用されていない古代コンクリート建造物には、そのような機序のひび割れや劣化はみられない。

また、ジオポリマー(無機質プラスチック)で作られたコップは、コンクリートの床に落としても、陶器のように割れることなく跳ね返るなど、極めて強靭な性質を備えている。

近年、古代コンクリートは徐々に見直されつつあり、日本でも鹿児島大学の武若耕司がシラスの有効活用のために研究をしている。また、山口大学工学部池田攻名誉教授等が、地球温暖化防止と鉱物質廃棄物処理に貢献するとして、ジオポリマー技術の有用性を説いている。

強度が高く、強度発生までの時間が短いため、軍事面での応用や研究も行われている[3]。鉄道の枕木、下水管、滑走路や石造りの建築物の補修など、広範囲の用途で試験的に使われ始めている。

ピラミッド コンクリート説
ウクライナの科学者、Victor Glukhovsky(ビクトール・グルホフスキー)は、古代のセメント製造法を調べ、アルカリ活性剤を加えることを発見したと主張している。Glukhovskyの研究に影響を受けたフランス人の化学エンジニアJoseph Davidovits(ジョセフ・ダヴィドヴィッツ)は、古代セメントの結合構造であるジオポリマーの化学的構造を解明したとし、エジプトのピラミッドの外殻に使われている石灰岩の化粧石が、自然石を切り出したものではなく、ジオポリマー石灰石コンクリートの一種である人造石で造られたとする説を発表した。

なお、ピラミッド内部の荷重を受ける部分に使われている石材は、石切り場から切り出して運ばれた天然石の花崗岩であり、石灰岩の化粧石とは材質が異なるにもかかわらず、あたかもピラミッドの全てがコンクリート製であるかのような、錯覚を与える記述をしているサイトが散見されるので、注意を要する。

2010年5月21日、日本のフジテレビ系で放送された娯楽番組『金曜プレステージ』でこの説の検証が紹介された。これは、ピラミッドの石切場で採取した石を砕き植物灰などと混ぜて古代セメント製のコンクリートブロックを作り、ピラミッドの石と成分などを比べて調べるという実験が、山口大学の池田攻名誉教授によって行われたものである。番組中、池田教授は自然石では見られない石膏とカリウムがピラミッドの石に含まれていることや、古代コンクリートの可能性がなくはないことに言及した。

高句麗国の将軍塚などのエジプトのピラミッドと共通の外観を持つ石積みの古墳や、同様の大陸式山城の石組みを用いた、日本の神籠石と呼ばれる巨石によって築かれた山城にも、ピラミッドの石を製造したのと同じジオポリマ-技術が使われていることが、顕微鏡を用いた分析からも確認されている。失われた古代技術がシルクロードによって極東まで伝えられた痕跡が認められる。

古代コンクリートの方が、現代のものより性能が良いみたいね。
意外と知られていないと思う。



脆いコンクリート、硬いコンクリート、しなやかなコンクリート。 建築技術と共に進化するコンクリート

進化するコンクリート
http://www.youtube.com/watch?v=isg29cjUF8Q