光吸収100倍の太陽電池を開発 岡山大 | Ghost Riponの屋形(やかた)

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光吸収100倍の太陽電池を開発 岡山大、生活排熱で発電も 2011.9.19 16:38
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110919/scn11091916400001-n1.htm
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酸化鉄化合物「グリーンフェライト」を金属板に吹き付けた太陽電池の試作品

光の吸収率が従来のシリコン製の100倍以上の太陽電池を、岡山大大学院自然科学研究科の池田直教授のチームが「グリーンフェライト(GF)」と名付けた酸化鉄化合物を使って開発している。

この太陽電池はこれまで吸収できなかった赤外線も発電に利用できる可能性がある。池田教授は「赤外線は熱を持つものから出ている。太陽光以外に、火を扱う台所の天井など家中、街中の排熱でも発電できるかも」としており、2013年の実用化を目指す。

GFは粉末状で、土台となる金属に薄く塗る。1キロワット発電する電池を作るコストは約千円が目標で、約100万円かかる従来のシリコン製に比べて大幅に安い。パネル状になっている従来型では難しい曲げ伸ばしができ、煙突や電柱に巻き付けるなど設置場所は幅広い



電子誘電体 RFe2O4

http://www.physics.okayama-u.ac.jp/nogami_homepage/i/reserch.html
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池田研では、RFe2O4という希土類(R)を含む鉄の酸化物を扱っています。この物質は、新しい原理(イオンの並び方でなく電子の並び方)による強誘電体で、この原理を発見したのが池田先生です。

池田研では、良質な試料を作製し、さまざまな条件化での物性測定をしています。さらに、電子デバイスなどへの応用を目指して他の研究室とも協力しています。

研究内容
私たちは、初めて室温で電子が規則配列をとる物質を発見し、“グリーンフェライト®”と名付けました。いままで電子の規則配列(秩序化)は超電導と同じように低温でしか起こりませんでした。この電子の秩序化は物質中の電子同士のクーロン反発力(電子相関)効果で起ります。秩序化した電子群は誘電体と同じ特性を持ち「電子誘電体」とも呼ばれます。こういった特性を持つ材料は今までになかったものですから、さまざまな新しい特性の開拓を行っています。
 グリーンフェライト®は、酸化鉄化合物でRFe2O4 と書かれます。特に三角形の形にイオン位置を持つことから、様々な不思議なことが起ります。これらの特性を調べ新しい電子素子を提案しています。

RFe2O4は、2組の鉄の三角格子の層(W-layer)と、希土類の層が重なってできています。”三角格子面が2枚重なっている”というところがポイントです。
この結晶中では、鉄はFe2+とFe3+の2種類の電荷で存在しています。Fe2+の隣にはFe3+、Fe3+の隣にはFe2+と並ぶと安定なのですが、格子が三角なので、どうしても安定しません。フラストレーションが溜まった状態になります。
330K~500Kではフラストレーションが溜まったままですが、330K以下にすると、2枚の三角格子がお互いに影響しあうようになります。
電子が面から面に移動して、片方の面はFe2+、もう片方の面はFe3+が多くなります。すると、2枚の面の間で電気双極子が生じます。
このままでは電気双極子の向きはバラバラなので、物質全体としては電気的に中性です。でも、これに外から電場をかけると、電気双極子の向きがそろって強誘電体になるという訳です。


さらに、スピンの向きに関しても、同じような現象が起こります。230K以下で磁場をかけるとスピンの向きがそろいます。
つまり、230K以下では電荷もスピンも秩序だった状態になります。このように複数の秩序だった性質を持つものを、マルチフェロイック物質といいます。マルチフェロイック物質は、電場をかけて磁化が応答したり、磁場をかけて電荷が応答したりする可能性があります。

試料作製
LuFe2O4, YbFe2O4, YFe2O4, ErFe2O4 を作っています。作成時のさまざまな条件で試料の質が変わります。
私たちはまず基礎研究ベースで重要な物理現象を捉えるため、酸素欠損量を0.001% まで制御した良質な単結晶をコンテナレス合成(浮遊帯域徐冷法)します。
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薄膜作製・IV測定
上の装置で作れる試料は、バルクという塊状のものですが、薄い膜も作っています。
同じ物質でも、薄膜にすると異なる物性が現れることがよくあります。
薄膜作製には、蒸着法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法などがあります。
蒸着法の場合は化学科の久保園研と協力しており、PLD法の場合は早稲田大学と協力しています。

MBE(Molecular Beam Epitaxy)
試料の温度を上げて蒸発させ、少しずつ基板にのせます。真空中で行うので、沸点が高い物質も低い温度で蒸発させることができます。


極低消費電力トランジスタ
PN 接合を利用した従来型トランジスタでは、駆動電力の省エネ化には限界があります。一方、グリーンフェライト単結晶・薄膜で作成すれば、順方向電圧降下を持たずに電気伝導度をmW/cc 以下の外部電場で制御することが可能です。

巨大電気磁気効果
RFe2O4 は電気磁気効果が現れると以前から言われていたにもかかわらず、実験報告はありませんでした。私たちは、磁化の変化の大きなところで誘電率も大きく変化するという、電気磁気効果を世界で最初に観測することに成功しました。

光吸収
現在の太陽電池は、太陽光の波長分布のうち、特に強度の大きい1.5eV付近以上の可視光を駆動源としています。わたしたちのグリーンフェライトは可視光から赤外線までを取り込む強い吸収領域を持ちます。このため、赤外線領域からの光吸収過程を応用した新しい太陽電池を開発しています。

光吸収100倍の太陽電池を開発 岡山大、生活排熱で発電も より
http://satehate.exblog.jp/16873857/

ピンク文字は、リンクを参考に追加しました。
http://www.physics.okayama-u.ac.jp/nogami_homepage/ikeda.html


これ凄い。
メガソーラーは想像力の欠片も感じられませんが、この技術は抜群です。
粉末状のコートと言う点が、マイヤーセルのインナーパイプに付着するコートに似ている。
GFで半導体を作ったら、発熱の心配がなさそうなのでCPUなら爆速です。
製造可能かは知りませんが(笑)
応用の可能性は無限大です。


私 R 誘電体の新しい原理
http://www.spring8.or.jp/pdf/ja/SP8_news/no27_06/p2-p4.pdf

エコ&エネルギーのまとめ
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10330910957.html
ブラウン・ガス(水で走る自動車)関連リンク集
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10368895283.html