- 民事訴訟法 第4版/有斐閣
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民訴という科目は、他の科目に比してやたらと高度に概念的であり、知識的に細かい部分も多く、ともすると試験対策の視点を忘れて、趣味的な勉強に突っ込んで行ってしまう危険性が高くなる典型的な学問分野のひとつです。
受験生の基本書(辞書)選択も、少し背伸びをしがちな面があるように思われます。
試験対策の観点を失ってはならないと日頃から主張する当ブログとしては、したがって民訴の基本書(辞書)選定についても、できる限り謙抑的な態度を取りたいです。
ですから、ロースクール生の一部で愛用されている「新堂」や「大学双書」や「松本・上野」などの新訴系のモンスター基本書については、ここで一括して不要の烙印を押しておきたいと思います。
そのうえで、しかし辞書として何か一冊、詳細なテキストが欲しくなるのも自然なところです。
そんなときにおすすめなのが本書です。
新訴系ばかりの基本書の中で、本書は伝統的な旧訴(判例実務)に立っていて、試験対策用の基本書としての適格性は十分です。
また、800ページを超える厚さで、辞書としての役割を一冊で担うのにも十分な分量です。
レイアウト的な配慮が全くないので綿密に読まないとよく分かりませんが、概念の説明に終始する傾向が強い民訴テキストの中にあって、条文解釈の姿勢が強くでている点が本書の最大の特徴であり、最も素晴らしいところです。
分厚すぎるのでメインテキストとしての基本書として使用するのは絶対にやめて欲しいですが、何か一冊本棚に揃えておくべき辞書としては一番のおすすめです。
おすすめ度⇒B