初期の頃のロースクールでは、既修者として入学する方のほとんどは、旧司経験者でした。
更にいえば、旧司択一合格経験者でした。
旧司択一合格レベルといえば、新司法試験の短答足切りクリアレベルのはるか上なわけで、こんな人たちが大挙してローに押し寄せていたのが、2000年代までの既修者の実態だったわけです。
10年ちかく、あるいはそれ以上勉強しているのは当たり前、というレベルです。
その傾向は、2010年代になって明らかに変化したと思われます。
もはや旧司からローに鞍替えをはかる移行組は完全にいなくなり、既修者といってもせいぜい2~3年の勉強期間で入学する人が多くなったわけです。
このことは、既修者入試のレベルが、数年前よりも易しくなったことを意味します。
(だから下位ローなどでは既修者の合格者数が減らされているのかもしれませんが)
これは健全な傾向だと思います。
法科大学院制度がこれからも存続していくとすれば、現在の既修入学者のレベルこそが、今後のロー既修入学者のスタンダードになるのでしょう。
現在の既修者こそが、ありうべき本来の既修者なのだと思います。