凶悪
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●お話
ある日、ジャーナリストの藤井(山田孝之)は、
死刑囚の須藤(ピエール瀧)が書いた手紙を持って
刑務所に面会に訪れる。須藤の話の内容は、
自らの余罪を告白すると同時に、
仲間内では先生と呼ばれていた全ての事件の首謀者である
男(リリー・フランキー)の罪を告発する衝撃的なものだった。
藤井は上司の忠告も無視して事件にのめり込み始め……。
~シネマトゥデイより~
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●感想
実際にあった事件を基にしているらしいですが、
内容が内容だけに、楽しい気分で見れません。
しかし、中盤以降の展開はなかなか見応えがあり、
最初は、ふ~~~んって感じで見てましたが、
気づけば、すっかり引き込まれていました。

須藤も先生も狂ってますね。
あの、バラエティでは楽しいオヤジにしか見えない
ピエール瀧さんやリリー・フランキーさんの二人が、
鬼と悪魔にしか見えないんだから、役者って凄いね。

お話は、
ピエール瀧さん演じる死刑囚の「須藤」が、自分を利用した男、
リリー・フランキーさん演じる「先生(木村)」を記者に売る、
・・・というところから始まります。
山田孝之さん演じる記者の「藤井」が担当することになりますが、
須藤から聞かされた、先生が関与している須藤の余罪について、
受け取った手紙も、直接聞いた話も、内容が漠然としているため、
そのままでは記事に出来ないし、そもそもネタとしての信頼性も薄い。
そこでまず、事件の1つ1つを詳しく調査するところから
物語は始まります。

そんな訳で、前半は藤井記者の調査が中心となりますが、
最初は先生が存在するかどうかにさえ辿りつけません。

しかし、少しずつ先生へと近づくにつれ、
我々見る側にも先生の恐ろしさが徐々に伝わってきて、
それなのに藤井は、先生へとガンガン近づこうとするので、
藤井は拉致られるんじゃないか?とか、
藤井は殺されちゃうんじゃないの?とか思えてきて、
見ていてドキドキしてきます。

そして調査が進展し、ある程度の裏付けも取れてきたところで、
今度は事件当時の須藤視点?に切り替わり、
先生もしっかり登場してきて、事件の詳細も明らかになります。

また、夫が事件ばかり追いかけ、家を留守にし、
認知症の義母を押し付けられて悩み苦しむ妻を演じた
池脇千鶴さんの演技や存在感もなかなか凄かったと思います。

ホラー映画とは、また違う怖さのある映画でしたが、
実際にあった事件を基にしていると思うと、怖さも倍増しました。
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