フランス政府が登録する「フランスで栽培される葡萄」に2015年から新たにオンリストされたブルガリア原産のマヴルッドという黒葡萄です。本来フランス原産でリスト外の葡萄が数多く存在するのに何故外来のそれもブルガリア原産の葡萄をフランス政府が公認するのは如何なものかと申し上げたい。

VIVC2 のパスポートデータはこちらでハンガリー原産のIZSAKI SARFEHER izsáki sárfehér (Forvo の発音はこちら )と親子関係があるとのことですが、シノニムを見ると「MAVRO」ギリシャの葡萄の名前に似ています。

ブルガリアの葡萄については殆ど知りませんのでこちら をご覧下さい。古くから知られている葡萄としてはPamid が筆頭にあり、当該葡萄は2番目に出ています。Shiroka melnishka loza (Melnik)、Rubin、Gamza などが挙げられていますが、ヨーロッパに変わりないのでカベソーとかメルロー・ノワールなどフランス系の葡萄が栽培されているはずです。

Gamza とは拙ブログのこちら で取り上げたカダルカ・ケックのシノニムでありブルガリアでは 3,169ha (2009年) 栽培されているとのことです。

日本語のサイトでブルガリアに詳しいところはこちら でしょうか。こちらを拝見すると「ブルガリア固有の白のMisket(ミスケット)、赤ではMavrud(マヴルッド)やGamza(ガムザ)などが有名」とのことです。

VIVC2 から各葡萄を検索しましたが栽培面積が表示されているのは当該葡萄とカダルカ・ケックだけという結果に終わってしまいました。ちなみにマヴルッドの栽培面積は 1,709ha (2009年)であります。

ブルガリアで栽培される葡萄については日本語のこちらのサイト をご覧下さい。

さてこのマヴルッドがフランスで栽培されているか私には疑問に思えますが、フランスのワインと葡萄に詳しいこちらのサイト では登録されていません。当然ながら IGP の葡萄規定にもその名は見いだせません。