生産者もマスコミも収穫が近付くこの頃になると、決まって毎年同じような表現を使います。
「今世紀始まって以来のビッグ・ヴィンテージ」
「例年を遥かに上回る葡萄の出来」
ワインは農産物ですから葡萄の出来、不出来によりかなり味が変わるもの。
最近では本当に良かった年と云えば地域にもよりますが、2005年だけではなかったでしょうか?
ですがこの2009年はいろんなサンプルを飲んで2005年を凌駕するヴィンテージと推定します。
もちろんボルドーのグラン・ヴァンは来年になってからのリリースですので今の時期はその裾物を味わってみたいと思います。
さてこのワインはシャトー・ムーラン・ド・マレの2009年です。
アペラシオンはボルドー、生産者の場所は「À PUJOLS, GIRONDE」とエチケットに見られます。
裏ラベルには同じく場所の説明があり「サンテミリオンの南側にあるコミューン・ピュジョル」と明記されています。
フランスのコミューンを網羅したサイト「コミューン・ドット・コム」で「Pujols」を検索するとこちら
、ドルドーニュ河の左岸アントル・ドゥー・メールにあるコミューンです。
他にロット・エ・ガロンヌ県にも同じ名前のコミューンがあるのでちょっと注意が必要かも知れません。
ピュジョルはコート・ド・カスティヨンの中心地カスティヨン・ラ・バタイユから5キロ南の場所にあります。
INAOのサイトからコミューン名でアペラシオンを調べるとワイン関係ではボルドー、ボルドー・シュペリュール、クレマン・ド・ボルドーそしてアントル・ドゥー・メールの4つが現れます。
輸入元の説明によると、ブドウ品種はメルローが80%、カベソーとカベルネ・フランで 20% 。醸造はセメント・タンクとステンレス・タンク(3週間マセラシオン)、熟成はステンレス・タンク 11ヶ月、平均年間生産量 240,000本とのことです。
早速開けてみましょう。
結論から申し上げるととても濃い紫色、酸が少ないのは気になりますが、取って付けたようなけばけばしい酸などワインに必要ありません。
今すぐ飲んで美味しく仕上がっている良いワインだと感じました。