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随分と久し振りになるオーストリアのワイン、生産者シュロス・ゴベルスブルグは葡萄品種グリュナー・フェルトリナー、畑の名前が「シュタインセッツ」、ヴィンテージが2006年の辛口白ワインです。生産者のHPはこちら をご覧下さい。かなり大きな生産者なのでしょう、ワインの種類も大変な数になっています。


ラベルには誇らしげにその建物が描かれてありますがその細密なことこの上無しですね。ボトルの形状はドイツワインのような細長いものではなく一般的なブルゴーニュと同じであります。

キャップシールは分厚い錫製、トップに孔はありませんが赤・白・赤のオーストリア国旗と同じ色に染められてあります。トップの色に拘るのは収納してあるワインセラーの構造からでしょうね。扉を開けるとキャップシールのトップしか見えない構造のワインセラーが殆どだからです。


コルクはかなり良質の長さ48ミリ、一見して48、49、50ミリと見分けられるようになればプロのソムリエと云えるかも^^! トップボトムに2006、センターがずれているのは国民性でしょうか? サイドには家紋?に生産者名、ST 10 CF& A9937 などの印字がありますが意味不明です。


グラスに注いでみましょう。


注ぐときに感じるのはこの液体の重いこと、粘りではないのですがトロンとしていてなんだか濃いように思います。色も濃い! マセラシオン・ペリキュレールの手法を使っているのでしょうか、かなり濃いめの綺麗な緑がグラスに映えます。妙な泡立ちなど一切ありませんし、はじめからグリュナー・フェルトリナー独特の香りが立ち上ってきます。リースリングでもソーヴィニョン・ブランでもシャルドネでもないグリュナー・フェルトリナーの香りとしか表現できませんけど良い香りに間違いありません。口に含むと先ずハッキリ分かるのは味の密度が高いこと、特にミネラル豊富なことはすぐご理解頂けると思います。甘み成分は殆ど無く酸もそれほど強くはありません。この甘酸のバランスもとても重要で、辛口好みの小生にはピッタリ! しかしワイン自体は決して重くはありません。


濃い、甘さもあり酸もしっかり、樽もしっかりというワインは飲み口が重く飲んでいると疲れてしまいます。私の場合食事時にワインを飲むのでこういった傾向のワインは好みではありません。 人によりワインの好み、食事の好み、音楽の好みなどいろいろ違って当たり前ですので万人に受けるワインなど絶対存在しないと考えております。ただ素材に拘って質の良いものを食べる習慣が付くと飲み物は限られてくるものです。


今日の食材は淡路の鶏魚と天然の鯛、500グラムの大きめ鶏魚と1100グラムの砂地の鯛、両方とも造りで食べると魚の違いがよく分かります。私の場合生山葵の皮を厚い目に剥き山葵の芯の部分を鮫皮おろし器で円を描くようにおろします。そのねっとりとした山葵だけ切り身に付けてフルール・ド・セルの細粒を少しだけ付けて食べることが多いのですが、魚の甘みを味わうには一番の食べ方ではないかと思っております。もちろん山葵にエクストラ・ヴァージンでも構いませんし、山葵醤油もご飯と一緒なら合うでしょう。


このワイン推定蔵出し価格は7.50ユーロ(オーストリアもユーロ圏でしょうか?)、税別小売価格¥3,150 は決して割高ではありません。辛口好みの人には嬉しいワインに違いありません、メチャお薦めどす。