電車で移動中のこと




目の前の席に

年の頃は50~60くらいと思われる三人の男性が。


この三人、何やら盛り上がっており

どうやら高校野球、プロ野球について語り合っている様子。


こういうオジさんグループは
九割九分の確率で声がデカいので
否が応でも会話が耳に入ってくる。





「まぁ一回戦は大丈夫だろうな」

「ピッチャーがいいからな。一回戦はいけるよ」

「でも連投連投で疲れてくるだろうから
控えにイイのがいないとやっぱり厳しいな」

「昔は連投が当たり前だったんだけどなぁ。
今は弱くなったよ」

「そうそう。過保護すぎるんだよな。
もっと厳しくしないと」

「坂東なんてずっと投げてたよな」





たしかに、オジさん達の言う事はごもっとも。

その昔、プロ野球界では
チームのエースともなれば
1シーズンで40~50試合の登板はザラだった。

シーズン42勝の日本プロ野球記録を持つ
故 稲尾和久氏が
「日本シリーズ7戦中6戦登板」
そしてその活躍でチームを優勝に導き
「神様、仏様、稲尾様」
と賞賛されたのは、あまりにも有名な話。



しかし今の野球界では、先発投手に限っては
多くても1シーズン20~25試合の登板数。

「カネやん」こと金田正一氏がもつ
「プロ野球通算400勝」の記録が
絶対に破られないと言われる由縁はココにある。


まぁそのぶん現在と比べると
全体的に選手生命も短かったのだが。






その後も

なるほど。面白い話をしているな、と思い
オジさん達の話に耳を傾けていると



話題は
日本ハム、斎藤佑樹投手と
楽天、田中将大投手の
高校時代、甲子園での投げ合いについて
にシフトしていった。







「アレはすごかったよな。
ああいう勝負は10年に1回、あるかどうかだよ」


「決勝で引き分け再試合だもんな。
2人ともよく投げたよ」



「あれだろ?ハンカチ王子と......





マーちゃんだろ?」










.......ちょっと待ってくれオジさん。


今までのあなた方の話はすべて正しい。

さすが人生の先輩
と耳を傾け、心の中で頷いていた。



が、しかし。




なぜ「マーちゃん」なんだ?



ハンカチ王子はわかる。
今でこそハンカチを持たなくなったが
斎藤佑樹投手の高校時代といえばソレなのだから。


しかし田中将大投手は.....


いつ誰が「マーちゃん」って呼んだんだ?

そこは間違いなく「マー君」だろう?

あの野村監督でさえ
「マー君」と呼んでいたんだぞ?



いや、もしかしたら彼らはマー君の親族で
マー君がマー君と呼ばれる前から
マーちゃんマーちゃんと言って可愛がっていたのか

と、ややこしいコトも考えたが
今までの話の流れからソレはない。









ツッコミたかった。

年配の方に失礼を承知で

「マー君やろ!!!!」

と力一杯ツッコミたかった。




しかしそんなボクの気持ちを嘲笑うかのように

オジさん達の話はマーちゃんオンリーとなっていく。


「マーちゃんは楽天に行ったからよかったんだよ」

「そうそう。マーちゃんには野村監督がいたからな」

「楽天は選手層も薄かったから、マーちゃんは即戦力だったんだよ」

「マーちゃんが巨人に行ってたら今みたいにはなってないな」






やめろ!!!!

それ以上マーちゃんって言うな!!!

こちとらツッコミたくてツッコミたくて仕方ないんだ!!

そもそも三人もいるんだから、誰か気付けよ!!!

「あれっ?何か呼び方おかしいな」って思えよ!!!

気付いたらさりげなく「マー君」って言ってくれよ!!



そんな葛藤の中、気が狂う寸前で目的地につき

逃げるようにして電車から降りたのでした。








オジさん達。


7/7という特別な日に

見せ場なく惨敗したボクに

ブログネタをくれてありがとう。






















iPhoneからの投稿