ごきげんさんです。
先日、エンジン音が異常に大きくなった上に調子も悪いので修理してほしいというお客さんが来られました。
乗って来られた時の音を聞いて原因はすぐに分かりました。
このブログでも何度か紹介していますが、ライブディオシリーズではお約束のクランクベアリング破損です。
今回はライブディオシリーズでも初期に出た「SR」というグレードです。
部品は全部在庫しているのでぱっぱと仕上げます。
まずは車体からエンジンを降ろします。
降ろしたエンジンは組み立て時にゴミが混入しないよう、分解前に必ず清掃します。
駆動系、ACジェネレータなどの付属パーツ、そしてシリンダー・ピストンも外します。
クランクシャフトを上下に揺すると大きなガタがあります。
クランクケースの分割作業中です。
外したベアリングとクランクケースは鉄粉を含んだ汚れで真っ黒です。
まずはきれいに清掃します。
これが新しいベアリングです。
NTN製ですが、ボールの大きさの割にアウターがやたら分厚い特殊サイズです。
SCO4819CS31PX2とやたら長い型番が刻印されてますがJIS規格ではありません。
ヤマハ車などはJIS規格のベアリングを採用しています。
ライブディオも規格品だったらもっと耐久性が出たように思います。
エンジン無しのSR君が作業の様子を心配そうに見つめています。
「また元気に走れるようにしたるから待ってろよ(心の中の声)」
今回はベアリングだけでなく、クランクシャフトもダメになっていました。
上が良品で下がダメなクランクです。
軸の付け根のベアリングが圧入されるところが削れて細くなっているのが分かりますか?
こうなるとベアリングにシャフトが固定されずガタガタで、エンジンがまともに回ってくれません。
ベアリングとクランクシャフトを組み込み、ケースを締めているところです。
このへんの組み方でエンジンの仕上がりに大きく差が出ます。
6本あるボルトをトルクレンチを使い均等に締めます。
締め付けたらクランクが軽く回るように調整し、オイルシールを組付けます。
これはオイルポンプの駆動ギアです。
こんな感じでセットされ、クランクシャフトのウォームギアで回りますが、今回のようにクランクがガタガタになってると、このギアにまでダメージが及んでる事があります。
オイルポンプが正常に駆動されないと当然焼き付くので要注意です。
外したパーツを組付けていきます。
車体にマウントして始動テストです。
音は静かになり、回転もスムーズになりました。
この後慣らし運転を兼ねたテスト走行をして異常が無ければ完成です。
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