昨日は、北海道科学大学の学生さんを対象とした『問題解決』をテーマにしたセミナーの講師を務めました。
私の人生は問題解決の連続でした。ただ、そうした経験があることで、多少は役に立つ仕事ができていると思っています。問題解決力は人間力であり仕事力であり、日々を楽しく生きる力ではないでしょうか?
そんな考え方や経験、そして私の身についた問題解決法について、お話しさせていただきました。
学生時代の話から遡ると…
実家を出て札幌に来て初めての一人暮らし、誰も頼る人がいなく、分からないことだらけでした。初めてのインド旅行では恐い人たちに軟禁されました。それは機転を利かせて無事に帰国できました。将来の希望が変わって北海道大学に2回入学しました。卒業後もどうしても続けたい研究があって会社と交渉して就職後も研究室に残る待遇を認めてもらい、更に、自分の携わった研究成果を実用化したいという思いを実現する会社設立に協力してもらって30歳で企業経営者となりました。研究開発型ベンチャーとしてまだ売るものがなかった設立初期の無名の会社の経営は課題山積みでしたが、発想の転換で日用品としてのヒット商品を生み出すことができました。一方、震災の影響で財務状況が悪化して危機に陥り、雇用を守るために事業譲渡や分社化でその危機を乗り越えました。そんなように、私の生き方や仕事は問題解決そのものだったと振り返りました。
もしも、目の前に課題が生じたとき、それをたちまち解決して、想像を超える成果を上げる方法があるとしたら?
それは、少なくとも3つのステップを踏むことになります。
1.現状を正しく認識すること
2.正しい質問をすること
3.枠を外して次元の異なる解決法を採用すること
世界を変えるような問題解決をしてきた過去の偉人たちに学べば、このことは直ちにわかります。
私のつたない経験の中でも、振り返れば、うまく問題を解決できたときは、必ずこの3つのステップを確実に踏むことが必要でした。
また、大切なのは、課題や問題、逆境、あるいは失敗をポジティブに捉える事だと思います。私は、問題解決というのは、成長もしくは成功のプロセスそのものだと考えています。
ある方法でうまくいったとしても、やがてその方法の限界が訪れます。その原因は、社会の変化かもしれないし、技術革新かもしれないし、人々のニーズや価値観の変化かもしれないし、量や質の問題かもしれませんし、あるいは事故や災害かもしれませんが、同じ方法でいつまでも永遠にうまくいくという事は奇跡のようなものです。通常は、ある限定された条件下で機能する比較優位な方法が存在するにすぎません。なので、その限定された条件を超えて機能する優れた方法を得るためには、限界を超えること、つまり、ある方法を極限まで突き詰めて機能しなくなる(失敗する)ところまでやり、課題や問題、逆境を経験して、それらを乗り越えるプロセスが不可欠になります。
なので、失敗や問題、課題は歓迎すべきものであって、避けるべきものではない、というのが、私の行動指針の根幹を支える考え方です。
そうしたことをできる限り丁寧にお伝えしたつもりです。届いたかどうかは分かりませんが、少しでもお役に立てることができたとしたら、嬉しく思います。
今回、この機会をいただいたのは、北海道科学大学の講師であり、株式会社Happy arrowの代表取締役でもある森順子さん(写真左)のコーディネートでした。
彼女は、以前、TVhでアナウンサーをしていたのですが、ちょうど6年くらい前にわたしが取材を受けたときのレポーターでした。話してみると、同じ千葉県出身で、更には、同じ高校(千葉県立長生高校)の後輩だと言います。えっ!なぜ北海道に?という事で話が弾み…あれからずいぶん時間が経ちましたが、今回のご縁をいただいたのです。
ちなみに写真中央は、ソーシャル・イノベーション・マガジン『オルタナ』北海道支社長で、グリーンナイズ株式会社代表取締役の横山光紀さん。森さんのご紹介でお会いしたのですが、お話を伺うと実は北海道大学の先輩でした。
こんな良いご縁に恵まれた、素晴らしい機会を得られたことに感謝いたします。
学生さんにお話しさせていただくことはこれまであまりなかったのですが、昨年からときどきお声がけいただくようになりました。
また機会があれば、やらせていただきたいと思います。
とても楽しかったです。(笑)