残ったのはデパ地下だけ | BOSSの独り言

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月刊BOSS編集長・関慎夫がつづるインサイドニュース・ブログ

昨日の夜や今朝のニュースでは、どこも池袋三越の閉店を大きく取り上げていたようです。

ここ5年ほど、私は最低でも月に1度はあの三越の前を通っているのですが、結局入ることのないまま閉店の日を迎えてしまいました。三越のすぐ近くにあるビックカメラやヤマダ電機は、たまに入りますし、少し離れた東急ハンズも覗くことも珍しくありません。だけど三越には入らない。考えてみれば池袋駅に直結している西武百貨店も東武百貨店にもまず入ることはありません(三越と違って何度か入ったことはありますが)。そのことが今日の百貨店のポジションを明確に物語っています。

百貨店業界の人はなかなか認めたがりませんが、百貨店という業態はすでに寿命を迎えています。

もともとワンストップショッピングができるのが百貨店の魅力でした。ところがダイエーなどスーパーの台頭で足元がぐらつきはじめ、やがて電化製品の取り扱いをやめるなど、「百貨店」はいつの日か「「十貨店」程度へ商品を絞り込むようになっていきます。

で、実はそんなことは、もうバブルの前頃から言われてきたことです。ところが20年間抜本的な手を打つことを怠っているあいだに、頼みの綱だった衣料品でさえユニクロなどのカテゴリーキラーに蹂躙されてしまったのです。あと残っているのはデパ地下のみ。

百貨店の実態はもはや食品市場、というのが私の中での位置づけです。