朝鮮への再度の出兵が行なわれた。
西国の諸将を中心に十五万ほどの軍勢が彼の地へと渡ろうとしている。
例によって殿下の御渡海はない。
それどころか、体調が非常に思わしくなく、本陣となる名護屋まで行く事も控えられた。
これではさらに戦況を把握するのは難しいだろう。
前回の出兵の二の舞になる事は避けたいであろうが、どうだろうか。
上杉には兵を出す命令がなく、越後での在郷が認められた。
伏見にすらいる必要がないとはどういうことなのか。
むしろ不安すらも感じるのだが、この機会に越後をより良くしたいと思う。
大規模な灌漑工事は必要ないと思われるが、細かな部分で、まだ開拓が可能な地はいくらでも残っている。
それに農民が安心して農業に従事できるように指標となるものを作りたいと考えている。
こちらはまだ構想の段階であるが、生活の基盤となる農業のために国づくりを見直していきたいと思っている。