素材と鍛造、鋳造は大事な要素です。

 

まず材料ですが、S15C (0.15%のCカーボン含有する鉄S)は機械構造用炭素鋼のなかで、低炭素鋼にあたる鋼材で、軟鋼に分類されます。炭素量(カーボン量)の含有は0.13~0.18となっています。低炭素にすることで粘りを重視したいケースで検討されます。この数字が増えるほど硬くなります。

 

 

カーボン量の比率が一番高いのがダイヤモンドです,、焼くと黒焦げになりますね。鉄鋼材料から、ニッケル合金、アルミ合金、チタン合金、銅合金、マグネシウム合金、など枚挙に暇がありません。ステンレスも、含有物(クロムCr、モリブデンMo、ニッケルNiなどの微量元素)を増やした鉄の一種。


ステンレス鋼材とは、鉄にCrクロムやNiニッケルなどの物質を添加して錆びにくい鉄の一つです。JIS規格では、ステンレス鋼材の材料記号を「SUS」と書き、錆びにくい特殊用途の鋼で"Steel Special Use Stainless"から取られています。


この「錆びにくさ」は、Crクロムを12%以上含有して、耐食性を高めた鋼である。

最新の国際的な定義では、炭素カーボン量が1.2%以下でクロムが10.5%以上と定義されています。また鉄(Fe)以外の元素の合計が50%を超えないということも付け加えることができます。成分から大別すると、クロムをベースにしたものと、クロム-ニッケルをベースにしたものがあります。鉄鋼材料にある特定の元素を添加することで、様々な付加価値を作り出すことができるため、ステンレス鋼材でも種類によって多様な添加元素が足されているケースもあります。これらは微量元素である為、これらは高額で、Feが一番安いです。

ステンレスパターの方が鉄のパターより高価なのはその為です。
 
鋳造鋼材は硬い材料です。鋳造アイアンを曲げると折れると言われるのはその為です。
中には、含有物比率で曲げやすい鋳造素材もありますが、一般的には鋳造品は曲げると折れます。鋳造アイアンの代表pingのアイアンでも「3度以上曲げると折れる可能性が高い」と注意書きがあります。
 
その他熱処理をすると硬くなるという事もあります。
刀を熱して叩いて鍛えるという写真や画像を見るでしょう。しかし考えてください、戦国映画を見ると判りますが、刀は戦場でポキポキ折れ、刃こぼれするのです。それは刀が硬いから折れるし、欠けるのです。
柔らかい素材の方が打ち傷は付きますが、折れません。
軟鉄は折れないし、曲げることができるのです。
硬い地面で打ったら、ヘッドが飛んで行ったのではゴルフになりません。
折れるのは、鋳造アイアンの方が折れる可能性が高いのです。
 
 

さて鍛造です。

こんな馬鹿デカい機械(真ん中に黄色いヘルメットの作業してる方がいます)で鉄を1000度以上に熱して、金型でバンバン叩くんです。この大型プレス機は数千万円します。ですから、市川町では多くの工房が共同使用しています。その上鍛造金型は一型数00万円しますから、アイアンセットの治具で凡そ5000万円します。金型は通常2セット作るんでそれだけで1億円です。中小企業に毎年そんな設備投資できますかね??

 

だからメーカーの資本力でそれらの設備をし、下請け会社(OEM会社)が一個幾らの賃加工をします。鍛造数十円/個、研磨百円/個という単位ですね。。

鍛造会社は型が鉄をたたく音がうるさいので、だいたい人里離れた田舎にあります。

 

この辺でいうと、岐阜県、滋賀県、兵庫県、岡山県の山間にあることが多いいですね。

 

即ちクラブの名産地です。

 

岐阜はミズノ養老工場

滋賀はトブンダのアルペン工場

兵庫は三浦技研などがある鍛造アイアンの聖地・市川町です。

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鍛造されたばかりのミズノの鍛造
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冷えるとこんな感じになります。
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次に別の精密な鍛造型で、余剰重量の羽を取ります。
これは余剰の羽とよばれるバリです。餃子の焼いた時に出るパリパリの羽みたいなもんです。
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他のメーカーはヘッドに、ネックを溶接していますので、切断するとこんな感じに
なっています。 ヤマハ、DLは下記のようなタイ製の鍛造、溶接、研磨です。
これにネックを溶接します。
ヘッドとネックが別なんで、感触が伝わりにくく、打感が損なわれます。ミズノのアイアンの素晴らしいのは、ヘッドとネックの一体成型鍛造にあると言えます。一体鍛造なんで、鉄の流れた痕が内部に残り、これがヘッドとネックの一体感を生み出します。
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ここからは研磨工房に移動します。
皆さん大好き三浦技研やEPON、ロマロなんかやメーカーの研磨工場です。
①ライロフトのネック調整し
②研摩をして重量調整
③刻印をします。メーカー名、製品名、フェース面の溝
これで一個200円くらいかな??
 
研摩が終わるとバレリングというバリ取り工程
そして下地銅メッキ、最後に仕上げのメッキです。これらは各工程一個数円です。
 


こうやって手動や自動で刻印します。この工程も量産品なら一個数十円の値段です。
スコアーラインも上の機械でフェース面全体をプレス刻印します。
昨日の写真で、キャメロンさんはハンデメードトンカチで刻印してましたね。
あれは人件費の高いキャメロンさんが、ツアープロに渡してるパターだから、最低30万円~100万円するパターですから、人件費なんて無視です(爆)