「世紀末覇者ラオウの拳に倒れたレイ。
残された命は僅か3日限りだった。
レイはマミヤの両親を〇し、マミヤの肩に烙印をつけた
南斗六聖拳の1人ユダを追い砂漠の街へと向かった。
だがユダは妖しの星。巧みにレイの前から姿を消した」(ナレーション)
「はっはっはっはっは。レイはやがて心も体も朽ち果てる。はっはっはっはっは」(ユダ)
「時は残酷に過ぎていく。
無念の思いと共にレイは砂漠の街に倒れた」(ナレーション)
北斗の拳 第54話です。
「ちぇ。レイの命は今日限りだっていうのにケンは一体どうしちまったんだ?」(バット)
ノバが運転するバギに乗った
ケンシロウと
レイの姿がバットの視界に入る。
ケンシロウとレイの帰りを知らせるバットの声に村の人々は沸き返る。
ノバは村の少女達を救ってくれた礼を言い去って行った。
「ケ~~~ン!」(リン&バット)
「兄さん!」(アイリ)
「レイ」(リン)
「レ、レイはまさか …」(バット)
「大丈夫だ。〇んではいない。気を失っているだけだ」(ケン)
マミヤとトキは迎えに行かず見守っていた。
「レイ …}(マミヤ)
「レイの命は今日限り」(トキ)
「はあっ!?」(マミヤ)
「これから地獄の様な苦しみが彼を襲う」(トキ)
「トキ …
これを … レイに」(マミヤ)
「むっ!?」(レイ)
「メディスン・シティで見つけた薬です」(マミヤ)
「何!?」(トキ)
「レイは私の為に … でも私は何もしてあげる事ができない … せめて、この薬で …
私にはこれしか …」(マミヤ)
何処へかに去るマミヤ。
「マミヤさん」(トキ)
「ふっふっふっふふふ … 美しい男よ。それは汝なり。ふっふっふ。
コマクか?」(ユダ)
「はい」(コマク)
「コマク、俺は美しいか?」(ユダ)
「とても美しゅうございます。ユダ様は世界で一番強く美しいお方」
(コマク)
「ふっふっふっふっふっふっふ。
ところでコマク? ケンシロウとレイはどうした?」(ユダ)
「はい。村へ戻ったようで」(コマク)
「村へ? マミヤのいるあの村か?」(ユダ)
「さようで」(コマク)
「ふっふっふっふっふ。レイ、哀れな男よ。
愛する女の為に俺に立ち向かおうとしたお前の命も、いよいよ朽ち果てるか。
だが俺はお前を〇に際まで嘲笑ってやる。
コマク。マミヤのいる村へ行け。行ってマミヤを奪って来い」(ユダ)
「はい」(コマク)
「はっはっはっはっは。レイ! お前を愛する女の傍では〇なせない。お前はマミヤに看取られる事無く1人寂しく〇んでゆくのだ」(ユダ)
レイの義星が夜空に輝く。
「人の為に生きる義星を持つ男レイ。その義星がピエロの星である事を十分に思い知らせてやる。ははははははは」(ユダ)
「どあっ!? ぐあっ … うっ」(レイ)
「兄さん」(アイリ)
「レイ」(リン)
「ここは?」(レイ)
「そうか、俺はブルダンの街で気を失い …」(レイ)
「急いでこの村まで運んだ」(ケン)
「マミヤは?」(レイ)
「外だ。これ以上お前が苦しむのを見ておれんのだろう」(トキ)
「レイ …」(マミヤ)
マミヤの頭上にも〇兆星が光り輝く。
「ぐはっ! うぅっ」(レイ)
「レイ、大丈夫かよ!?」(バット)
「あぁ … 無念だ。このままユダを倒せず〇んでいくとは」(レイ)
「ははははははは、うははははははは」(ユダ)
「いや、まだ方法はある」(トキ)
「えぇっ!?」(アイリ&バット&リン)
「トキ … まさか、あの方法を?」(ケン)
「お、俺はまだ生きられるのか?」(レイ)
「ある秘孔を突く事で少しだけ命を延ばす事ができる」(トキ)
「あぁっ …」(レイ)
「だが、その秘孔を突けば今とは比べ物にならぬ激痛がお前を襲う。
場合によっては苦痛で発狂してしまうかもしれない」(トキ)
「兄さん」(アイリ)
「うっ … うぐあっ!おぉ…」(レイ)
「うぐぁ~~」(レイ)
「兄さん」(アイリ)
「おく」(レイ)
「もう1つ、その苦痛から今すぐ逃れる方法もある。それは … マミヤさんから託された薬。
これを飲めば
すぐ〇ぬ」(トキ)
マミヤの非情な決断に室内の面々は声も出ない。
「選ぶがよい。誰にも強制はできぬ。決めるのはお前だ」(トキ)
「あっあぁ~~」(レイ)
「レイ … あなたはもう十分に闘ったわ。これ以上、私の為に苦しむのは止めて」(マミヤ)
「あれだ。あれがマミヤのいる村だ。骨のある奴はケンシロウとかいう拳法使い只1人。
いいか! 邪魔する奴は全て叩き〇せ! 止めろゴーギャン。暴れるのは村へ入ってからにしろ」(コマク)
一度は薬に手を伸ばしたレイだが
押し返す。
「レイ」(ケン)
「俺は南斗六聖拳の1人。義に生きる星の男。
俺がどっちを選ぶかは分かっているはずだ」(レイ)
「兄さん」(アイリ)
「トキ、頼む。俺は少しでも生き延びたい。
マミヤの為に。
ユダを倒すまでは … ああっ …」(レイ)
「兄さん」(アイリ)
「よし、始めよう。みんなにはここを出てもらおう」(トキ)
「兄さん」(アイリ心の声)
「始める前にこれを渡しておこう。苦痛に耐えられない時は
飲むがいい。
ラオウが突いた秘孔『新血愁』に対応する経絡秘孔は
只1つ、秘孔
『心霊台』」(トキ)
「んんっ … あっ!」(レイ)
秘孔を突くだけでなく、グリグリ抉ってます。
「うわぁ~~~(以下レイが絶叫していますが省略します)」(レイ)
トキの額に冷や汗が流れる。
「止めてぇ~~ もう止めてぇ。止めて …」(アイリ)
「アイリ」(ケン)
レイの絶叫が止まった。
↓後編へと続く。