その2↑からの続きです。
突如起こった爆発に
ミツコと服部探知は驚く。
「何だっ!?」(服部)
恐る恐る進んだ先には
多くのロボットの残骸がありミツコは驚くが、
残骸の先にジローを見つける。
「ジロー!」(ミツコ)
ミツコはジローの元へと駆けていく。
だがジローからは拳が繰り出される。
すんでの所で拳は止まり
ジローの目から
赤い輝きが消えた。
「ミ … ミツコさん …」(ジロー)
ミツコは
ジローにすがりつく。
「良かった …。無事だったのね」(ミツコ)
そっと開いたジローの手には仲間の … 兄弟のオイルに塗れていた。
「あっ。そ … それは?」(服部)
「あっ …。
あっ … ああっ …」(ミツコ)
「ミツコさん、しっかりして」(ジロー)
「ジロー?」(ミツコ)
「博士はまだ生きている。すぐに体に移植すれば助かるかもしれない。
服部さん。お願いします」(ジロー)
「わ、わ、わ、分かった」(服部)
ジローはミツコを離す。
「僕は … プロフェッサー・ギルの所へ行く」(ジロー)
「ジロー …」(ミツコ)
「まるで使い捨ての道具だ …。ギルは人間もロボットも信じちゃいない。こんな事はもう … 止めさせる」(ジロー)
ジローはミツコを服部探偵の方へと送り出す。
「ミツコさん … 博士に付いていてあげて」(ジロー)
「ジロー …」(ミツコ)
「服部さん」(ジロー)
「お、おう。君も気をつけろよ」(服部)
ミツコは
込み上げる思いに耐えかねて
ジローの元へ駆け戻り
口づけを
する。
「きっと … 帰ってきて。私、待ってる」(ミツコ)
ジローは答える事はせず
頷くのみだった。
それ以上
ミツコは何も言えず
ジローの
元から
離れて
行った。
離れていくミツコをジローは見送った。
「何故だ。量産型とはいえハカイダーと同等の性能を持つロボットが …。
来たか」(ギル)
「プロフェッサー・ギル」(ジロー)
「お前はいつも儂の予測を裏切る。何故だ?」(ギル)
「お前には分からないだろう … 絶対に分かるもんか。この力がどれだけ僕を苦しめているか」(ジロー)
「ジロー君が心配?」(服部)
「さっきのジロー、少し怖かった。憎しみに駆られて戦ってたあの時の様に。こんな風に戦ってたらジローのジェミニィは …」(ミツコ)
「大丈夫。彼は人間以上に優しい心を持ってる」(服部)
ミツコはジローの事を案じて止まなかった。
「何故、お前はこんな事をする。ロボットや人間まで道具として使い捨て、お前に何が残るというんだ」(ジロー)
「ロボットなど、ただの道具だ。儂の命令に従っていればいいだけの存在だ」(ギル)
「僕達は道具じゃない。生きてるんだ。人間と同じ生命や心を持っているんだ」(ジロー)
プロフェッサー・ギルの部屋にジローは踏み込む。
ジローはプロフェッサー・ギルへと進む。
それに対してプロフェッサー・ギルは
笛を奏でてジローの動きを止めようとする。
笛の音は基地内に響き渡る。
壊れたロボットの中から
ハカイダーが立ち上がった。
一心に笛を奏でていたプロフェッサー・ギルが
薄目を開け、状況を確認しようとして
驚愕した。
ジローの動きは止まらず、真っ直ぐプロフェッサー・ギルの元へと進んでくるではないか。
ジローはプロフェッサー・ギルの動きを止める。
「何故だ? 何故、動ける?」(ギル)
「人間が成長する様に僕も成長する。
もう、お前の言う事は聞かない」(ジロー)
ジローはプロフェッサー・ギルの笛を破壊した。
「お …
お前に人間が○せるのか?」(ギル)
「○せるさ … 僕の手は、もう何人もの兄弟の命を奪った
血塗られた手なのだから …」(ジロー)
ジローの手がプロフェッサー・ギルの首に伸びてゆく …
その4↓へと続く。