人造人間キカイダー 第12話 その3 | 成田家の徒然なる日々 ~15th Season

成田家の徒然なる日々 ~15th Season

来訪される皆様に支えられて15年。昭和の特撮・アニメを取り上げていきます。

その2↑からの続きです。


突如起こった爆発に

ミツコと服部探知は驚く。

「何だっ!?」(服部)

恐る恐る進んだ先には

多くのロボットの残骸がありミツコは驚くが、

残骸の先にジローを見つける。

「ジロー!」(ミツコ)

ミツコはジローの元へと駆けていく。

だがジローからは拳が繰り出される。

すんでの所で拳は止まり


ジローの目から


赤い輝きが消えた。


「ミ … ミツコさん …」(ジロー)


ミツコは


ジローにすがりつく。


「良かった …。無事だったのね」(ミツコ)


そっと開いたジローの手には仲間の … 兄弟のオイルに塗れていた。


「あっ。そ … それは?」(服部)


「あっ …。


あっ … ああっ …」(ミツコ)


「ミツコさん、しっかりして」(ジロー)

「ジロー?」(ミツコ)

「博士はまだ生きている。すぐに体に移植すれば助かるかもしれない。

服部さん。お願いします」(ジロー)


「わ、わ、わ、分かった」(服部)


ジローはミツコを離す。

「僕は … プロフェッサー・ギルの所へ行く」(ジロー)

「ジロー …」(ミツコ)

「まるで使い捨ての道具だ …。ギルは人間もロボットも信じちゃいない。こんな事はもう … 止めさせる」(ジロー)

ジローはミツコを服部探偵の方へと送り出す。

「ミツコさん … 博士に付いていてあげて」(ジロー)

「ジロー …」(ミツコ)

「服部さん」(ジロー)

「お、おう。君も気をつけろよ」(服部)

ミツコは

込み上げる思いに耐えかねて

ジローの元へ駆け戻り

口づけを

する。


「きっと … 帰ってきて。私、待ってる」(ミツコ)

ジローは答える事はせず

頷くのみだった。

それ以上

ミツコは何も言えず

ジローの

元から

離れて

行った。

離れていくミツコをジローは見送った。

「何故だ。量産型とはいえハカイダーと同等の性能を持つロボットが …。

来たか」(ギル)

「プロフェッサー・ギル」(ジロー)

「お前はいつも儂の予測を裏切る。何故だ?」(ギル)

「お前には分からないだろう … 絶対に分かるもんか。この力がどれだけ僕を苦しめているか」(ジロー)

「ジロー君が心配?」(服部)

「さっきのジロー、少し怖かった。憎しみに駆られて戦ってたあの時の様に。こんな風に戦ってたらジローのジェミニィは …」(ミツコ)

「大丈夫。彼は人間以上に優しい心を持ってる」(服部)

ミツコはジローの事を案じて止まなかった。


「何故、お前はこんな事をする。ロボットや人間まで道具として使い捨て、お前に何が残るというんだ」(ジロー)

「ロボットなど、ただの道具だ。儂の命令に従っていればいいだけの存在だ」(ギル)

「僕達は道具じゃない。生きてるんだ。人間と同じ生命や心を持っているんだ」(ジロー)

プロフェッサー・ギルの部屋にジローは踏み込む。

ジローはプロフェッサー・ギルへと進む。

それに対してプロフェッサー・ギルは

笛を奏でてジローの動きを止めようとする。

笛の音は基地内に響き渡る。

壊れたロボットの中から

ハカイダーが立ち上がった。

一心に笛を奏でていたプロフェッサー・ギルが

薄目を開け、状況を確認しようとして

驚愕した。


ジローの動きは止まらず、真っ直ぐプロフェッサー・ギルの元へと進んでくるではないか。

ジローはプロフェッサー・ギルの動きを止める。


「何故だ? 何故、動ける?」(ギル)

「人間が成長する様に僕も成長する。

もう、お前の言う事は聞かない」(ジロー)

ジローはプロフェッサー・ギルの笛を破壊した。


「お …

お前に人間がせるのか?」(ギル)

せるさ … 僕の手は、もう何人もの兄弟の命を奪った

血塗られた手なのだから …」(ジロー)

ジローの手がプロフェッサー・ギルの首に伸びてゆく …


その4↓へと続く。