人造人間キカイダー THE ANIMATION 第2話
プロフェッサー・ギルに命じられ、グリーンマンティスは光明寺家を見張る。
グレイサイキングとの戦闘後、ミツ子はジローを光明寺家に入れ、父である光明寺博士の行方を探るが徒労に終わる。
マサルの子守をジローに任せ、ミツ子は階下の父の書斎へと戻る。
ミツ子の心に去来するのはロボット作りに没頭する父の姿。
その様子を扉の陰から見ていたミツ子は「あなたには子供がいたのよ。
父さん … どうしてピノキオなんかを欲しがったの?」と寂しく呟く。
そのまま父の書斎でミツ子は不完全なジェミニィ(良心回路)への対策をとるが、
コンピュータが出した答えは
ジェミニィの破壊であり、それ以外の方法は
得られなかった。
突然、背後からジローに話しかけられミツ子は狼狽するが
避けて通る訳にはいかないと悟り、ジェミニィが不完全であること、ジェミニィの設計図をジローが持っている事などを説明する。
その様子をグリーンマンティスの目と耳を通じてプロフェッサー・ギルは知る。
何も知らないジローに対し、ミツ子は何から話せば良いのか戸惑う。
「ふんっ。なまじ人間に近づけようとするから余計な事まで興味を持つ。苦しいだろう?必要のない感情まで持たされて。待ってろ。わしがその苦しみを消してやる。お前の設計図ごとな」と言いながら、プロフェッサー・ギルはグリーンマンティスに次の命令を下す。
プロフェッサー・ギルの笛から発せられる不穏な雰囲気を感じたジローが暗視メガネで周囲の様子を探ると、グリーンマンティスの姿が映し出されたので、それを追う。
探索中に雲が途切れ、月が姿を現すと同時にプロフェッサー・ギルの命令(笛の音)が届き、グリーンマンティスはその命令を忠実に実行する為、動き出すが良心回路を持つジローは命令を拒否しようとする為、苦しむ。
なかなか戻らぬジローを心配するミツ子のもとに
グリーンマンティスが現れる。
恐怖を感じながらもマサルを守る為、ミツ子はグリーンマンティスの注意を自分に向けた後
家から逃げ出す。
森の中を逃げ回り一軒の小屋に逃げ込むも
グリーンマンティスに襲われ、もうこれまでと思いきや
間一髪ジローに救われる。
けれども袋の鼠の状況は変わらず
グリーンマンティスの攻撃が2人を襲う。
辛うじて最初の一撃を避けた際にサイド・マシーンを発見し、
逃げ出す。
湖畔まで逃れ、ミツ子とジローは語り合う。
ミツ子から「ジロー(機械)と私(人間)は根本的に違うの」と言われ、互いの違いを朧げに感じつつも、ミツ子(人間)のようになりたいと願い、ジェミニィを直せばなれるかのジローは尋ねるが、ミツ子は答えられない。
ジェミニィを直すことはジローの心を直すこと、その難しさをミツ子はジローに教えようとする。
が、ジローは先回りし、ジェミニィを直せない時は「自分を壊すのか?」と尋ねる。
その問にミツ子は答えられないでいると
プロフェッサー・ギルの笛の音がまたも響き渡り、苦しみ出すジローをミツ子は心配するが
笛の音に操られたジローは心ならずもミツ子の首を締めてしまう。
不完全ながらもジェミニィの力により最悪の自体は免れた。
心配し近づこうとするジローに対しミツ子は「来ないで!やっぱり … やっぱり、あなたは狂った機械! 近寄らないで!」と予て感じていた嫌悪感と共に拒絶の言葉を言ってしまう。
自分のしてしまった事に対して何と言い、どう取り繕えばよいのか分からずジローは戸惑う。そんなジローに
「あなたはただの機械よ!」とミツ子は止めの一言を放つ。
気まずい2人の雰囲気を見透かしたかの様にグリーンマンティスが襲いかかる。
自分は機械であり、ミツ子のようになれない事に絶望を感じつつ、グリーンマンティスと戦うためジローはチェンジする。
狭い森の中を移動しつつジローとグリーンマンティスは戦う。
グリーンマンティスの様に自分も両手を交差するとスパークする事に気づいたジローは攻撃態勢を取る。
同じ様な武器を持つジローとグリーンマンティスは空中で激しく激突する。
相手により大きなダメージを与えたのはジローの方だった。
ジローの口からは「デンジエンド」の声が紡がれる。
スパーク技が使えなくなったグリーンマンティスは憤怒の叫び声をあげつつ捨て身の攻撃を敢行する。
それを冷静に冷酷にジローはデンジエンドで迎え撃つ。
グリーンマンティスは破壊され地に散らばり、それをジローは虚しく眺める。
先頭が終わり、人間の姿に戻ったジローに、ミツ子は「止まって」と言う。
「ジロー … 私はあなたを」(ミツ子)
「僕を壊したい?」(ジロー)
「僕が狂った機械だから?」(ジロー)
ミツ子は無言で頷く。
「止まりなさい!命令よ」と言うミツ子を無視し歩み続けながらジローは「それはいい命令? 悪い命令?」と問いかける。
答えられないミツ子を尻目に「どっちだっていい。命令なんて聞かない」と言い捨てバイクに向けジローは歩き続ける。
「僕は … 狂った機械だから」(ジロー)
月明かりの下、サイド・マシーンを始動し、何処へかとジローは去り、ミツ子は独り残される。
「人造人間キカイダー THE ANIMATION 第二話 狂った機械」~完~