”中小企業”ほど安全確保は困難だ。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

”中小企業”ほど安全確保は困難だ。

先の軽井沢スキーバス転落事故(15日)から、
芋づる式に大型バスの蛇行運転、ガードレール衝突、追突事故が後を絶たず。
ワタクシは産経ニュースで、軽井沢スキーバス転落事故でゼミの教え子を4人失った、
”尾木ママ”こと尾木直樹・法政大教授の論話を読んで、同情しました。
その論話を引用します。

 軽井沢町のバス事故で、法政大教授の尾木直樹さんはゼミ生4人を亡くした。6人が重軽傷を負い、面会謝絶も。「治ったとしても、その子がしょっていくものを考えたらたまらない」。他のゼミ生のショックも大きく、尾木さんは悲痛な表情を浮かべた。
 「僕の数倍もひどいトラウマ状態」。尾木さんは19日に国会内で開かれた学校事件・事故対応を考える集会に出席。ツアーに参加しなかったゼミ生の様子を語りだした。
 尾木さんは、事故後の18日にゼミ生全員を集めた。一日遅れで参加予定だった2人もいた。電話口の様子から事故を受け止められていると感じていたが「全員がおかしくなっていた」。3年生は試験期間中だが、全く手に付かないと泣きじゃくったという。
 病院を見舞った際は3人が面会謝絶。尾木さんは「お父さんでさえ会わせてもらっていない女の子もいる。(ひどいけがで)お母さんが会わせない」と涙ながらに話した。
※産経ニュース1月21日08:52更新分より引用。

 ゼミの学生は10人がツアーに参加し4人が亡くなった。昨日、参加していなかった3、4年生を集めた。4年生は1日遅れの参加組の子が確か2人。僕の数倍もひどいトラウマ状態になっていた。全員と電話で話し、受け止められているかなと思っていたんですけど全く甘かった。おかしくなっていて、みんな泣きじゃくりながら話すんです。
 (バス運行会社は)限りないずさんさ。存在してはならないような会社だし、(なぜ)それが許されている行政なのか。関越道バス事故以来、きめ細かいルール変更や規制とか改善され、良くなっていると信じていたんですけど、逆に悪くなっている。あんな会社がいっぱいあると思ってください。学生は100円でも安いところ狙います。責めることはできません。
 (報道は)「命に別条なし」という表現はやめてほしい。お父さんでさえ会わせてもらっていない女の子もいる。(ひどいけがで)お母さんが会わせないんです。(それでも)「重傷」という一言なんです。
※産経ニュース1月21日08:57更新分より引用。

”尾木ママ”が、珍しく怒るのも無理ないわ。
平成12年に、貸し切りバス業界の参入に、「需要に応じて国が免許を出す免許制」から、
「一定の条件を満たせば参入できる許可制」に規制緩和したおかげで、
新規参入が相次ぎ、業者数が急増し、鉄道系の高速バスより安いツアーバスが出てきた。
その反面、バス運転手の平均賃金は下がり、非正規雇用は増え、長時間労働も増加したせいで、
大型免許を持つ運転手の経験不足や、長距離をたった1人で運転するケースが横行。

軽井沢スキーバス転落事故は、こういった「規制緩和」が生んだ悲劇。
乗客の安全より、利益をとった代償は大きすぎた。
正直、安全運行支援装置とか、
ドライバー2人体制もしくは、ベテラン2人+若手1人体制とか、
定期的な車両点検の実施とか、
実施すべきなんですが、これだけ行き届いているのは、
鉄道系高速バスか、大手貸し切りバス会社のみ。
いわゆる”中小企業”レベルになると、資金に余裕がないため、そこまで行き届いておらず、
この会社大丈夫か?と疑いかねないんだよな。

”中小企業”ほど、安全確保は難しい。
「規制緩和」の代償は大きすぎた。
軽井沢スキーバス転落事故で、運営に自信がなくなった貸し切りバス会社は淘汰されるべきだ。


◆トラベルアイテムもお買い得アイテムが大集合!買うならやっぱり楽天市場