とある「クロコダイル製品」のこと | CrocodileShopGaudieのブログ

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東京都蔵前のCrocodile Shop「GAUDIE」のスタッフブログです。

今週はじめに中国上海に行きました。

 

目的は足掛け2年日本の革製品の販路を切り開くために、
常設して頂いておりました展示場の撤退と
それに伴うイベントに参加するためです。


CrocodileShopGaudieのブログ 盛大に行われた最後のイベントで紹介された

 

 

結論として、現状の中国市場で日本の革製品を販売することは難しく
まだまだ浸透するには、時間がかかりそうです。


CrocodileShopGaudieのブログ 人気投票箱に入れられたカードの中から抽選で1名に財布のプレゼント

 

日本のニュースで最近よく「中国バブル崩壊間近」とか
あまり景気の良くない話をよく聞きますが、


今回上海を訪れてみた肌感覚でも、
1年前より元気がないように感じました。

 

いろいろな人から「高額品の購入を控えるように」とか
「役人への賄賂は禁じられている」とか
政府から言われているとも聞きました。

 

 

いずれにせよ、しばらく様子を見ながら
将来チャンスがあれば、またトライしたいものです。


CrocodileShopGaudieのブログ お疲れ様ということで最後に皆で記念写真撮影

 

今日はあるお客様からの相談で知った他社の

「クロコダイル製品」についてです。


「人のふり見て我がふり直せ」という意味と
皆様の何かのお役に立てばと思い、お話したいと思います。

 

ブランド名は伏せて、B社とします。

 


日本のブランドでインターネットで調べた限りでは、
「クロコ」をはじめ、コードバン(馬の尻)とか
特殊な素材の製品を取り扱われているようです。

 

東京の一等地にお店もお持ちのようでホームページを見る限り、
オシャレ感を演出して、ヨーロッパっぽい雰囲気を醸しだした上質感もあります。

 

 

私どものお客様はこのブランドの名刺入れやキーケースを購入されました。

 

まず言われたとおりに代金を振込、商品を待つていたところ
なかなか送られてこなかったと


この間の事情はお客様からのお話で、

何か行き違いがあったのかもしれませんが、

 

少なくとも、発送日については、あまり連絡がなかったことで、
不信感を抱かれたようです。

 

 

そんなことがあったものの、無事商品が届き、
見てみると、一見して想像していたもの(おそらくインターネットの画像と比べて)
何か質感の差を感じられたようです。

 

先日そのお客様とお目にかかったとき、現物を見せて頂きました。

 

仕事柄革に一番、目が行ってしまうのですが、
客観的に申し上げて、革の質があまりよくないのがすぐにわかりました。

 

ここで言う「革の質」とは、革になる前の原皮のコンディションが良くないこと


そして鞣し(皮を革にする)の技術もよくないということです。

 

原皮のコンディションが良くないとは、原皮の保存状態がよくないために、
時間の経過とともに、皮が劣化してくるのです。

 

 

通常ワニ皮の産地では野生でも養殖でも、皮によく塩を与え、
冷却した倉庫で出荷まで保存しておくものなのです。

 

クロコダイル皮の良し悪しは、この保存状態で決まると言っても

過言ではありません。


それが鞣しにも影響を与え、最終的に革としての質感が悪くなるのです。

 

他社製なのでここで画像をお見せすることは出来ないのですが、
革の質が悪いという意味では、他に「谷」(腑と腑の間の凹んでいるところ)

 

が擦れている

 

そして「イレギュラーパターン」(ごく稀に腑柄が奇形になっている)

が見受けられる。


これは50枚くらいの革のうち1枚あるかないかで
普通革を販売するときは悪い等級を付けて販売しています。

 

一方このブランドのWEB-SITEを見てみると以下の様な説明があります。(原文のまま引用します。)

 

 

「商品の素材には、B社が世界中から厳選を重ねて選んだワニ革のナイルクロコダイルを使用しています。

1匹から取れる革の面積が小さい為に非常に希少価値の高い高級革として注目を得ています。

またその希少価値の高い革を60日以上もの鞣し工程にかけ手作業で仕上げ、
クロコ 革の持ち味を極限まで活かした最高の素材感を作り上げています。

 

上記の説明な中で

 

①世界中から厳選を重ねて選んだワニ革のナイルクロコダイル

私どものお客様が購入した商品がたまたまだったのかもしれませんが、
あまりにも表現から想像するイメージとは違うものです。

 

②1匹から取れる革の面積が小さい

私にはよく意味がわかりませんが、おそらく贅沢に丸々使用しているということなのでしょうか?

そのわりに現品は明らかにクロコダイル革の尻っぽを使用したものでした。
別に尻っぽがダメだとか言うつもりはありませんし、尻っぽであっても
ベルトなどに使用すれば、見事な柄を演出する筈です。

 

最近問題になっている「食材偽装」もそうですが、
おそらく販売している人たちに自分たちが取り扱っている

商品の知識がほとんどないために、
悪気はないけれども、結果的に詐欺のような販売として、

受け取られかねないのではないかと思います。

 

悪口ばかりになってしまいましたが、高級品としての演出や宣伝の仕方は
いろいろと勉強になるところもたくさんあります。

 

日本人は総じて宣伝が下手だと思いますし、

私たちは正直すぎるのかもしれません。

 

でも長い目で考えたときに、必ずお客様が付いて来てくれる筈

 

それを信じて、これからも正直で誠実な販売を心がけていきたいと思います。

 

 

 

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