「嫌い」の理由 | Bitter & Sweet~膠原病・プレドニン歴34年

Bitter & Sweet~膠原病・プレドニン歴34年

日々の記録と雑感などを気ままに…

どうして食べ物に好き嫌いがあるのだろう。
これも飽食の時代だからだろうか。
食べ物が乏しい時代には贅沢など言っていられなかった。

海鼠(ナマコ)
エビ・シャコ
ゴーヤ
サザエ・エスカルゴ
ホヤ
ウニ
納豆
白子
魚卵
タコ
蜂の子
イナゴ
フカヒレ
ツバメの巣
熊の掌
こんにゃく…こんにゃく芋は
少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどの強烈なエグミがあり
他の芋のようにそのままゆでたり、焼くだけでは食べられない。
アクを灰汁で取り除くという先人の智恵。
こういった食材を初めて口にした人の勇気に感服する。
食材として馴染むようになるまでには数多の犠牲があったことだろう。

好き嫌いはしかたのないことだし
アレルギーなど体質的なものもあるので
「無理に食べなければいけない」とは思わないが
ない方が楽しみが広がることは確か。

味覚の変化と好き嫌いとは別の次元の話だが
味覚も感覚の一種。
成長に従って変化するのは不思議なことではない。
子どもの頃においしくない、と印象付けられた味の記憶がトラウマになることもある。

酸味は腐敗・苦味は毒というような、本能的なものが関係しているともいう。
生まれたばかりの赤ちゃんは甘味を好む。

インスタント食品や外食は万人向けの味ではあるが、一般に濃い味付けになっている。
本能的に好む味(塩味・甘味・旨味)だからといって
濃い味付けをした食事を摂っていると
味の感覚が麻痺して判断基準が鈍くなってしまう。

嫌いなものであっても
食材や調理法や味付けを変えることで
おいしく食べられるようになったという事例もある。

味付け以外に「おいしい・好きだ!」と感じる因子がある。
香りや固さ・温度・盛り付け・健康状態・精神的状態・食事の環境や雰囲気等…
様々な感覚器官から脳に情報が伝達されて食欲も変化していく。
環境作りも大事な要素であるようだ。

子どもの頃の「嫌い」は永久的な嫌いではなく
経験の少なさゆえに感じているものなのではないだろうか。
多くの味の経験をすることが「おいしい」という感覚を養うことになると思うが
こんな研究結果も報告されている。


好き嫌いは遺伝子が関係

好き嫌いがあるのは
子ども時代の食習慣や環境が原因、といわれてきたが
実は家庭の食事や学校給食よりも
「遺伝子」による影響の方が大きいという研究結果が報告されている。

キングズ・カレッジ・ロンドンの研究者チームが
専門誌「Twin Research and Human Genetics」に発表したところによると
味の好みに関して遺伝子が及ぼす影響を調べるため
遺伝子が似通っている3,000組以上の双子の食習慣を調査。

味の好みについて、それぞれの食事内容の特徴から
・野菜や果物の多い食事
・アルコールを多く摂る食事
・低脂肪の食事
・肉の消費が少ない食事
そして肉やジャガイモ、揚げ魚やパイを中心とした
・伝統的な英国の食事
の5つのカテゴリーに分けて分析したという。

その結果
個人がある特定の種類の食べ物を好んだり嫌ったりする原因は
遺伝子によるものが41~48%を占め
子どもの頃に親から食べるように強いられたり
学校給食のメニューに出されたりしたためであるのはわずか5%でしかなく
食中毒などの一時的な出来事も個人の味の好みに影響を与えることがあるものの
最も大きな要因はやはり遺伝子であったとされる。

同調査ではさらに
好き嫌いを判断する上で遺伝子が最も大きな影響を及ぼす食べ物は
にんにくとコーヒーであることも判明。

調査元では
健康のために野菜や果物を多く摂取しようという動きが強まる中、
こういった食べ物を遺伝子学的に摂取しづらい人がいることを認識すべきであると指摘。
こういった人にはサプリメントによるビタミン摂取を促すべきであるとするとともに
この調査結果は
子どもの好き嫌いが激しいのは親の躾が至らないため、との
不条理な非難に反論する上でも有意義、とコメントしている。