(´-ω-`)y-~ フ~
ニート‥
俺もニートだった‥。
引きこもりだったのかな。
あれはでも、引きこもりと言うか、機能停止と言うか、冬眠みたいな二年間だった。
その時はねえ、もうほんとに何もしないで寝ているだけだった。ラジオをぼんやり聴いて、抗うつ剤を飲むだけの毎日‥。母には特に苦労をかけた‥。
そんな毎日でも、波があってね。もう退屈で死にそうな気がしてくる。それをまた寝てごまかそうとするんだけど、タイミングよく、中国旅行に付いて行く、というミッションが入る。
母は幼少期に、中国大陸に居たから、その時の同窓会旅行が企画されたんだよ。それに付いて行った。
不安だったねえ。一日中、立って過ごすのも不安だし、人と普通に接するのも不安だった。なんせ二年近くも頭も体も使わず過ごしたんだから、なまり方も相当なもので、もう一生かかっても、以前の自分には戻らないと思ってたからね。
それがでも、旅行をきっかけに、案外と動ける事を知った。やっぱ若かったのかなあ、割と身体も頭も無事だったみたいだ。
人は不思議な生き物で、退屈に耐えられないらしい。だんだん外に出て、ゲームセンターやら職安やらに自転車で行くようになった。
ゲーセンなんて変な奴らばかりだから、少しくらいぼーっとした自分がいても違和感がない。あれは妙に居心地がよかった。
自転車ではリハビリも兼ねて、毎日職安に通った。毎日求人表をペラペラとめくっては眺めた。(あの頃はまだ冊子だった)
その内に、お、と思う仕事に出会ってね、ダメでもともとで受けてみたんだ。
それが自動車部品商で、そこから車のいろんな部品を知るようになった。その部品を通して、日本の産業に思いを馳せるようになったんだな。
今でもあの部品商には感謝している。
社長以下みんな変わり者で、もみくちゃにされながら回復していった。
面接でもいろいろ隠さず説明したけど、始めから社員にしてくれたよ。そんな会社も日本には、まだあるんだよ。
長くニートで無駄に時間を過ごしたかも知れない。そんな人間でも、前向きに進もうとする気持ちがあれば、どこかに力を貸してくれる人はいる。
そりゃもちろん、しんどい仕事もあるし、厳しい人だっている。それは古今東西ずっと変わらない世界だよ。
いいか、とにかく前に向かってみ。
日本にはどこかに、何となく生きて行けるスペースがあるんだよ。
捨てる神ありゃ拾う神ありなんだ。