前のエントリーを受け、6/30の豊洲新市場コアサンプル廃棄(証拠隠滅)差止訴訟の簡単なご報告です。
やはり訴訟指揮には最低限の満足ができない、と言わざるを得ないものでした。

16分間の「合議」(裁判官が後ろに戻り、訴訟進行に対して整合を図るもの。非常に異例ですね)がありつつ、裁判所の都合による日程変更には変化がありませんでした。9月公判での証人採用では多少の妥協(2人から3人へ)は得られましたが、これでは明らかに不当なままです。

今後に向けての詳細はまた別記したいと思いますが、まだ諦めてはならないのは確かです。
引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

以下、NPJにも掲載されている原告弁護団代表の、申し立てコメントです。(丸数字は原文のままです)
司法行政上の措置並びに裁判所委員会への申立に関するコメント
http://www.news-pj.net/siryou/saiban/2011/tsukiji-0627.html

2011年6月27日  
築地移転コアサンプル廃棄差し止め訴訟訟弁護団

1. 築地市場の豊洲移転反対の理由は、裁判において論証し尽くし、東京都も汚染の点については認めるところである。移転を強行すれば市場で働く仲卸業者、 労働者の健康、生命等への被害は蓋然性が高い。加えて、このような市場から出荷される生鮮食料品を食べる都民の健康被害も見逃せない。

2. 3月11日の震災により、浦安市の4分の3の液状化が起こったが、移転先の江東区にも液状化現象が見られた。 浦安では、マンホールの筒が地上2メートルに突き上げ、交番、コンビニ等の施設が使用不能になり、市内の道路は凹凸化した。
  市場の移転予定地にも液状化があったことは、すでに週刊誌などで報道されたとおりであり、移転反対の理由がもう1つ明確になった。

3. コアサンプルは汚染のひどさ、東京都による汚染対策の無力さの立証のため、是非とも保全されねばならぬが、 東京都はコアサンプル廃棄を強行しようとしている。

4. ① 裁判所はコアサンプル廃棄差し止め訴訟を早期結審にしようとしており、このままでは東京都寄りの証拠隠滅認容の判決が下されるとの危機感が強い。 裁判所は、証人尋問を2名に絞り、学者証人を却下した。尋問時間だけきめた。まだ申請もしていない証人(正確にいうと原告本人)についての決定である。
  ② 9月結審、年内判決を言い渡し、証拠調べを引用して原告らが最終準備書面を陳述する機会を与えることも拒否した。

5. 2月に突然裁判長が交代したが、そのときにはすでに8回に渡り進行を重ね、① 人格権、② 安全配慮義務、に基づく、 コアサンプル廃棄差し止めに関わる主張は、厳しい応答があったものの、十分な論理性に満ちていたものと確信する。

6. 裁判所は、争点が何であるか、その整理案を口頭でも書面でも全く示さないまま、ただ結審だけを急ぐ様子である。何がこの背景にあるのか。
  誰もが危惧する汚染土地への、そして液状化が差し迫る土地への移転強行だけが突っ走り、裁判所はこれに制止をかける様子が見られない。
  国民の公正な裁判を受ける権利(憲法32条)が蹂躙されようとしていることは明白である。 裁判所においてフェアな道に立ち戻っていただくことを切に希望する。
  司法行政並びに裁判所委員会がその役割を発揮されることを期待するものである。

弁護団代表 梓澤 和幸

もうひとつ、とても恐ろしい(という以外に言葉が見つかりません)出来事がありました。
自民党に所属しながら、新銀行東京の処理について異議を唱え、また地元である東京東部の高い放射線量をブログで伝えていらっしゃった(先月末には「花粉議連」も発足し、その様子をお元気にブログで報告されていた)、樺山都議の急死です。
ご冥福を心よりお祈りします。

このことにより、新銀行東京に関する特別委員会・築地市場移転に関する特別委員会が急転直下、存続になりましたが、頭が真っ白になる、とはこうした状況を表すものです。

前回の予算決議の直前の花輪都議の変節も異様でしたが、今回いったいどうしてしまわれたのか、警視庁(東京都警)は、自殺の線を早々に発表しているあたりからも尋常でない感じを受けてしまいます。
関連する記事を引用します。
読売 2011/7/2
死亡の樺山都議「納得いかぬ」…本会議欠席示唆
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110702-OYT1T00609.htm

東京都葛飾区鎌倉の自宅で1日午前、死亡しているのが見つかった樺山卓司都議が、発見された際、自宅の書斎でビニール袋をかぶって倒れていたことがわかった。

警視庁では、自殺の可能性が高いとみて調べている。

 同都議は2008年3月、新銀行東京への追加出資の採決で本会議を欠席。1日の本会議では、自民が新銀行東京の特別委継続に反対することについて、「納得がいかない」と本会議欠席も示唆していたという。
(2011年7月2日17時51分 読売新聞)


東京新聞 2011/7/2
樺山自民都議死去 各会派 人柄しのび沈痛
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20110702/CK2011070202000017.html

 都議会第二回定例会最終日の朝に届いた樺山卓司議員(63)=自民、葛飾区=の訃報。都議会本会議場は沈鬱(ちんうつ)な空気に包まれ、会派を超えて明るい人柄で好かれた樺山さんをしのび、各会派からは次々と哀悼の意が表された。一方で、樺山さんの死去は与野党勢力の逆転という事態を招き、各会派は厳しい議会運営を迫られることになった。 (沢田千秋、内田淳二)

 「あまりに突然のことで驚いている。言葉が見つからない」
 自民の野島善司政調会長は肩を落とした。今後の議会運営については「各会派が都政のことを真剣に考え、判断していくしかない」と話した。

 公明の中嶋義雄幹事長も「痛ましい限り」と述べ、「今議会で民主が提案した条例も本当の理念がない。まっとうな議論が通じないというのが一番心配だが、事の重大性を判断してしっかり議論していく」とした。

 野党・民主の大沢昇幹事長は「超党派でいろんな活動をしてきた方なので大変残念」とした上で「これまで通り粛々と、是々非々の姿勢で第一党としての役割を果たしていくだけ」と言葉少なに語った。

 「新銀行東京の四百億円の追加出資の採決で自民議員にもかかわらず欠席するなど、筋を通す人だった。常にみんなを明るくリードする先輩だった」とは、共産の吉田信夫幹事長。「今後も党として主張すべきことをするという努力を貫く」と淡々と述べた。

 生活者ネット・みらいの西崎光子幹事長は「とてもいい方だったので、勢力逆転も複雑な心境」と話しつつ「数の拮抗(きっこう)が続き、都議会に緊張感があるのはいいことだが、議会運営ばかりに時間がかかってはならない」と懸念した。

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液状化した豊洲新市場予定地。東京都が速攻でブルーシートをかける前。
石炭からガスを製造し、廃棄物を野積みにし埋めていた複合汚染地域にも関わらず、東京都の調査物質数は限られています。
液状化(噴砂だと言っていますが、同じ現象です)、により、汚染物質が移動したことからも、過去の調査に基づいた対策が取れない状態です。
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場液状化_1

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