イシハラ都政により、豊洲新市場予定地での汚染土壌サンプルの廃棄(=証拠隠滅)差止訴訟について、原告団からの公判のご案内があります。

今週、6月30日(木)、13:30から東京地裁です。(後半に引用します)
前回公判では異様な訴訟指揮が前回ありました。
すでに昨日6月27日に、「司法行政上の措置を求める申立」を提出済みです。

それを受けてもなお、明らかなる不公正な裁判が続くのでしょうか?

また、猛烈な汚染地の液状化があったのに、「水平方向に汚染は広がっていない」という都のめまいのする弁明がいかにトンデモであるかを知る上でも、物証を廃棄するという証拠隠滅差止めは欠かせないものです。

ぜひ皆さま、お誘い合わせの上、傍聴をお願いいたします。

概略はNPJにも掲載されています。
http://www.news-pj.net/npj/2009/coresample-20091006.html

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その前に、まず、昨日のわたしのツイートをひとつ引用します。

今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故に際してのみならず、公害全般についての権力(メディアも含む)のあり方、御用学者システムに関わる思いも含め、書いたものです。
http://twitter.com/rolling_bean/status/85646843693899776
能力なき自称エリート、最初は自ら有能と真剣に盲信し、知恵を駆使し知識を披瀝し地位正当化を図る。しかし傍若無人な愚挙で足元を破壊し、「下々」が愚かでもか弱くもないと知ると、有能さの偽装を棄て、思考の汗さえも担わない選民として君臨する。東電経営層、旧メディア、菅政権にこの構図を見る。
※誤解をして頂きたくないので少し補足すると、ここでの「能力」とは、「エリートを自称し他者の生命や生活を預かるのなら当然持ち合わせているべき判断力」を意味するものであり、もちろん能力第一主義を前提とした修辞ではありません。

それはともあれ、

最悪の事態が起こる前には、口先や小手先の技(一般に、それが人に危害をもたらすものである場合「悪知恵」とも呼ばれる)を盛大に駆使してきた人々が、いざ現実に破局を発生させてしまい、人や環境への被害と自身への怒りがもはや取り返しのつかないものであると判明するや、その後は、有能さという仮面をかぶる努力すらもさっさとやめたかのように、つまりは「思考という汗すらかくことすらも免責される選民」であるかのように、工夫もへったくれもないツッコミどころ満載のテキトーな話を繰り返し、痛痒すら感じずに(さらには、日本国内のマスメディアからも形式的なものを超えた痛烈な批判を浴びることなく)、いわばゆったり泰然と振る舞っている、という事実。
これは末代まで決して忘れてはならないものだと思います。


(そういえば、原子力安全委員会の班目委員長も、先日のNHKスペシャルで「3.11の前に戻れるなら、わたしはすべてを擲ってもいいから」といった趣旨の発言をし、怒りのあまり、開いた口がふさがりませんでした)

もうひとつ。
前置きが続いてしまいますが、下記も、Twitterで知った非常に重要な情報なので、リンクを記します。
「なぜ朝日新聞が原発の危険を訴える報道から退いて行ったか」の経緯が、当事者により仔細に記されています。
http://tinymsg.appspot.com/31p1
《ある元朝日新聞原発担当記者の回想》

長年、いつか来るのでは、と恐れていた原発の大事故になってしまった。最前線で命をかけて頑張る作業員や、汚染地域で不安にかられながらも避難所や自宅で屋内退避している住民に心配を寄せるしか出来ない己の無力さに言葉無し。せめてかつて一時ではあるが、”原発記者”だった自分が、なぜ朝日新聞が原発の危険を訴える報道から退いて行ったか、一時期を知っている者として僅かではあるが知るところを記す。

今から30年以上前だったか、ちょうど各地で原発ラッシュが始まるころだった。「イエス、バット」で条件付建設を推進しようと社説などで掲げる社に対して、全国の原発候補地では圧倒的に反対の動きを伝える紙面を展開していた。

これに業を煮やした社が、有楽町の旧社屋時代に、全国の担当記者を集めた業界としては初めてだった「原発記者研修」を開いた。確か3日間だったか、 当時の木村科学部長が窓口となって、東海村の視察にも行き、自分は独身ということで代表としてただ一人、炉心にも入った。なんの危険性も疑わずに。その後、チェルノブイリ事故の時にも、支局の同僚が特派員として現地に行ったが、その彼も当時、子供が2人だったかいて「もう、いいだろう」と社から念を押されていったものだ。つまりこの頃迄、社も「原発は危険かもしれない」という認識を十分持っていた。

(中略、極めて重要な部分です。リンク先をお読みください)

イタイイタイ病などの4大公害病はじめ日本公害列島といわれた。その過程で、役所や企業は都合の悪いデータをひた隠し、捏造、改ざん、廃棄など当たり前。さんざん、そういうことを取材で実体験してきた。

(後略、ここからもまた重要な証言が続いています)
こうした経緯があったのは、おそらく朝日新聞だけでないのでしょう(あるいは、他には、最初からこうした巻き返しがなかったのかもしれません)。

また、原子力発言に限らず数多くの違和感を覚える多くの領域に対し、多くのマスメディアが、いかにして人々の生命を蔑ろにし、スピンに寄与してきたかの一端がよくわかるものだと思います。

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長くなりましたが、本題です。

ご案内文にもあるように、広谷裁判長の異常な訴訟指揮には、まったく唖然としました。
原告側から、次回弁論をしその後本人尋問という通常の手続きを求めたのに、いきなり、「本来は中立であるべき」(一応筋を書いておきます)当の裁判長から、9月本人尋問で直後に最終準備書面もなく12月結審、しかも裁判所の都合だ、などが宣言されました

さまざまな異常事態含みの日本の司法権力、手に取り戻さなくてはならないと強く思います。

コアサンプル廃棄差止請求
期日:6月30日(木) 午後1時30分~。
       東京地方裁判所610号法廷 

いつも通り30分程度前、地裁1階ロビーに集合をお願いします。また公判後は隣の弁護士会館で「報告会」もありますので、そちらもぜひご参加ください。

前回、4月21日のコアサンプル廃棄差し止め訴訟では「9月7日結審、12月判決」という裁判長の 強引な幕引き宣言がありました。

その異様な訴訟進行に弁護団、原告及び傍聴人から驚きの声があがりました。
 「何をそんなに急ぐのか・・・・・・・・。」

豊洲市場用地は大規模な液状化が発生しながら、都は「再調査の必要なし」と早々結論付け、汚染対策工事を強行しようとしています。
宮良(みやなが)整備部長は業界の会合で8月末の着工と述べました。裁判の強引な幕引きは、都の強引な着工に符号している様に見えます。

東京都は、27日の都議会の委員会質疑を前にして、その前夜に液状化の表層調査の内容を発表しました。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/news/22/jishin/jishin5.pdf

(以下画像はPDFからの引用者による画像クリップ。液状化を認めつつ、噴砂を連呼状態!)

Like a rolling bean (new) 出来事録-液状化認めつつしつこく「噴砂」連呼


専門家(?)の意見書は委員会に間に合わず、何を論拠に「再調査の必要が無い」と結論付けたかも曖昧なままです。開催中の都議会の
会期終了は7月1日、次の都議会は9月ですから、液状化問題は議会で議論をさせないという趣旨の議会運営です。驚くべき事ですが。
3月議会で移転関連の予算は可決したものの、地震はその直後でした。豊洲の市場用地は液状化によって、様相は一変し、汚染対策も想定条件は大幅に見直しが必要になったことは、誰の目にも明らかです。

前回の公判における裁判長の、驚くほど強引な訴訟指揮に対して、6月27日「司法行政上の措置を求める申立」を東京地方裁判所あて、
「東京地方裁判所に対する意見を求める申立」を東京地方裁判所委員会あて提出しました。
 その後司法記者クラブで同申立てに関する記者会見を開きました。 申し立ての概略は下記です

裁判長の公正を疑わせる訴訟指揮

(1) 学者証人の意見書、陳述書を読まなくても証人として呼ぶ必要はないとの表明
(2) 本人尋問に立つ原告らの氏名も特定しないうちから主尋問に要する時間を30分と決めたこと
(3) 口頭弁論終結まで2回の口頭弁論期日をあらかじめ定め、原告本人尋問後、最終準備書面に本人尋問調書を参照しつつ引用したいとする原告ら訴訟代理人の要望を退けたこと
(4)年内に 判決を言い渡すとし、それを裁判所の事情によると言明したこと

以上の様な裁判の進行に、公正な最終判断が下されるのか、大変疑問がもたれます。

30日(木)は、この申し立て直後の、コアサンプル廃棄差し止めの裁判です。
以上の様にこの裁判は、その進行に対して多くの方の監視が必要となっています。ぜひ多くの方の傍聴をお願いいたします。

※※次々回コアサンプル裁判 期日:2011年9月7日『水』 午後1時30分~。
      東京地方裁判所610号法廷

 2011年06月28日  

原告団事務所局
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液状化した豊洲新市場予定地。東京都が速攻でブルーシートをかける前。
石炭からガスを製造し、廃棄物を野積みにし埋めていた複合汚染地域にも関わらず、東京都の調査物質数は限られています。
液状化(噴砂だと言っていますが、同じ現象です)、により、汚染物質が移動したことからも、過去の調査に基づいた対策が取れない状態です。
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場液状化_1

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