3/26追記:

東京ガスの費用負担が発表され、気の早い新聞は2014年に築地市場が下記の状態の豊洲新市場に移転すると見出しを掲げて報じています。これまで何度もあったように、メディアを駆使した「諦めさせるための」プロパガンダです。

この件についてはエントリーを改めます。

とにもかくにも、ここまでの規模の液状化(すでに地盤解析資料で判定が出ていました)にも関わらず、非実在不透水層が汚染を食い止めていると思うほうがもちろん当然無茶です。

「都知事選には豊洲移転の撤回を訴える候補者も出馬」しているからというよりは、根本的に対策と工法が破綻しています。


日本の食と生活の安全を、これ以上権力の不作為や既定路線へのこだわりで壊されることがあってはなりません。

日経 2011/3/26 2:52
築地市場14年度移転へ前進 都と東ガス、土壌対策費分担で合意

 東京都が築地市場(東京・中央)の移転予定地である豊洲地区(同・江東)の土壌汚染対策をめぐり、土地所有者の東京ガスとの費用分担で合意したことにより、2014年度中の移転を目指す都の計画は大きく動き出した。都知事選では移転の是非が争点の一つとなっているが、都は移転関連予算の成立や早期移転を望む業界団体の要望も踏まえ、移転推進の姿勢を改めて鮮明にしている。

 都は10年度の中央卸売市場会計予算に豊洲予定地の取得費として1260億円を計上済み。予算を年度内に執行できなければ、14年度中の移転は断念せざるを得ない状況だった。都は「東京ガスとの協議を終えたうえで移転予定地を取得する」と説明していた経緯があり、3月中の合意を目指して調整を進めていた。

 移転予定地は都市ガス製造工場の跡地。汚染物質が都市ガス製造に由来することから、東京ガスは汚染土壌の入れ替えなど汚染対策費として78億円を負担する。都は市場予定地で同社以外に都の港湾局や国が持つ他の土地についても今年度中に売買契約を結ぶ予定だ。

 予定地では大震災の影響で液状化の被害が発生している。都は被害状況を確認するとともに、今後液状化対策も進めるとしている。ただ、都知事選には豊洲移転の撤回を訴える候補者も出馬しており、選挙の結果次第では豊洲移転にはなお曲折も予想される。

~~~


3/23追記:


3/22に、自由報道協会(仮)のイシハラ都知事会見がありました。


築地市場移転問題について、液状化した豊洲新市場予定地の問題を含め、ジャーナリストの岩上安身さんが質問したところ、なんと構造物がないから液状化する、という認識を都知事は示しました!

しかも、それは日本の技術をもってすれば止められる、と!!!


福島第一原発の事故を思い出さないわけにいきません。


初歩の初歩が分かっていない人物に、官製地上げを伴う築地市場移転を強行させるわけにいきません。


これが(下記にもありますが)液状化の実態です。

ここに建物があれば液状化しないと言う、蒙昧という以上のものです。

あるいは、もし建築した後の液状化も「天罰」と断言するのでしょうか???

Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場液状化_1

では、岩上さんの3/22のTwitterから関連部分を転記します。


石原候補の会見、始まる。三重苦。第一に花粉症、第二に150%出るつもりがなかった知事選に出ることになった。第三に震災。まさに未曾有の事態。

posted at 18:06:28

続き。上杉氏の質問。2000年に定めたビッグレスキュー、機能していないのではないか。石原候補の回答。「官邸の命令系統が混乱していない。太平洋戦争の末期の大本営に似てきちゃった。いうこと聞かないと処分する、というのは、どうか」

posted at 18:13:24

石原氏の続き。「レスキュー隊を送り出すときの涙と、天罰という言葉の矛盾点。片言を取り上げるのはフェアじゃない。しかし、天罰という言葉は、謝罪して取り消した。だが、おじいさんが死んでも、葬式を出さず、年金を詐取する人間がいる。こつした日本人の堕落への天の警告のつもりだった 」

posted at 18:22:20

私の質問。豊洲は液状化を起こしたとの指摘が日本環境学会から示せれている。オープンな調査が行われるか? また、地盤の安定している築地現在地再整備へと見直す考えは?

posted at 18:30:02

続き。石原氏の回答。「日本の土木技術をもってすれば、豊洲の汚染は完全に除去できる。あれだけの地震が起きれば、そりゃ液状化も起こる。液状化が起きるのは、上に構造物がないから。構造物があれば、液状化しない。調査は、もちろん行う。オープンにやる」

posted at 18:41:50

続き。石原氏は、阪神大震災の例を上げつつ、上に構造物があれば液状化が起きないと言いきったが、これはいささか理解しがたい。阪神大震災の際には、すでに神戸には構造物が存在していたが、やはり液状化は起きた

posted at 18:47:12

続き。地中深く染み渡っている汚染水は、液状化と毛細管現象で上昇し、いくら表土に盛り土をしても、再汚染されてしまう。私は、この点を指摘したが、日本の技術をもってすれば、大丈夫だと知事は強調

posted at 19:18:35

石原氏の会見のあと、築地移転問題を特集したDVDを製作中のスタッフと打ち合わせ。築地市場はそもそも、関東大震災のあとに、地盤の堅固さを見込まれて、江戸時代以来の伝統を持つ鮮魚市場が、日本橋から移転してきたという経緯をもつ。その意味と強みを、もう一度、理解する必要がある。

posted at 20:28:11

続き。今回の地震で、築地は液状化していないが、豊洲はなんと、今日の立ち入り調査で、液状化が90箇所も確認された。地盤の脆弱性という点で、豊洲は築地に比べ、はるかに見劣りがする。直下型の首都圏大地震がきた場合、非常時の食糧供給基地がダメージを受けることは、被災者にとって死活問題。

posted at 20:35:16

続き。石原氏は、築地の弱点として、古い、狭い、汚い、アスベストがある等々と指摘した。こうした弱点は、しかしすべて地上の構造物の特性。地盤の問題ではない。建て替え=現在地再整備で、すべてクリアすることができる。地盤そのものの問題、地中深くの汚染水の上昇という問題は、そうはいかない。

posted at 21:18:57

東京ガス操業時、排出規制は今と比べ、格段に甘かった。RT @Saisyoh 移転先の豊洲、ありし日の姿です。ここで魚を捌けと。→ http://twitpic.com/4c3i70 RT @iwakamiyasumi : 地盤そのものの問題、地中深くの汚染水の上昇という問題。

posted at 21:56:33

東京湾岸の浦安や幕張地域でも、戦後の埋め立て地で、電信柱が倒れ建築物や道路に大きな破損の出た液状化が見られています。

なお、その問題をTVで説明していたのが、豊洲移転の工法を選定した「技術会議」の安田委員だと聞き、驚きました。

~~~ここから3/20にアップした分です。


この大震災と原発事故の緊急事態に、当然ながら現場担当者の方々は全身全霊頑張っていらっしゃることは分かっています。
放射能汚染に対して、実態と乖離した恐怖心を煽ったり、風評被害を拡散させることは避けるべきであることも分かっています。

けれど、言うに及ばず、情報の非開示や意図的に時間線量の概念を無視して、意図的に控えめに伝える発表や報道は、事実によらず意図的にセンセーショナルに煽り立てる、対応の遅れとともに許しがたいことだと考えます。

一刻も早く状況が好転すること(好転してからの時間が長いですが)、そして原子力依存からの恒久的な脱却を求めます。
浜岡原発もきわめて危険です。

現段階で福島第一原発の事故はレベル5であり、誰も、これ以上の後悔はしたくありません。


~~~

一つ前のエントリーで、築地市場の官製地上げによる移転予定地である東京ガス豊洲工場跡地(戦後にヘドロをぶちまけて埋め立てた)の液状化に対する記事を書きました。

まず東京新聞の紙面にあった液状化の画像をキャプチャしましたが、これだとちょっと見えづらいですね。

Like a rolling bean (new) 出来事録-110317こちら特報部写真キャプチャ


この件、ある匿名の方から、震災後の豊洲新市場予定地5街区・6街区の液状化状況の写真を頂きました。

なお、

「この後、都がブルーシートを掛けて、液状化を隠しました。その数、数十か所」

とのことです!!

イシハラ都知事出馬に向けて、被害状況を見せたくなかったのかもしれませんが(邪推でしょうか????)、かえって「少なくとも数10地点はあからさまに液状化しています」と宣言しているようなものです。

では、東京ガス豊洲工場跡地の震度5の揺れの後の液状化の状況を示します。

まず1枚め、もちろん降雨後ではありません。液状化です。
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場液状化_1


これが2枚めです。
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場予定地液状化2_広角_500


(こちらはクリックで拡大):
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場液状化_2


3枚め、噴出部分の拡大図です。
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場予定地液状化3_噴出部拡大_500

クレーター状になっていることがわかります。
こうしたところから、地下水が噴出して表面に油膜が見えているという件は東京新聞の記事にもありました。


4枚め、護岸の側方流動が明確に見られます。
護岸が海側に移動したために内側が連続して陥没しています。
Like a rolling bean (new) 出来事録-液状化その4護岸側方流動と陥没_500



(クリックで拡大します)
Like a rolling bean (new) 出来事録-1103豊洲新市場液状化_4護岸側方流動と陥没

東京湾岸の埋め立て地の側方流動については、NHKの"MEGAQUAKE"でも伝えられていました。
先日Twitterでも伝えたとおりです。

http://twitter.com/rolling_bean/status/11255971497
側方流動により護岸が最大7m海側に動き出しタンクが倒壊。埋立地1万2000リットルの油分で2ヶ月東京湾封鎖され、生活に大きな影響。阪神淡路大震災の10~15倍以上の被害が出る。準備しないともう間に合わない。東京都は護岸補強工事をしているが100mに3億円(前回も書いた数字です)


また、この豊洲新市場予定地が震度5強で液状化する、ということそのものも、6年前の東京都の委託調査、「地盤解析報告書」の簡易的な調査でも判定されています。

2008-10-29
【重要】 豊洲新市場の地質調査捏造の証拠(東京都自身の「平成18年地盤解析報告書」から)
http://ameblo.jp/garbanzo04/entry-10157581149.html#main
 
イシハラ都知事は、都知事選でショック・ドクトリンの手法を駆使し、「こうした時こそ復興では実績ある現職」というキャンペーンを広げてくるかもしれません。

しかし、イシハラ都政は、この軟弱地盤の汚染地域において他者の検証を拒み、危険性の指摘を無視し続け、実際に液状化が発生してもコンクリートで固めれば大丈夫だとし、万一噴出した土壌や水は建設機械で取り除けば済む(専門家会議)としてきました。その上、実際に発生した液状化をブルーシートで隠したこと、これらは、「震災は天罰」(※)と同様に、忘れるわけにいきません。


(※)「天罰」発言、謝罪して済まない問題です。ご参考まで。
『石原慎太郎君、君は 「謝って済む」 立場にない。』弁護士 澤藤統一郎
http://www.news-pj.net/comment/2011/sawafuji-20110317.html


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