9月22日の築地市場を考える勉強会(第10回、築地社会教育会館にて)では、18時開催から休みなく、予定を1時間延長して22時までお話と情報共有ができました。日本環境学会前会長、大阪市立大学大学院特任教授畑先生の講演もありました。

今回は初めての方々も多数いらっしゃり、会場はほぼ満席、都民の方々だけでなくジャーナリストの岩上安身さんと事務所の方々の取材もありました。

この築地市場移転問題では、関連する事象が非常に多岐にわたり、また重要な情報がマスメディアではほとんど報道されないため、勉強会も回を重ねるごとに話題が専門的で、詳細なものになってきています。

一方で、このところ、新たにこの問題の深刻さ(単に事業者の移転拒絶や地元地域の抵抗ではなく、日本全体の食を危険に曝し、食品流通のあり方も大手のために改変することにもなる、イシハラ都政による悪質な官製地上げであること)を知って、勉強会に参加してくださったり、ネットで情報交換をされる方も増えています。

そこで、今回は、
 ・東京都が仲卸の方々に何を説明しているか(東京都が先月説明会で使ったDVD確認)
 ・全体のおさらいの意味も含めた総論
をあわせて1時間設定されることになりました。

勉強会では、要点のメモをTwitterで発信していたので、その、築地市場移転の経緯と意味を説明した総論部分のツイートを、まずこのエントリーで示します。

元のツイートへの補足・修正箇所はピンク色の文字で表記しています。赤字は強調部分です。

18:04:21 第10回築地市場を考える勉強会開始。岩上事務所の方にもビデオ取材していただいています。今、流れているのは東京都が★この3月(実験終了前→つまり結果が分かっていないのに大丈夫と説明するつもりだったわけです★に作った、いかに土壌汚染対策が安全かというキャンペーンのDVD。15分。仲卸の方々に説明したそうです。売りは法律に沿って対策、ということ。

 

18:06:06 都の豊洲汚染対策DVD。平面方向で汚染があって地下は18%(その調査がまた偶発的に見つからないと汚染が存在しないことになるんですが)、広がっていないということを強調。専門家会議、技術会議いずれも「日本を代表する専門家」が委員として出たんだと。おやおや。

 

18:09:07 都の豊洲新市場汚染対策DVD。生鮮品市場のため「さらに手厚い対策」。それは「日本が世界に誇る技術を使う」と。(ああ、どこかの国のプロパガンダそっくり、とひとりごと)。非実在不透水層のことも説明。矢板で囲んで掘削する漫画というかイラスト。「最適な処理」を行うと。(逐一苦笑します)

 

18:11:39 都の豊洲新市場汚染対策DVD。汚染地下水対策。鋼鉄の板でかこってポンプで汲み上げ水を取り替える。すごいなあ、日本の最先端技術って(棒読み・・・)。液状化でも阪神淡路大震災で効果のあった対策すると。不透水層が深いと砂杭を使う方法、不透水層が浅いときは格子状に固める、汚染は地表に吹き出さないと。

 

18:12:51 都の豊洲新市場汚染対策DVD。きれいな土で埋め戻しその上にきれいな土をさらに。これは
地表面が歩道橋の高さと東京都の説明★しかしそれが汚染されていましたね★国内最大級の地下水監視システム・要するに前例がない規模ということになります

 

18:14:06 都の豊洲新市場汚染対策DVD。(感想)こんな素敵な映像だったら、「言いくるめられるだろう」と考えているのですね。これを作ったのも税金。一生涯住み続けても健康に影響がない「ような」(影響がないとは言ってまい)高いレベルの安全と。

 

18:15:17 都の豊洲新市場汚染対策DVD。制作がH22年3月。まだ浄化確認実験の途中です!!制作会社は「デジタル・スタジオ・ジャパン」だそうです。

 

18:18:21 築地市場勉強会。まずは「移転問題とは何か」の概要を年表に沿って説明しています。第10回となるため経緯全体をまとめて説明することに。もともとは開発のハコモノ利権(いわゆる一般的な公共事業的な)。大田市場開設時にも汐留再開発時も移転の話今回は大家である都知事がここを潰すという前提で話を進めてきた。これまでにない強引さ

 

18:20:12 築地市場勉強会。ハコモノ以外の外資などの利権もコイズミ構造改革以来ある。オリンピック招致の際、ここはJ-REIT(サブプライム日本版)を新銀行東京を使って行う都知事が口を滑らせた。整備計画は規制緩和の影響。電子化、民営化、せりをなくして物流センター(道州制に基づく広域市場、築地は移転でなく廃止と明言)などが農水省政策に書かれた。

 

18:21:58 築地市場勉強会。行政の説明の齟齬、実態との乖離。東京都自身が臨海開発でバブル崩壊時大失敗、5000億円の赤字を合併して隠している。その穴埋めとしてもお金が欲しいという事情があるのが東京都。中立な立場の行政でない。汚染処理こんなにするのも利権。本来は東京ガスがきれいにするのに税金で処理しようとしている

 

18:23:13 築地市場勉強会。ハコモノ利権に代わる汚染対策ビジネスはゼネコンが牽引している。これを税金を使ってやっているというビジネス。汚染対策とは軽く20~30年かかる公共事業となる。小さく産んで大きく育てる公共事業の典型。

 

18:24:49 築地市場勉強会。電子商取引があれば金融が入る。流通センターにして大規模流通。ルール破りする流通は外資が多いアメリカ式の「大手が好き放題する」というものになる。中小零細を保護するのがせり、それは邪魔だと思う人たちがいる。農水省にもそれをやめさせようという動き。波状攻撃がある。

 

18:26:22 築地市場勉強会。特に石原都政になってから、モラルのないやり方が横行している。鈴木都政時代に現在地再整備着工。96年青島都政ではバブル崩壊でやめた。失敗したのは業者の調整だと説明しているが、お金がないからと議事録で分かっている。

 

18:28:13 築地市場勉強会。青島都政で都市博中止。湾岸に多くのものを移転させる方向。そこにイシハラ都知事登場していきなり移転を宣言(就任直後)豊洲東京ガス工場跡地、石炭を乾留して廃棄物垂れ流し、国内最悪最大の汚染の塊がこの跡地。汚染は固定しておらず環境省の資料にベンゼンは1キロ拡散するとだしている。都の
DVDは汚染移動を無視。

 

18:29:38 築地市場勉強会。都は不透水層、水を通さない層と言っていたが、こそっと「通しにくい」と変えていた。要するに通す。東京都の移転問題の説明はばれるたびに話が変わる。居直る経緯は配布年表にある。東京ガスは売りたくなかったがそれでも都が買うと合意した。2001年ベンゼン1500倍が東京ガス調査で判明

 

18:31:05 築地市場勉強会。東京ガス2001年調査。もっとも厳しいシアンが490倍とある。検出されてはいけないというのが本来。科学技術の進展で検出精度が上がっているが、水道の基準よりずっとゆるい限界を使っているので本当はこの10倍ずつ高い倍率になる。東京ガスから汚染sされた土地を買うと決まったときコイズミ政権に。

 

18:33:15 築地市場勉強会。2002年、規制改革と言っていたものが構造改革
へ。教育、農業、医療、福祉という、効率より公正さが必要な分野を民間に開放せよという「改革」が閣議で了承された。農水省の整備方針もそれで変わった。また、法的に独裁的権限を持った知事は条例を独断で実施できる。最たる例がイシハラ都政2期目に。

 

18:34:52 築地市場勉強会。国会で審議された土対法に「骨抜き条項」をつけた(附則3条)。過去の操業地に法律を適用しないと(そこでこの土地は除外)。イシハラ都知事は元環境庁長官でもある。川内議員が追及。政権交代、バレたので外した。こういう、バレたから変える、ということが繰り返されている

 

18:36:23 築地市場勉強会。2006年の第8時卸売市場整備計画。コイズミ改革に沿ったもので2016年に豊洲市場開場、とある。それと同時に、五輪メディアセンター構想や市場を違うものにする動き。この頃から市場の方、環境学会の先生の動き。勝手に取ってはだめだと都に言われてしかし実際に湧いている水をとってみたらpH11という強アルカリ

 

18:37:52 築地市場勉強会。仕掛ける側は常に先手を打っている。我々はいつでもぎりぎりになって気づく。利権の特徴転機は都政3期目の選挙。浅野候補が移転見直し、それで再調査。巻き返しの突破口。DVDでいかにもいい話として伝えた専門家会議も知事が墓穴を掘って(しぶしぶ)制定したものだった。

 

18:39:39 築地市場勉強会。2007年、イシハラ都政は「環状2号線」の道路、築地市場の地下を通る計画を、突如分断して地上案に変えた。既成事実を作った。ゆりかもめでも「市場前駅」。
無人の荒野に駅
。何もないところ。本末転倒。市場を作ってから駅を作ればいいものを。こんな無駄公共事業も既成事実の一環

 

18:41:15 築地市場勉強会。専門家会議でも最初は汚染調査は30mメッシュ(30mに一箇所)だったがどんどん汚染が出た(発覚した)。汚染対策を完了させて全部OKとして土地を受け取ったはず、なのに汚染が出た。やったことはなんだったんだと。(訴訟につながる) 攻防本格化の年。先生方は学会総意で反対してくださったまれな例。でも都政は汚染強行路線をやめない。

 

18:43:16 築地市場勉強会。翌年2008年。専門家会議でベンゼン43000倍、シアンが930倍。次々と汚染が出てくる。リスクコミュニケーションをしようとして傍聴者も(都の動員もあってバトルしたが)入れた。様々な追及で追い詰められ7月に、詳細調査9月発表をまたずに「敵前逃亡」した

 

18:46:47 築地市場勉強会。非常に長く続いている問題なので、これまでの経緯説明の時間を設けている。(会場から)「聞きたいです」 ということで19時までは引き続き大きな流れの続き。専門家会場の対策を実現するための「技術会議」、座長がロボット工学、首都大学東京学長になった利害関係者。会議非公開。都の姿勢が後退

 

18:48:11 築地市場勉強会。2009年オバマ政権の年。大きな転機になる年。ここで発覚したのはブッシュ政権の裏で力を振るっていたゴールドマン・サックスが大卸の株を買いあさっていたことを、参議院で大塚耕平議員追及

 

18:49:49 築地市場勉強会。強烈な発がん性物質ベンゾ(a)ピレンが発覚。専門家会議でも委員が懸念していたが、会議が解散したので放置日本は規制対象外だが中国でも基準がある。濃度としても常軌を逸したもの。たった7種しか調べない物質以外。ここで汚染問題の追及も進んできた。

 

18:51:33 築地市場勉強会。2009年東京都の構想がつまづいた年。移転問題は都議選争点となり、鳩山さん菅さんも築地で演説。政権交代選挙へ。しかし、そこで東京都が強行突破を図ってくる。そうして、ただ運動していても止まらない。裁判を起こした。

 

18:53:13 築地市場勉強会。裁判。汚染土壌の再検証をするサンプルを棄てようとしたので差し止め訴訟。また、もうひとつ、豊洲の土地を買った際、「汚染なし」という破格の値段で買って対策も東京都自腹。監査請求をしたが拒否されたので住民訴訟。すでに分かっているだけで160億円の損害。都知事らに賠償請求160億円

 

18:54:31 築地市場勉強会。160億円は実質その10倍かも(都の安い見積りで算定しているので)。また都議会では残りの予算計上も同じ見積りをしている。4月に訴訟を起こしたのに公判まで半年の店晒しをくっている(9/28が第1回公判)

 

18:56:02 築地市場勉強会。2009年マニフェストの書き換えがあった。しかし最近になって、また戻るというような話もある。風向きがあちこちに変わっている。昨日発売されたFACTAにも大きな疑惑が(後で話す)。築地では「重要なことは報道されない」「行政も明らかにしない」。それを情報公開法に基づき開示してきた。

 

18:57:26 築地市場勉強会。築地が移転するのでなく豊洲新市場は首都圏をカバーする新たな市場であり、仲卸も大手しか移転できない。仲卸の円滑なリタイアなどと書かれている。本来の規制緩和とは?参入を高める。株式市場がその例。安いサービスにより個人投資家が参入、活性化。こういうのが規制緩和である。

 

18:59:35 築地市場勉強会。築地について「規制緩和」という名のもとでなされたことは参入を狭めるまったく逆のこと。新海面処分場に入れる土でも37種類の汚染物質を調べる。ゴミ捨て場にも劣る調査しかしない豊洲新市場。東京都のDVDも嘘だらけ。ガス工場の基礎工事として1万8千本の杭がすでに深くまで打ちこまれている。「不透水層」の下に汚染拡大のことは東京都は言わない。

 

19:00:34 築地市場勉強会。メデイアの偏向ぶり。都知事の大本営発表ばかり、我々が調べたことの10倍、100倍の御用報道が垂れ流されている


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