築地市場の官製地上げ、豊洲新市場予定地の土壌から発見された、今のところ明らかになっている中ではもっとも強い発がん性物質ベンゾ(a)ピレンが、中国製の椿油からも中国で決めた値の4倍、検出されたそうです。しかもそれをメーカーも国(行政)も隠していたとは、まったく、お東京都様のようです。

  Yahoo! Japan
  健康油に発がん性物質…メーカー・政府、事実“ひた隠し”=中国
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100902-00000020-scn-cn
  サーチナ 9月2日(木)10時44分配信

今回ニュースになっているこの中国の椿油は、中国国家基準(安全基準でなくあくまで規制がかかるかどうかの値です)の4倍であったそうで、濃度としては、1kgあたり40μg(マイクログラム)です。

いっぽうで、お東京都様がひた隠しにした、豊洲新四条予定地のベンゾ(a)ピレンは、1kgあたり590mg(ミリグラム)でした。
しかも、ここでは具体的な除去対策をしません。ベンゼンと同じ対策でよいという考えらしいのですが、除去に必要な温度も異なります。

おそらく、「土は食べるわけじゃないからいいだろう」などとお東京都様は言うかもしれませんが、このニュースの値の★約1万5000倍★であることは注目に値し、そもそもが土壌のこの汚染レベル、未曾有の、と言っていいものです。


「ベンゾ(a)ピレンが含まれているサンプルは危ないから分析の依頼も受け入れたくない」とする事業者さんもいるくらいのものです。

なお、豊洲新市場予定地の値がいかに桁違いかは、以下のブログの他の地域のデータを参照すればわかるでしょう。

http://blogs.yahoo.co.jp/minasokoosen/23554126.html

上のページにある「EICネット」孫引きになりますが、

環境基準は設定されていないが、有害大気汚染物質に該当する可能性のある234物質のひとつに選定されており、中でも健康リスクがある程度高い22の「優先取組物質」のひとつに指定されている。

という説明もあります。



以下、椿油のニュースです。

Yahoo! Japan
健康油に発がん性物質…メーカー・政府、事実“ひた隠し”=中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100902-00000020-scn-cn
サーチナ 9月2日(木)10時44分配信

 ツバキ油メーカー、金浩茶油(本社・湖南省)は1日付で、同社製品に基準を超える発がん性物質のベンゾ[a]ピレンが含まれていたと発表した。8月上旬には指摘の声が出ていたが、同社は「デマだ」などと否定していた。湖南省政府関係者によると、当局は早い時期から事実を把握していたが、公表しなかった。中国新聞社が報じた。

 金浩茶油は自社製品を「抗菌・抗ウイルス作用があり、人体の免疫機能を強化する」など、“健康油”として宣伝してきた。

 同社は1日付で「多くの消費者に対してのお詫び」と題する文章を発表。1月6日から3月17日にかけて生産したツバキ油にベンゾ[a]ピレンが含まれていたと発表した。国家基準は1キログラム当たり10マイクログラムだが、最大で40マイクログラム含まれていたという。

 問題の油の生産量は計42.458トンで、省品質監督検験検疫総局(省質検局)の命令により22.361トンを同社倉庫で封印保管。市場に出回った製品のうち、11.152トンを回収した。しかし、約8.9トンが消費者の手に渡るか、現在も流通している計算になる。金浩茶油は、製品のベンゾ[a]ピレン含有は人為的なものでなく、技術的な問題だったと表明した。

 湖南省政府関係者によると、省質検局は2010年の早い時期から同問題を把握していた。金浩茶油に対して生産の改善と問題ある製品の回収を命じたが、公表はしなかった。省質検局の関係者は「安定の維持のため」と説明したという。

 金浩茶油の9月1日の「お詫び」によると、同社は3月と4月に、問題の製品の回収を行った。その後、8月上旬に、インターネットで同社製品に「基準の6 倍の発がん性物質が含まれている」との情報が発表された。同社は8月20日付で「わが社のブランドイメージを大きく傷つけるデマ」、「製品の品質は信頼できると保障する」などとする声明を発表した。

 前後関係から、金浩茶油は、製品に基準を超える発がん性物質が含まれることを知り、さらに回収も終わっていないのに「製品は安全」と強弁していたことになる。(編集担当:如月隼人)


かつて、伊藤ハム工場では、地下水にシアンが混入していたことが判明し(1リットルあたり0.02~0,03mg)、これは検出可能な値の2~3倍ですが、長期操業停止と製品回収となりました。
一方で、豊洲新市場予定地では、検出限界の(東京都基準で言うところの)930倍です。また、ちょっと込み入ったことを書きますが、都が検出限界値を10倍サバ読みしているので、伊藤ハムが2~3倍、と言うのと同じ基準を用いると9300倍になります。

わざわざここに移転しないのがローコストで、かつ手堅い安全策です。それを言われるのが嫌な人は、豊洲新市場予定地の汚染を矮小化したり、築地市場の地下にも何が埋まっている、ということをそれこそ「大げさ」に語ったり。あと本当はほとんど除去されている天井のアスベストが危険だ危険だと喧伝(特にその話題は都知事や副知事の好む話題)したりします。

騒ぐにあたっての事の大小が明らかにバランスを欠いています。そのくせ、消費者や世界の科学者からの指摘には「政治的に反対運動をしているだけだ」などと偏見たっぷりのスピンをかけようとします。

単なる市場の改善であれば、立ち止まる選択肢を採用するのが当然であり、ここまでして官製地上げをするにあたり、表沙汰にしている以外の理由がない、と考えることなど無理です。


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