フォーラム神保町の記録をアップします。文字数の関係から2つのエントリーにしてこちらが前編です。
PCに打ち込むだけの記者は速記者だ、という指摘もありましたが、わたしは記者でなく一人の市民なので、テキスト版ダダ漏れをここで行います。
もちろん、動画を視聴していただくほうがニュアンスや白熱した点も伝わるので是非ご覧ください。
(アーカイブがあります)

テーマは鳩山政権の崩壊と権力闘争、そして沖縄問題(国防)と、まったく一言でまとめられるものでないですが、石川議員の誠実な語り口調と鋭いその中身に将来を作っていく方だなあという思いを持ちました。一方で機密費をもらっていないであろう(残念ながら、社交辞令として言ってみるだけです)ジャーナリストの方々の、事情は勘案するにしても結局はその保身がこの構造を生んでいったことにどこまで思いを馳せているのかが疑問でした。繰り返し、もちろん斟酌すべき連綿たる背景はあるのでしょうけれど、どうも腑に落ちないところもありました。←控えめに申し上げると。サンプロがどうして潰されたのか、それは真実を言ったからという理解なのでしょうかね。

以下、メモです。敬称略です。一部書き起こせていない箇所もあります。
大きな間違いがあればお知らせください。

フォーラム神保町 vol.126
2010年6月8日(火)18:30~21:30

緊急シンポ!
「嵐の中の⇒嵐の中だった小鳩政権!! ~ニッポンは何を守ろうとしているのか!?」
■講師  石川知裕(衆議院議員・無所属)
魚住昭
大谷昭宏(ジャーナリスト)
香山リカ
郷原信郎(弁護士)
佐藤優
田原総一朗
宮崎学
安田好弘(弁護士)
他 (鈴木宗男議員、東郷和彦元オランダ大使)
(五十音順)
■ コーディネーター 二木啓孝
■ 主催 フォーラム神保町
■ 会場 学士会館/210号室
http://www.forum-j.com/

~~~

司会(二木)
元々計画時は鳩山政権。タイトル変わった。
政治状況、社会状況についてパネリストから。
2つ注意。中継が入っているので(民放も)
顔をうつさないようにと言っているがうつりたくない人、指名手配の人は
カメラにむかないように。(笑)
ペーパーが配られているが討論の中での疑問や考えを8時半めどに回収する。
質問は佐藤優さんが集約して話す。
フォーラム神保町とこのシンポジウムの趣旨を。

宮崎
フォーラム神保町のこうした大きなシンポジウム今年2回目。前回1月18日。
石川さんはじめとして東京地検特捜部と政権、小沢さんとの関係などにポイントを
おいた勉強会だった。
その前にフォーラム神保町としては昨年から政権交代に向けての活動、
新しい民主党政権が生まれ、それが激動の嵐に。
このタイトルを考えた時は嵐のさなかだったが、タイトルを考えている間に
変わってしまった。全部で3回くらい変えた。
さておき、今日は菅政権の組閣の日。
鳩山政権の崩壊の過程を経てこの国が分かってくると考え、一度見てみよう、
今後生まれる政権がどうなるかを議論したい。
そうしたことからシンポジウムを開いた。
パネラーの皆さんから闊達な意見が出てくると思いますが、
会場の皆さんもご意見があれば
手元の質問用紙に書けば可能な限り答えたい。

政権の壊れていく過程から国が見えてくる、新しい政権がどうなるか、
その長いスパンの節目が今日。

鈴木(宗男議員)
5月27日、4時半から小沢幹事長と会ったら、参議院の改選組がもたない、
きわめて厳しいと。非常に悩まれているなと。
その日、普天間の報告があり、その後鳩山さんの退陣。
わたしは、昨年の政権交代で、70%を超える内閣支持率がやめる時には
20%またはそれを切っていた、激減の8ヵ月半。
日本人はせっかち。子どもを作るのにも10月10日かかるのに(笑)
わたしは、個人的には鳩山さんにもう少しやらせたかった。
北方領土は鳩山さんにしか解決できない、それなりのレールを引いてきて、
3回首脳会談をするはずだった。最後に無念さをにじませていたが本音だと思う。
政治というのは権力闘争。それなりに最後には潔さをもって菅政権に。
よく考えればこの15年、全部と言っていいほど世襲。
森さんはお父さんが町長、でも別格で
36年も務めたという名門中の名門。
広い意味ではその世襲の範疇。そしてコイズミ、安倍、麻生、福田。
菅さんのあの一流の発信力や突破力、菅さんのスタートには期待したい。
国民に分かりやすい政治をすることです。
「政治とカネ」の延長でやめていった、沖縄問題も続いていく、
機密費の問題は明らかにすべき。
機密費は、国民の税金、それも1万や2万でない。
明らかにすべくやっていただきたい。
野中元官房長官が数字まで入れては発表した。
月々自民党の国体で500万、でもわたしの知る限りでは1000万。
野中さん遠慮したか勘違いしたか、正確には1000万。
あと、総理には1000万というがそこまで持っていっていない。
外遊するときのお土産は別ですけれど。
でも小渕総理は月1回外遊してました。
コイズミ以降使い方も換わっていたと思う。
菅政権は明らかに。わたしの知っている範囲の中で協力したい。
政治家だけでなく評論家、新聞記者の皆様、現金だけでなく、
官房機密意の中から様々なものが出されている。
野中先生は田原さんだけはもらっていないと。これは正しいと思うが、
政治評論家と称する中には、なにがしかの思いをもって
「自分は何日は開いている」とか、それを組んで昼食や夕食を開く。
そんな無駄なことはやめたほうがいい。
沖縄問題にも、機密費が沖縄の選挙や様々の民間人を使った旅費や経費に使われた。
佐藤さんも知っている。

佐藤
わたしは江田憲司さんから30万もらった。東京新聞に書いた。
官邸からもらってるはず。

鈴木
普天間を辺野古にやる時にも。
裏は江田さんが知っている。それがみんなのため。
江田さんは官僚として橋本内閣での政務秘書官。
沖縄問題といえば橋本総理の役割は大きい。
平成8年の橋本モンデール階段で辺野古に。
そこまで決断したのは前年の少女暴行事件。
政務秘書官ですから重いんです。
名護市に移設は平成9年に出た。そのときのこともある。
わたしがさとうきびを守ってきたから沖縄の人からの支持。
平成8年12月に負担軽減。
みんなうまいこと言ってもそれを選挙のためにやらない。
対馬丸の調査、あの時の厚生大臣はコイズミ。
3000隻あるから探すと2999隻を探さなくてはならなくなる、と。
だったらどうする、で、あのライオンヘアーは「勝手にやってくれ」と。
本当に人間味がない。
「しんかい」は中川一郎の時の予算だった。
1週間あいているから貸してもらって海上自衛隊から資料をもらって調査した。
名護の喜納さんも。それで名護への移設。
沖縄は「ゆいまーる」精神、お互い様という考えがある。
それがあって初めて橋本政権でなしえた仕事。
わたしが国策操作にあわなければ…。
皆さん、自分たちの政治資金パーティだけは沖縄でやって、でも考えていない。
わたしはあのきれいな海を埋め立てるのは反対。
自民党政権がやったことを100%受ける必要はない。
個別の案件には仕切りなおしを。ベターよりベストを。
今回鳩山政権は官僚クーデーターに遭った。
橋本政権のとき、キャンベルは3級書記官クラス。
外務省や防衛省の役人には強く出ろと、バカなことを言われてやってきているはず。
ゲーツもCIA。元の官僚の作った案になってしまい鳩山さん失脚と見ている。
日米同盟や日米安保は大枠で担保しているのだから、個別案件にはもっともっと
沖縄の声や専門家の声を聴いて進めるべき。

<ここで宗男さん退場>

石川
わたしが5000万円受け取ったと言われる石川です。(会場笑)
普天間、政治とカネ。
わたしがその政治とカネの渦中。なぜ1月18日が記憶にないのかなと
思ったら、15日に逮捕されていた。
まず、3月3日、任意捜査もなくもなく、大久保さんが逮捕。
その日、読売新聞の女性記者がわたしに9時前に議員会館に言ったら
「石川さん、西松の請求書と領収書を出しましたか」と。
わたしの選挙の相手はローマでのもうろう会見。
当時、わたしのことは誰も知らない、中川昭一さんの相手ということで。
そのときは取材を戴いていたが、すると朝日が夕刊で陸山会に強制捜査。
わたしは小沢側の受け取った金額が突出しているというが、
きちんと記録しているから問題ない、先輩から引き継いだから
まったく問題ないと答えた。
2100万円で大久保氏は虚偽記載で逮捕された。
わたしも6回事情聴取に行ってきた。
その後、深沢の土地取引で虚偽記載がある、ゼネコンから不正な資金があり
それで買ったから隠したいんだ、と言われた。
12月にはじめての事情聴取、1月15日に逮捕。
わたしがおこなった経理操作が悪質なら、3月3日に検察は全部調べて
いるんだからすぐに大久保さんの後に逮捕になっておかしくない。
そのことを読み解いていかねば。
小沢さんの事件は2つあり、
 西松事件
 陸山会事件
佐藤さんと親しくなったのは西松建設の事件。
わたしが小沢さんの「階段」と言われることに、佐藤さんも
「人ごとと思えない、逮捕の可能性もある」と。
それを右から左に聞き流していたが、松の内が危ないと言われていて、その通りに。
いろいろなご意見を郷原さんなどからいただいていたが、逮捕になった。
西松事件の時「大久保逮捕の正当と思うか」は世論調査は五分五分だった。
政権交代を前に麻生さんが仕掛けたのではと色々な見方があったが、
検察は自らの存在意義に関わるので、陸山会の土地取引事件を起こした、
検察庁自体の存在異議、特捜部への使命、小沢一郎への怖さ、萌芽を摘んで
おかねば、という心の底に潜在的な意識があったのではないか。
今回の事件の一連の流れはそのように捉えている。

二木
検察審査会の判断、法律的にどうか、一環しておかしいと仰っている郷原先生、
純粋にどう捉えるかを。

郷原
石川さんの話を聞いていてあれから1年3ヶ月。
わたしはいろいろんなことを言ってきたがトータルで国民の方々にどれだけ
意識に残ったのか不安に思っている。
Twiterで印象深いものがありました。
「おばちゃんたちは小沢さんは西松から4億円もらって土地を買ったと思ってますよ」と。
正確に整理できている人はいないのかと思う。
少なくとも西松事件は意図的に行っていて中途半端な結果に終わったため、
今度は明確な意図を持って小沢さんにリベンジをしようと世田谷の不動産に
政治資金規正法で。
西松ではマスコミとの関係が出たとこ勝負だったが、手が込んでいた。
実際の逮捕容疑ではピンと来ないので、うまく悪質性を脚色できるタイミングで
裏金を報じて、そこで雰囲気を醸し出して逮捕。
世の中の関心は小沢さんに向かい、
「やっぱりカネに汚い政治家」という印象だけが残った。
それが、鳩山さんの辞任に、小沢さんも引いてもらうと。
これまでマスコミと検察のやってきたことが成功しているのかと思う。
これからどういう状況、政治と検察の関係にどういう状況となるか心配。

石川
検事羽鳥調べで、
「コストをかけた政権交代はあなたは潰していいと思いますか」と
まるで禅問答のようなことを言ったんです。
4億円の記載はあまりどうでもいいことで、5000万円をわたしが受け取ったか。
この5000万円をわたしが受け取って収賄をしていましたということが立証されないと、
国民的に「受けない」事件になってしまうので特捜部もこだわった。
コストをかけた・・・は民主党でそういう権力が消えてしまったほうがいい、
というふうに聞こえた。
検事からは石川さん、検察の取り調べの可視化をどう思うか、と雑談で聞かれた。
民主党でどう改革をしていくかとう漠然としたものへの不安があったのだと思う。
これは「集合的無意識」と佐藤さんが書いているように、誰かがシナリオを
書いたのではなく。
司法改革などへの恐れが固まりとなって今回の事件になったと。

二木
「集合的無意識」
誰が国策操作を指示するか、実は中は中空。メディアが作っていく。

魚住さん、どういうふうに見えているのか、報道としてはオーバーランしていると
思うが中と外を知っている立場でどうか。

魚住
もし自分が検察担当記者だったら同じようなことを書いたと思う。
ニュースを追いかけることが仕事。ニュースバリューがないとだめ。
「受け取った」ということは「受け取っていない」ことに比べてバリューがある。
お金に汚いということはニュース性が高いが、逆はそうでない。
石川さんが5000万円を受け取ったとするとそっちのほうを書いてしまう。
否定する話にはニュース性がないので追わない。
そうして検察庁の太鼓持ちになる宿命を持っている。
マスメディアの人たちを「お前らけしからん」と言ってもある意味仕方ない。
司法記者はかなり経験を積んでいるはずだが(ライブドア事件は暴力団の関与
などあったが、収支報告書の会計処理問題になり)、西松献金のときも
あっせん利得のはずがだめだった。
マスコミが期待するより意見が宙ぶらりんに。
今回「5000万がある」と言われても学習能力があればうさんくさいと分かる
はずだが、ニュースバリューを追いかける習性。同じことが起こる。


二木
検察と一緒に乗っているバスを降りたら異常だったというがどうか、大谷さん。
他紙に出し抜かれたくないということで疑惑を書く点。

大谷
わたしは検察担当の期間が長かった。同じような記事を書いたと思う。
ただ、じゃあ新聞記者も放送記者もボンクラかというとおかしなことは
おかしいという点はあると思う。
わたしも「小沢さんをかばっている」とあることないこと書かれ批判された。
途中から「小沢さんを養護するつもりも正当化するつもりもない」と言ったが。
メディアが確実にそっち。一線の記者はネタ取りに走る。
社会全体が「ここで小沢を悪者に」という動き。
この間で一番不思議に思っているのが検察審査会11人の決定が同じだが、
そのことの責任を誰も追求しない点。
裁判員制度と制度を一にしていて、機密を漏らしてはならないが、
なぜ堂々と報道されていて問題にならないか。
民主党議員にも問題にしてというが皆、途中まで言っておりてしまう。
辻恵さんがシステムの問題と書いたら、疑惑でこてんぱんにやられた。
なぜ検察審査会を告発しないのか。
検察審査会の事務局は裁判所。
なぜこんなことになったのか。審査会がこんなことを漏らしているから
裁判員制度がもたない。同じことをやられている。
検察審査会も7月末が期限で6人が変わると言っている。
前の5人は「起訴相当」の前提で入っている。
入った時には皆さんの意見が分かっている。11対す0、そんな審査会を
もう一回やってどうする、なぜど素人が入っていてそれを問題にしない?
枝野さんには「防御権がどうの」と言ったが、小沢さんの防御権をいうなら
次の審査会がどうなるか、弁護士である枝野さんちゃんと言わない。
これから石川さんも含めて考えてほしい。

佐藤
大谷さん、そこまでおっしゃるならなぜ自分で告訴しない?
(大谷:誰か一緒に・・・)
いや、1人でやらないと国民の共感を得られない。そこまで言うなら。
また、わたしは、小沢擁護と言う。なぜならやられていることが不当だから。
ものごとに中立性を装うことにポピュリズムがある。

大谷
どの政治家が正しいとかどの政党を支持するとか極めて言いにくい立場にある。
たとえば勝手にどこかで言うのは可能だが、今のメディアの中でそれを
鮮明に出すことが難しい。
せめてこのくらい言う、ということができなくなってしまう。
それをどうやって言うのか、電波・新聞・雑誌という媒体を借りないと言えない。
そのせめぎ合いにある。
ぎりぎりのところをどう歩いているかを理解してもらいたい。
少なくとも「マス」という手段が執れなくなる。佐藤さんの手段もある。
わたしは、日和っていると言われても薄くなってもある程度広げたい。
できること、できないことがあることは会場に理解頂きたい。

佐藤
石川さんについて言っている。被告の立場。
石川さんにマイナスになる。大谷さんは特定の人にかかりうる問題を
どう考えているのかが気になって。

石川
検察審査会に対して意見を言っているのはわたしだけ。載せてもらっていない。
検察審査会が情報漏洩をしていることに対して、きちんと問題提起をしている。
ただし告発はしていない。

大谷
佐藤さんの質問には答えないといけないが、民主党がなぜこうなるのか。

佐藤
石川さんは民主党員でないです(笑)

郷原
大谷さんが言われていることは問題だが、全体として重要なところを
報道していない。
起訴相当という中身が伝えられていない。陸山会について、あれだけ言っても
報じられないし、再度の不起訴にした事実がなにか、入っていない。
期ずれだけ。なぜそれすらまともに報じないのか。
告発した人も名前が出ない。マスコミの論調は一貫している。
検察が暴走して力尽きたら、検察審査会に流す。
水を差す者の意見は排除する一貫したものがある。
民主党の議員は検察審査会に対して勉強会をしようというだけで大変なことになる。
民意に反すると。石川議員の「考える会」でも問題になった。
統帥権干犯の問題にしている。

二木
検察審査会は裁判員制度より画期的だと思っていたがどうしてこんなに
情緒的になってしまったのか。
6割に支持が伸びる、この情緒主義。このことを安田先生に聞きたい。
安田先生は報道よりメディアと戦っていると思うがどう思われるか。

安田
メディアと戦っていない、メディアに叩かれている。
メディアにサービスするつもりもないしメディアをどうしようといことはない。
弁護人としての仕事をしている。
トリックがある。政治資金規正法を完全に、意図的に誤解している。
つぎはぎだらけの法律だが唯一はっきりしているのは、処罰対象が会計責任者。
政治家は処罰されない。最初からそういう法律である。
法律の目的は会計責任者が責任を持って報告するという内容。
会場の皆さんは、小沢さんが一蓮托生で、共謀して、秘書のせいにして、と
思っているだろうが、これほど法律の趣旨に反することはない。
政治家取締法ということに完全に勘違いしている。検察審査会もそう。
法律の枠組ではそうでない。
もし、小沢さんが罪に問われることがあるのなら「共犯」のみ。
もし小沢さんが共犯になるなら支持命令絶対的服従をさせたということだけで、
そこを大変な誤解している。
また、政治資金規正法にも何一つ「どう書け」と書いていない。
本当に虚偽記載になるのかなど法律に書いていない。何が虚偽かは法にない。
それを勝手に解釈して、去年を今年として犯罪とした。
またはお金をもらったがAかBかでそれを虚偽と。
立法の条文とまるで違う。逸脱している。
また、石川さんが逮捕されてその3日後に国会。
議員の承諾が必要だが、承諾もなく憲法違反行為。そのことへの批判がない。
また、検察は総和として目的的な行為というがそう思わない。
彼らはしっかりした政治をやっていると思う。今回も石川さんの弁護をしていて
ねらいがわかった。小沢さんを起訴することは最初から不可能だが、
検察審査会での処分ということに気づいた。3日目に。
起訴相当で小沢さんの政治生命を奪う、その通りになった。
彼らが直接起訴したら全面逃走になる。「市民」というものを使った。
検察審議会での助言者がおそらくとんもない助言をしたはず。政治家を裁くとして。
最初から検察はそのことを予定していたと思う。
こういう中で、最初から情緒的な風潮で有罪無罪が決まっていると。
そういうこともあるが、弁護士、政治家、メディアの人間としてプロ的なことを
発揮すればここまでていたらくなことにならないはず。情緒的な社会の動きに対して
十分に弁護して勝つことができる。プロ性が抜けていく。
政権交代をしてもアマチュアの集団。小沢さんがいなくなればプロますます崩壊。
世間の風潮にますます流される。

二木
プロ的な職責を果たすという観点で、香山さん、なぜ日本人は情緒的な反応が多いのか

香山
情緒的ならいろいろな情緒の人がいてもいいが、偏ってしまうことが問題。
小泉時代からなぜ一時の熱狂で人が動いてしまうのか、後であれは何だったのかと、
何が一番関係しているのかそこに誰かシナリオを書き、一体誰がシナリオを書いているのか。
悪人という人がいて、シナリオを書いてそこに皆が洗脳されるのであればまだ
話は分かりやすいが、そこに攻撃を加えればよいが、検察問題だけでなく
はっきりしない。
国民は自分たちが何かを仕組んでいるわけでなく、メディアは受け入れられる
ものを書いていてそれを見る人。どちらが先にやっているか分からない。
ものごとのからくりまで考えて結論を導き出すことが苦手になっている。
この5年くらい一番メディアから依頼が来るのが「総理の精神分析を」と。
朝青龍の精神分析を、というのも来ますが。
精神分析とは過去にもさかのぼって分析していくもんだが、「診断名」を
つけてほしいと。
小沢さんは会ったことも話したこともないが、小沢さん個人の問題でなく
周りの問題もあってそう見えているというのに
「いや、小沢さんはマザコンじゃないですか?」と。
からくりや経緯をどうでもいいから診断のレッテルを貼りたがるメディアの要求がある。
なぜそうなっているかをしゃべってもそれは載らない。
背景には、いわゆる聞く耳を持ってもらえない、がある。
テロップ以上の文字情報には耐えられない、イマジネーションも言葉も、
視野狭窄の状態。それがどうしてかは考えると長くなるが。

二木
そこが一番聞きたいところだが

香山
わたしは、市場主義的、勝ち負け、売れたら良いもの、出世できたらいい、という
新自由主義的な白黒に集約されているかと思う。

二木
宮崎さん、では解明してもらって(まとめを)・・・

宮崎
検察審査会のキーワード2つ。
小沢さんを「絶対権力者」。判断の基準は「市民目線」。
この2つのキーワードは、法律とは全く関係のない話。
絶対権力者とは、中世の封建的な言葉が突然出てくる。
市民目線、これはわけの分からない極めて曖昧な言葉。
ムードでやりましたよ、ということ。
市民目線の素人に自分の身柄を左右されてはたまらない。
社会常識として人相が悪いから何とかすると言われては、人相の悪さには
自信がある(笑)側からすればたまらない。
今の社会は職業意識が崩壊している。
職業意識が崩壊して次の基準は「世論」というものになるが、これがつい
最近できた言葉。
「輿論」という文字だった。新しい職業意識崩壊の社会での世論なるものは極めて曖昧。
世論が支配する社会は非常にいやらしいものになっていくと思う。
その面で裁判員制度にも全く反対。有罪になる人は素人に決められたら
たまらないということがあっていい。
だから職業意識のある専門家に委ねていた。
しかし今はそのときの空気が支配する社会。
最後に申し上げたいのは、今後の問題として佐藤優さんも関係するが、
厚労省の村木さんの冤罪事件。権力の責任追及を世論はしない。
メディアは絶対にしない。
得意先を失うから。村木さん問題に注目しましょう。
これから冤罪ということになったら検事の適格性が問われてしかるべき。
個別・具体的に考えていなくては、空気が支配することになってしまう。

郷原
村木さんのこと(配付資料、日経ビジネス)
この村木公判の客観性の問題について、(政局で)かき消された。
特捜検察にとって大きな意味を持つ。
裁判所が2時間かけて述べたことは、検察に信用性がない、こういう取り調べで
作成された供述調書がない、ということだった。
特捜検察がやってきたことがこれまで信用できると言われてきたが、
今回そのやり方の資料を「信用できない」と。
この9月の裁判をどう受け止めるかが大きな問題。
民主党政権のこの次にやるべきことは検察の課題にどう取り組むか。
検察官個人の問題という組立をしてきたが、個人には責任がかからないシステム。
そういう中で作られた書類に、どう組織責任を問うていくか。

佐藤
それは良心的な人の考え方。
検察官にとって「天誅殺」だったろう。
だっていつもと同じようにやっているのになぜ。
非核三原則についてもそれでやってきた。みんな、記憶力が悪くなっている。
「告発者は告発されない」というスターリン時代のように、誰かが言えばいい。
書類を廃棄させられていた人を一緒に仕事をしていて知っている。

安田
体制、システムを変える。刷新会議が必要。
地方検察庁のトップ以外は民間法曹から選ぶ。官僚に監督権を与えない。
次は可視化を確実に。さらに特捜部を解体する。
今度の民主党にそれができるか、難しいが声を上げていく必要

佐藤
プレーヤーと審判が同じ試合はおかしい。

郷原
枝野さんには法律家としてプロフェッショナルの面がある。
検察からの情報リークについて、検察の説明責任についても言及した。
彼がどう対応するか。

佐藤
では、千葉さんのプロフェッショナルの面は?

郷原さん
まったく感じていない。

~~~

(後半は普天間問題です)