普天間移設(本来は廃止)の政府方針に辺野古という記載がないことを昨朝、知って驚きました。でも、これは安心できる兆候というわけではありません。
また、社民党には絶対に連立を離脱してほしくない、とわたしは考えています。
(外野が言う以上に大変な事態にあることは周知の上で)

そして、辺野古、県内移設という言葉が出るや否や、たちまち掌を返したように、「総理にもやきもきさせられたが、よくアメリカ(実際には米軍)が喜ぶ順当 な落とし所を見つけた」と言わんばかりの、恥ずかしげもない洗脳報道にも、もう、腹が立って腹が立って、仕方がありません。その裏にいて、あからさまには 表に出てこない官僚についてもしかりです。

なにしろ、決して諦めるわけにはいきません。

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最近、特に東京で普天間のことを話すときの、とりわけ一定以上の社会的立場にある方々との、話の噛みあわなさをずっと思っていました。
それと、鳩山総務の沖縄訪問が週末だったせいもあり、月曜日の朝礼はその話題が出た職場あったこと(複数)も聞きました。
いずれもとてもよく似た話題が出ています。

とは言っても、今どきの経営層って、という形ではあまりカテゴライズしたくはないですが、この1~2週間、たとえばわたしがお会いする方だと、こちらが尋 ねなくてもまず判で押したようにあちらから、「ところで、普天間でもう鳩山内閣だめだから民主党もおしまいだね」などと切り出されます<パターン1→「今 までのツケはさておき、長年の問題を解決できない政権=民主党が悪い、少なくとも瑕疵はあるんだから0%じゃないから100%」説>。

この<パターン1>では、そもそも、民主主義の看板を掲げた自国の主権が侵害されているのに、いい立場の大人が素人評論家として、同じ国の人を叩くこと自 体、おかしなことで、でも、落胆は落胆であるからこぼしたくもなるのかもしれません。ただ、どれだけの前提情報を持っての批判や諦めなのかは、疑問です。
それに、こうした話題を出す際の話し手には、「普天間問題というものは、あたかも、自らが空気を吸う世界とは、ほとんどつながりのない、どこか遠い空の下だけに局在する問題である」と信じ込んでいる、 またはどうしてもそう信じ込みたくて仕方がないかのように見えます(←これはわたしの推察です)。
ちょうど、原発は素晴らしい先端技術だと賞賛しておきながら、身近に建設されたり、自分や親族が働くのも嫌だ、と言う時の態度とも似ています。

こうしたことに加えて、県外移設や海外移設の願いそのものを嘲笑する態度があります。
「到底不可能なことをマニフェストにも書いてしまいましたからねえ」だとか、「無理なことをさんざんマスコミに煽られて、沖縄の人も考えが足りないです よ」という意見はわたしも聞き、知人も職場の朝礼でまさにその爆撃に遭ったそうです<パターン2→自覚して、あるいは無自覚のうちに沖縄の人に理不尽な我 慢を続けて強いる態度>。(ああ、書いていて怒りが収まりません)

この<パターン2>の話については、わたしの理解では、まず事実関係からして異なっています。
だって、少なくとも本土メディアは、無理なこと・無理そうなことをやればできると煽って民主化を加速させようとしたことなどはなく、むしろ「できないだろう、やれるもんならやってみたらどうだ」という冷 笑的な態度を繰り返してきましたし、もっと言えば、どんな手でも使って、可能なことをも不可能だ諦めろと言いくるめ、少しでも日本に有利なデータは隠蔽し てきました。ここには、やはり過去の機密費のしがらみもあるに違いない、と 思ってしまいます。

そして、ここで挙げた2つともおっしゃる方も少なくない、という感じがし ています。

さらには、こんなふうに冷淡で、かつ事実を踏まえないスタンスが、「自分自身は"政治的"でないが、政治にちゃんと物は申したい」人の態度として通用して しまうことにも、頭痛がします。

この2つのパターンに共通した底流には、沖縄の仲間として悩むべきという思いが毛頭ないこと、そして、アメリカから良いところだけを恩恵として最大に享受 している東京という地にあって、いいとこ取りの後ろめたさすらないほどの鈍感さが横たわっていると考えます。
そして、安全な遠巻きの位置から「ぶれる総理」に一見して上手に見える論評を加えたり、あるいは、「リーダーシップ論」だとか「社会を変えることは所詮難 しいものなのだ」などという教訓らしきものを披瀝することが、思慮深く上等な大人の態度だ、と考えるのがどれほど利己的で恥ずかしいことかは念頭にないの だと思います。

ただ、このような鈍感さは差別主義にもつながるものですから、よほど強固な背景がなければ保ち得ないものではないかとも思います。たとえばその背 景には「産業」(軍需含めた)があったり、「開発」(基地開発も含めた)があったり、言わずとしれた官僚システムなども含まれるのだと思います。

……何か、愚痴めいた、それこそ評論もどきになってしまいました。

でも、「わかってもらえない」「どうせ金持ちには分からない」と嘆いているだけでなく、同時に、なぜ、こんな重要な問題を前に、こんな大きな乖離や分断が 発生しているのか、背景を考えることも重要だと考え、少しまとまらないままに、頭にあることを並べてみました。

繰り返し、本当に、一喜一憂(憂うほうが多い)している余裕など、ないですね。
苛立ちが募ることも毎日ありますが、まだ終わったわけではありません。
各人ができる限りの情報を広げていき、各人ができる限りの抗議を行いうねりを作ることが、きわめて重要な必要条件だと考えます。わたしも、まとまった時間 はないため本当に限られた手段と内容になりますが(本当は具体的なアクションに参加できればとも思い歯がゆいですが)、発信は続けてしていきたいと思いま す。

昨日のこのテニアンの件も、最初から知られていたらどうだったでしょう?
でも、今からでもより多くの人が経緯も含めて把握していただくことが、大きな変化への可能性をつなぐ一歩めになると思います。
時事ドットコム 2010/5/26
「経済効果伴う移設期待」=普天間で米領テニアン市長
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010052600793

 来日中の米自治領北マリアナ諸島テニアンのデラクルス市長は26日午後、参院議員会館で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の 移設を受け入れる意向を改めて示した。同市長は「雇用など経済効果を伴う軍の移設を期待している」と語った。
 これに先立ち、デラクルス市長は社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)と会談。福島氏は「(同県名護市)辺野古(への移設)は自然環境の破壊に つながるので社民党は反対だ。要請の趣旨が実現できるように全力を尽くしたい」と述べた。 
 民主党の川内博史衆院議員らが先にテニアンなどを視察した際、同市長に来日を要請していた。(2010/05/26-17:12)

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また、類似して、ちょうど昨日教えていただいた、ジミントーからのこちらの議員立法、これは、明らかに実質上の改憲にあたる内容であって、自衛隊が実質米 軍と一体化するものとして、非常に気がかりです。
自公政権下であれば、こんなものまでもが強行採決されていたかもしれません。
産経MSN
自衛隊派遣の一般法提出 自民、武器使用も拡大
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100526/stt1005261751013-n1.htm
2010.5.26 17:48
 自民党は26日、自衛隊の海外派遣を随時可能にする一般法「国際平和協力法案」を衆院に提出した。自衛官らの正当防衛だけでなく、任務遂行のための武器 使用を認める内容。法案では、自衛隊や海上保安庁などが人道復興支援や停戦監視、安全確保活動を行う。活動は基本的に国連決議や国際機関の要請に基づき、 非戦闘地域に限定。安全確保活動や停戦監視、警護活動は、文民統制の観点から国会の事前承認を必要とした。
この件についての、佐藤正久議員のツイートです。
http://twitter.com/SatoMasahisa/status/14749188551

自衛隊の国際協力活動に係わる一般法の議員立法提出し記者会見実施。関係者の協力に感謝。自衛隊派遣の原理原則、活動内容拡大、隊員の安全確保の上からも 任務遂行の武器使用も可能とした。海外の災害派遣時に身を守るための武器携行を認める国際緊急援助隊法の改正も議員立法で提出
また、この議員立法の参考情報として、「日米同盟」の仮和訳のURLをお知らせします。

  外務省
  日米同盟:未来のための変革と再編(仮訳) 2005年10月 29日
  ライス国務長官  ラムズフェルド国防長官
  町村外務大臣 大野防衛庁長官
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/henkaku_saihen.html

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