築地市場の、東京ガス豊洲工場跡地への移転を求めてきた方々が「新市場建設推進協議会」として、あらためて移転を求める要望書を、イシハラ都知事や都議会民主党などの各会派に昨日、提出しました。
朝刊各紙でも伝えられています。

今回、この移転の要望を出したのは、大卸などを含めた業界団体で、流通センター化を期待する側であることに着目していただきたいと思います。

そして、この要望の裏にある構造は、八ッ場ダムの推進ときわめて似通ったものであることも、ますます明確になってきたと思います。

今回の移転要望の内容には「築地は限界」とありますが(毎日新聞ネット記事参照)、そもそも老朽化や混雑は東京都の自作自演の怠慢による部分が大きいことは、これまで書いた通りです。
(念のため、それだけが理由とは言っていません)

日々、直接デリケートな食材(こうした見方そのものが、日本の食文化のありようを示します)を扱う仲卸の方々に今年とったアンケートでも、移転反対が多数です。

また、いつも仲卸や地域の皆さんとお話をして、どんな「裏事情」が存在するかも、ほぼ証拠に近いデータと併せて拝見・拝聴した上で、そこには、誇張でなく、あらゆる工作があり、やむにやまれぬしがらみで今回の要望に連名した方々も多数あると理解しています。

諦めや無力感から冷笑的な思いに至り、「内側から見ても仕方ないことなんだ」、とされる意見、これは原発やダム開発にも、都市再開発事業にも必ずあることで、わたしたち自身も別の局面で同じような振る舞いをしていないか、注意しなくては、と思いました。

ここで、いくつかの確認事項です:

・今回要望書を出したのは名称に関わらず多数意見ではないこと
・仲卸は中間搾取者ではなく、魚が昨今買い叩きに遭っているのは、規制緩和で売買両方の権利を大手に与えたためであること(携帯からなのでリンクできませんが、先日ご紹介した広島大の三國名誉教授の論文など)
・すでにあの新銀行東京並、またはそれ以上の税を投入した以上、「現場」からの移転賛同のアリバイが欲しいのは、他でもないイシハラ都知事であること
・汚染がない土地への移転をマジックのように持ち出し、「現実的な代案」とする動きなどがあればそれもまた、官製地上げの目的達成を目指すものであること

移転反対を東卸組合も機関決定してそれは覆っていません。

また、午後か夜に詳しいお話が書けるようになったらお伝えします。

それと、今月20日が、築地市場に関する都議会特別委員会です。