IOCが東京にネガティブな評価報告書、なのに大本営報道で突っ走るイシハラ都知事と産経

※報道もありますが、9月2日の東京都の発表、

豊洲新市場予定地における環境確保条例第117条に基づく調査等の結果について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2009/09/60j92200.htm

については、また書きます。

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ちょうど東京オリンピック招致「問題」が英文になり、「おお」と思ってご紹介したら、ほぼ同じタイミングで、IOCが各候補都市に否定的な指摘事項を出した、という報道がありました。

日経
ＩＯＣ、16年「東京五輪」で財政・治安を評価　施設など懸念
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090902AT1G0204X02092009.html

　東京都など４都市が開催地に立候補している2016年夏季五輪で、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）評価委員会は２日、現地視察して作成した評価報告書を公表した。東京については、財政面や社会資本の充実、治安の良さを評価した一方、「計画では既存とされた施設が実際には建設する必要があると判明した」などと複数の項目で懸念を示した。ただ、具体的数値などで４都市の優劣はつけていない。（管理人：だってまだ10月2日の正式決定になっていませんから）

　評価全体の要約部分では、東京はシカゴ（米国）とともに「質が高い」としたが、南米初開催を目指すリオデジャネイロ（ブラジル）は「とても質が高い」と記述した。ただ、リオについても交通面での改善の必要性や宿泊施設確保での課題を指摘している。マドリード（スペイン）は世論の支持が高い一方、財政面の不安が指摘された。(01:44)

鳩山次期総理に、にIOC総会に出向かせようなどという無謀な動きもあるようですが（森・元総理が、気合いがあれば出られるはずとでも言いたげな妄言を吐いたとか）。
あ、これ↓ですね。

朝日
鳩山氏のＩＯＣ総会出席「意思の問題」　森元首相
2009年9月2日22時32分
http://www.asahi.com/politics/update/0902/TKY200909020346.html

　日本体育協会の森喜朗会長（元首相）は２日、１６年夏季五輪の開催都市を決める１０月のＩＯＣ総会に次期首相就任が確実な鳩山由紀夫・民主党代表が出席するかについて、「本人の意思の問題。おれがやってやろうという意思があるかどうかではないか」などと語った。スペイン国王やブラジル大統領の出席が有力視される中、森会長は「（ＩＯＣ委員に好印象を与えるためには）出るに越したことはない。スポーツが嫌いじゃないはずだけど」とも話した。

ここまでして必死なる裏側をかえって疑わせるような言動ですね。

ここで、訪問しては、かつて「勝手に財政保証」に異議を唱えた側として、とんでもないことですし、まあ実質、イシハラと一体化して見られて恥をさらしに行くようなものでしょうし、海外公務が続く後で無理、とあるのは文脈から見ても、やんわりとダメ出しをされた、と見るべきだろうに、と思えます。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20090902-OYT1T00970.htm

また、英文記事のあるGreenvoiceでは、医療をないがしろにしての9000億円、さらにアソーの勝手に財政保障（レームダック総理による、という名称で立候補ファイルの画像解説つき）をさらに書いてくださっています。
http://greenvoice.com/campaigns/351-say-no-to-tokyo-olympics/details

妊婦さんを救急たらい回しで命を奪い、またとても専門性の高い医療を実践していた4カ所の都立小児病院のうち3カ所を廃止しながら、「夢を見ようじゃないか」がイシハラ都知事の言い分だということを、どうすれば受け流すことができるでしょうか。

なのにこの産経の「大本営丸出し」とはさすがですね！！

産経
【五輪招致】「評価された」と石原都知事…関係者も高評価と受け止め
2009.9.2 23:10
このニュースのトピックス：２０１６年東京五輪招致
http://sankei.jp.msn.com/sports/other/090902/oth0909022311017-n1.htm

　２０１６年の夏季五輪招致の開催都市決定が１カ月後となった２日、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）から公表された評価報告書。環境に配慮したコンパクトな開催計画や政府などの財政保証が一定の評価を得たことで、東京の招致関係者からは「問題点の指摘が少ない」「これをバネに招致を勝ち取れる」との声が上がった。石原慎太郎知事は「東京五輪の実現にさらに近づくことができた」とのコメントを出した。

　都庁の招致本部ではこの日、約３０人の職員が待機。数人ずつ８つの班に分かれ、ＩＯＣから電子メールで届いた東京の評価報告書と、ＩＯＣのホームページに掲載された他の立候補都市の報告書をプリントアウトし、一斉に翻訳を始めた。報告書を読んだ根本浩志招致戦略課長は「東京の強み、理念が高く評価されてよかった」と口元を引き締めた。

　評価報告書の要約では、各都市の問題点が指摘されたが、東京はこの部分が他都市より少なく、国内世論についても、招致委の藤原庸介企画・広報委員は「『比較的低い』という表現で、十分支持があると思っている。一定の評価をもらった」と語った。

　報告書を受け、石原知事は「非常に高く評価された。日本人に大きな夢と感動をもたらす五輪の日本招致を勝ち取るため引き続き全力で取り組む」とコメントした。

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相変わらず時間が全くないのですが、ＩＯＣの評価資料から情報を抜粋していただいたので、こちらに紹介します。

> 公表した評価資料から世論調査だけ抜粋しました。
> 東京（日本）は世論の支持が飛びぬけて低いし反対も多い。
> 東京都がＩＯＣに提出した調査と比べるともはや虚偽申請といえましょう。
>
>　国別の評価報告でも東京に対してはトーンが冷淡な印象です。
>
> 　どう見ても４都市の中で評価は最下位だと思われますが．．．

こちらが一覧表です。

ＩＯＣによる世論調査結果　（２０１６オリンピック招致について）
強く支持支持無回答／中立反対強く反対

シカゴ 38.7％ 28.6％ 20.5％ 6.5％ 5.7％
全米 32.7％ 28.4％ 30.0％ 4.9％ 4.1％

東京 25.2％ 30.3％ 21.5％ 15.5％ 7.8％
全国 19.8％ 34.7％ 26.1％ 12.1％ 7.3％

リオ 41.9％ 42.6％ 6.4％ 5.2％ 4.0％
ブラジル 28.8％ 40.1％ 15.4％ 9.7％ 5.9％

マドリッド 57.9％ 27.0％ 8.3％ 4.0％ 2.8％
スペイン 59.6％ 26.2％ 11.4％ 1.4％ 1.4％