従業員代表の会社統治参画を阻止した経団連幹部と自民閣僚とまだ嫌がっている日経

一昨日（8/18）の日経新聞のコラムに、「公開会社法」という、従業員代表が取締役会に参画する（というだけが特徴ではありませんが）制度に対して、民主党が政策が、ドイツの労働運動の影響であって、こんなものを取り入れていいのか、というようにも読める（というか読む側に不安を喚起させる）ものがありましたので、一部紹介します。

2009/8/18　

日経新聞　コラム「一目均衡」　：　ドイツの風が吹くけれど

　民主党が政策集に衆院選に向けた政策集に「公開会社法の制定」を盛り込んだ。上場会社などを対象とする特別法で、柱の１つが監査役などに従業員代表を起用する企業統治改革である。

　「従業員代表制度」のモデルはドイツ。同国の大企業の経営構造は業務執行担当の役員とこれをチェックする監査役会の二重構造で、監査役会メンバーの半分はその従業員と産業労働組合の代表が占め、残りが出資者側となる。
　監査役会は業務執行役員の人事権を握るほか、重要な経営事項への同意権を持つ。フォルクスワーゲンとポルシェの経営統合も、同社の監査役会が13日承認し、正式発表された。

・・・とありますが、これが「労働運動を中心とした社会主義的な法制度ですね、怖いですね」と言いたげな（邪推？）説明がここに続きます。

それと、ポイントは大文字で拡大したところです。

　ドイツでの従業員の経営参加は1951年、石炭採掘や鉱工業でまず導入され、広範な企業を対象にする76年共同決定法につながった。同法は経営側から結社の自由の侵害だとの反発が起き、戦後最大の憲法訴訟ともなった。
　現在、欧州連合（EU）加盟国のうち、3分の2の国がなんらかの形で従業員の経営参加制度を持つものの、ドイツの参加度合いは際立つ。正井章□（たけかんむりに「作」）・早大教授によると、ナチス時代の弾圧された労働運動が戦後、息を吹き返し工場管理などを要求、その対応策として共同決定制度が浮上した。修正を求める声はあっても廃止論はないようだ。

　民主党が公開会社法制度に向け検討を始めたのは2年半前のこと。企業統治ではつい最近まで社外取締役の充実に軸足があった。経済産業省、金融庁も同じ方向だった。だが、経団連首脳が今春、複数の経済閣僚に直談判。ある閣僚の「経済界の嫌がることはするな」の一声で、政府内部の議論は尻すぼみになった。

責任力政党の責任力に満ちたこの対応、なんとも興味深いものです。

で、この後、官庁も検討していたのに、これが連合という「組合」の主導で検討されているかのような印象操作にすら見える（あくまでわたしには）表現もあります。