根津先生が免職にはならなかった、という速報を日中に知って、ともかくこれで急旋回の局面にいったんギアをシフトし、弱くではあるものの、ブレーキを踏むことができた、という気持ちで胸をなでおろしています。

ただ、停職6か月という(「次はない」、と言われたそうです)懲罰処分付きですが、まず教育の場に残ってくださることができたことに、本当によかった、と喜ばせていただきたいと思います。

3/31の経緯はこちらをご覧ください。
河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
2008/3/31
3.31根津さん解雇阻止!


本日、根津公子さんにも「君が代不起立」処分が発令されました。

結果は、停職6カ月、都立あきるの養護学校への異動でした。
処分は不当ではありますが、とにかく「解雇」は阻止することができました。
免職ではなかった、それだけでもとにかくうれしいです。
(処分の理由は、卒業式での不起立とObjection Hinomaru Kimigayoトレーナー着用に関する職務命令違反です)
みなさんのご協力のおかげです。ありがとうございます。


根津さんは、「処分が加算されるたびに、死刑台への階段を一段ずつ上る思いでいた。みんなが動いてくれたからこそ、都教委はクビにはできなかったんです。いろいろな動きが重層的に重なり合ってこの結果を導いたんです」と、とても喜んでいました。

昨日の午後、急遽、朝から南大沢養護学校へ集まってもらえるようよびかけたにもかかわらず、80人ほどが雨の中、朝から駆けつけてくれました。


9時40分ころ、都教委職員2名がタクシーで南大沢学園へ到着。学校内に入っていく都教委に向かって、マイクを使って次々に「根津さんを解雇しないで」と訴えました。

待つこと、50分ほどで、やっと根津さんが校門前に出てきました。
「都教委は私をクビにすることはできませんでした」
の声に、一同、沸きかえりました。


「『停職6ヶ月』と聞いて私の耳がおかしくなったのかな? 免職じゃないよなと確認した」「休みに入っているので、出勤している職員は少なかったが、校長から呼び出された時、一緒に校長室に着いて来てくれない、と声をかけたら、5人の同僚が校長室まで着いてきてくれて、発令を見届けてくれた」


根津さんは、早速あさって都庁に行き、今度は、12万人分の署名がどこで握りつぶされたのか、また、金井人事部任用係長の「これから30階に行ってからかってくるか」発言を追及しつつ、5日には異動先のあきるの養護学校へ「停職出勤」するとのことです。

闘うことで、困難な状況を切り開くことができることを、根津さんだけでなく、全国の本当に多くの方たちが身をもって証明してくれました。

「ともに10・23通達を撤回させましょう」(根津さん)


河原井さんも、今日、停職6ヵ月処分を発令されました。
「生徒から6カ月も離されるは、身を引き裂かれるような思いです」
河原井さんも停職中は昨年のように全国行脚に出かけられることと思います。

取り急ぎ、ご報告まで。

それでも、今年も東京都では、実際に20人の処分があったことから、安心することはまだまだできません。

この件については、最近、いくつかのタイプに区分される罵詈雑言が随所に書き込まれていたようなのですが(掲示板だけでなく、新聞社のブログなどでもです。それも産経ではないところ)、「国家に否定的な人が、強欲に減刑を求めている」、といった見立ては、それこそお笑い 無意味です。
法的根拠のない理由、言いがかりで職の剥奪を恐喝されていた人に対して、暴挙の度合いが多少緩和されただけで、「減刑」にはあたらないという、法治国家としての原則とレトリックでの原則の双方に立ち返るべきです。

「先進国で国旗国家は強制ではないですが」、という事実の記載に対して、「完璧な証拠を見せろこのサヨクが」、という意見も、それにマナー論およびその2.0とでもいうべきものも、予想以上に随所にあることを知らせていただきました。

こうなると、まるでこの国には、「国家反逆罪」「不敬罪」という罪があるのかと思えてなりません(我ながらしつこいですが何回も言います)。

左翼的と映る個の自由の追求が「生理的に大嫌い」でいらっしゃる方は、君が代不起立への処分に、自身が大きな力によって承認を受けたかのような満足感や、カタルシスを覚えることもあるのでしょう。

しかし、「国家」の名を振りかざし戦時利権を求めようとする力を精一杯応援しその前進を加速させれば、そんなふうにしてご自身にとっての対岸の火事を物見高く眺め、花見酒を飲んでいられる時期は、当然長くは続きません。

加えて、もしもその方が国旗を揚げ国歌を高らかに斉唱して、他者がまんべんなく歌うことに、あるときは言葉や身体の暴力を使ってでも協力したとても、それだけで頭をなで続けられ、永続的なご褒美がもらえるわけではありません。

むしろ国民(市民)の相互監視のもとに世論を従わせ、言論をコントロールするのはかくも容易だ、と為政者に信じ込ませ、その暴走を止めることがより難しくなることを懸念しておく必要があります。

市民同士のコントロールの仕組みが「都合よく」回り始めたら、言論のコントロールの一環として、たとえばネット規制強化(著作権の非親告罪化、あいまいな「違法」ダウンロード、拡大された児童ポルノ所持の処罰など)を、より確信をもって推し進めることでしょう。

相互監視にさしたる抵抗も呼ばなかったとしたら、共謀罪への有力な布石を与えることになります。

茶色の朝 の例を出す間でもなく、まんべんなく国歌を歌わせることができたら、次はどこに向かうのかを考えていくことは、(あえて露悪的に言えば)有り余るほどの財力とコネクションを持ち常に命をお金で買ったり権力の袖の中に隠れて身を護ることができる人(たとえばアベ氏やフクダ氏やイシハラ氏のような)以外は、政治的立場の上下左右裏表を問わず欠かせないことであると考えています。

以下、Googleニュースで検索されない状態にある、全国紙・ブロック紙のニュースです。
東京新聞(共同)
【社会】 君が代不起立20人を処分 都教委、教員は不服請求へ

2008年3月31日 19時33分

 東京都教育委員会は31日、3月の公立学校の卒業式で校長の職務命令に従わず、君が代斉唱時に起立をしなかったなどとして、教員20人を停職や減給などの懲戒処分にした。処分を受けた教員の多くは「教職員や生徒に日の丸・君が代を強制する暴挙だ」として、都人事委員会に不服審査請求する。

 都教委によると、停職6カ月が2人、減給が9人、戒告が9人。学校別では都立高が15人、特別支援学校が3人、公立小中学校が2人。戒告対象者のうち2人は、4月からの再雇用や非常勤選考の合格が取り消された。

 昨年春に続き2度目の停職6カ月の処分を受けた特別支援学校教諭の根津公子さん(57)は31日、記者会見し「『次はもうない』と言われたが(解雇に)ならなかった。(不当な教育行政を)変えられるという希望が持てた」と話した。
(共同)

朝日
君が代不起立で停職6カ月処分 東京都教委

2008年03月31日16時10分

 東京都教委は31日、卒業式で君が代斉唱時に不起立だったなどとして、都立養護学校の根津公子教諭(57)を停職6カ月の処分にした。同教諭は昨春に9回目の処分(停職6カ月)を受けており、免職の可能性も取りざたされていた。同教諭は処分を不服として都人事委員会に審査請求する。

 都教委によると同教諭は24日の卒業式で、校長の命令に反して君が代斉唱時に座り続けた。昨年10月には、君が代に反対するトレーナーを校内で着用し、校長の指示に反して着続けたという。

毎日新聞
君が代・不起立:都立養護学校教諭に停職6カ月 免職回避

 東京都教委は31日、今春の卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかったなどとして、都立南大沢学園養護学校(八王子市)の根津公子教諭(57)を停職6カ月の懲戒処分にした。不起立による根津教諭に対する懲戒処分は5回目。昨春も停職6カ月の懲戒処分だったため、今回は免職も危ぶまれていた。

 根津教諭は3月24日に同校で開かれた卒業式の君が代斉唱時、校長の職務命令に従わず、起立しなかった。また、昨年10月には、「日の丸・君が代」に反対する趣旨が背中にプリントされたトレーナーやTシャツを着て勤務し、校長から着替えを命じられたが、着用を続けた。

 根津教諭はこの日、「都教委は私をクビにはできなかった。これからも『日の丸・君が代』の強制におびえずに頑張っていきたい」と語った。

 根津教諭は06年に、自由と人権の擁護に貢献した人々に贈られる「多田謡子反権力人権賞」を受賞。根津教諭の活動を追ったドキュメンタリー映画が制作され全国で上映されるなど、「日の丸・君が代」反対運動のシンボル的な存在となっている。【伊藤直孝】

毎日新聞 2008年3月31日 11時11分(最終更新 3月31日 11時50分)

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今回の根津先生の処分が、当初懸念されていた「免職」に至らなかったことの背景には、新銀行での横暴が批判を浴びているといった、時期的な問題も作用しているのかもしれないと、思わず想像します。

また、そういえば、新銀行東京での不信任案とその否決を「男の向う傷」と称したイシハラ氏、日暮里・舎人ライナーの開通にあたり、400億円分の節約へそくりを無駄にしただけ、とでも取れる発言をしていました。
東京新聞 08/3/30
日暮里・舎人ライナー開業 400億円削減分を新銀行東京に!?

(略)

日暮里駅でテープカットを行い、足立区の舎人公園駅まで試乗した後に取材に応じた石原知事は、千二百六十九億円の総事業費に触れ「採算が取りにくいかと思って(当初より)四百億円削った」と述べた。経営難に陥っている新銀行東京に四百億円を追加出資する議案が都議会で可決された直後だけに、石原知事は「その分を新銀行東京に追加出資したことになりますかね」と苦笑いしていた。

(略)

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UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。

被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。

「運転再開は白紙」と所長が年頭会見で強調されたそうですが、動向を見守りたいと思います。

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