今朝、湾岸方面に出かけていた知人から、ひどくものものしい様子だったんだけどねぇ、という話を聞いていたところ、「間接給油活動」を終えた補給艦「ときわ」 の帰港式が晴海ふ頭で行われていたそうです。


ニュースでその様子を拝見したところ(asahi.com 補給艦「ときわ」が帰港 防衛相「特措法成立に全力」 2007年11月23日20時29分 とキャッシュ )、わざわざ人目につきやすいところでの「国益重視キャンペーン」のためのアピール、あるいはある種の負け惜しみで、これ見よがしに地団駄を踏んでいるように思えてしまいます。


帰還された自衛隊員の方、ご家族にはしばらく平穏な時間を過ごすことができるように願っています。

~~~

柏崎刈羽原発の6号機でも制御棒が抜けなかったという発表が23日にありました。


東京電力プレスリリース

(お知らせメモ) 柏崎刈羽原子力発電所6号機の炉内点検状況について  (PDF)

このプレスリリース(お知らせメモ、という言葉を使うセンスにも、個人的には何とも言えないものを感じますが)の中では、別の、7号機の制御棒が抜けなかった件にも言及されています。ただ、それは「制御棒駆動機構内の摩擦抵抗が増大したことによる一過性のものと推定」され、決着済みであるかのように語られ、それと同じと理解しろ、と言わんばかりです。


「安全上の影響はありません」(上記プレスリリースより)、ということですが、今、もっとも懸念されているのは、停止中の原発で制御棒が抜けなかったから、これからその制御棒が直近でなんらかの悪さをする、ということではありません。


これは、水漏れがラドン温泉何リットルだから心配に及ばない、と説得された際の違和感とも通じるように、その現象に至った原因を含めた、潜在的な危険性の大きさ、今後に向けたリスクを説明していただかなければ、どうにもならないということです。


TEPCOの、7号機についての説明を含む11/22付けの週報

Yahoo! <柏崎刈羽原発>制御棒1本引き抜けず 地震の影響含め調査
11月23日19時45分配信 毎日新聞


 東京電力は23日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発6号機で制御棒1本(長さ約4メートル)が引き抜けない状態にあると発表した。地震後に制御棒が動かなくなったのは7号機に続いて2本目。今後、分解点検などを行い地震との関連も含めて原因を調査する。


 東電によると、6号機では16日から、炉内点検の準備のために核燃料と制御棒の引き抜き作業を実施中。23日午前3時半ごろ、205本中133本目の制御棒を電気モーターの駆動装置を使って抜こうとしたところ、動かないことが判明した。制御棒の周辺の核燃料は既に取り出されており、安全上の問題はないという。6号機は地震発生時は定期検査中だった。


 先月18日には7号機でも1本が引き抜けなくなった。東電は今月この制御棒を分解したが変形や傷などは確認されず、「金属のさびなどで一時的に動かなくなったことが原因と推測され、地震の影響は考えにくい」との見解を示している。【前谷宏】

最終更新:11月23日19時45分

制御棒のトラブルは、一過性の摩擦抵抗増大、つまりは、錆や表面状態の変化だという説明ですが、他にも抜けなかった制御棒があったこと、地震の揺れで燃料集合体が外れていた現象があったこと、タービンの羽根がすべてのプラントで損傷されている事実からして、地震の甚大な影響が残っていることをこの件で、疑わないでスルーしているのは何故でしょう。


・・・って、通常の大型装置の安全維持の観点からは、疑いますよね、大いに。


ピンポイントでの現象解明だけではなくて、原因に遡り、またそこから関連が疑われる問題を含めた、入念で慎重な検証を行うする表明であったり、具体的な方針の説明がまずあるべきではないでしょうか?

また、そうした摩擦抵抗(錆など)の問題が、異常発生時にトラブルにつながらないことには、「大丈夫だ」では納得ができません。


もしも、(断層の再確認でも明らかだったように)企業内部での問題意識があるのに、外向けのプレスリリースとの間に大きなギャップを設けようとするならば、その理由は何でしょうか。


たとえば、「市民というものは愚かで、リスク(まだ発生していない、危なそうな事例)を含めてきちんと情報開示したりしたら、きっと大騒ぎをするだろう」といった、賢くご立派な方々の慈悲と恩寵に満ちた「理性的な」判断によるのでしょうか。


この件に限らず、各部位のトラブルについて、分解点検などで地震との影響を調べる際も、トラブルの発生した部品とその周辺の構造物、変形となる以前の内部の歪み、制御機構、などについて、一面的に留まらない確認が行われ、詳細を公開することを強く求めます。

(我ながら辟易としますが、何回、このことを書くことになったでしょうか・・・)

中日新聞 新たに羽根24枚に損傷確認 柏崎刈羽原発のタービン
2007年11月22日 20時53分


 東京電力は22日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発(同県柏崎市・刈羽村)4号機の発電用低圧タービンの羽根24枚で、新たに傷や接触痕が見つかったと発表した。

 うち2枚は羽根の最も外側の金属部分が全周にわたり約3ミリ削れ、ほかの22枚にも削れたり、ぶつかったりした跡が残っていた。東電は、高速回転していた羽根が地震の揺れにより互いに接触したと考えられるとしている。

 同じタービンでは19日にも羽根8枚にぶつかった跡が発見され、うち4枚は同じく最外周の金属部分が削られていた。今回の損傷確認で、同タービンの36枚の羽根のほとんどに地震の影響があったことになる。

(共同)

柏崎刈羽原子力発電所 原子炉開放・炉内点検の状況について(11月22日午後3時現在)  PDF


11月20日 柏崎刈羽原子力発電所4号機タービン内部の点検状況について (PDF 729KB)
<損傷の程度>
□ 法令報告
■ 法令報告不要
□ 調査・検討中


~~~


事故や被害の企業側情報公開も、それを促す体制にも不適切なところだらけですが、野音の集会 でもそうだったように、どんな運動が行われているかはまるでタブーであるようです。


ネットニュースでも、かなり意識的に探さないと見つかりません。

新潟日報 07/11/22 柏崎市長に要請、反原発3団体


 中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の被災を受け、柏崎刈羽原発反対地元3団体のメンバー6人が22日、柏崎市役所を訪れ、「(市が)敷地内の地殻構造運動の調査を東電と国に求める」などの要望をまとめた申し入れ書を、会田洋市長に手渡した。

 同団体メンバーは、東電や国について「運転再開が当然と言わんばかりで不信感が強まる」と批判。市が東電などの調査データを入手、公表するよう要請した。また同原発安全審査にかかわった専門家を、国の原子力関係委員会・審議会メンバーから外すよう求めてほしいと訴えた。

 会田市長は「東電や経済産業省原子力安全・保安院には、原発の被害実態を明らかにし、その評価を行うよう要求している。今後も機会をとらえ確認したい」と述べた。


Yahoo!(毎日新聞)

原発立地市町村議緊急大会:国に「危機管理」充実求める--柏崎刈羽被災で /新潟
11月22日12時1分配信 毎日新聞


 ◇全国24原発立地
 東京電力柏崎刈羽原発が中越沖地震で被災したことを受け、全国24の原発立地市町村議会の議員ら約350人による緊急大会が21日、柏崎市で開かれた。泉田裕彦知事らが地震時の対応を報告し、安全情報の伝達不足などの反省点を説明。地震被害と原子力災害が重なる複合災害に備えた危機管理体制の充実などを国に求めた。


 基調講演をした泉田知事は「地震時に(避難の必要はないという)安全情報を伝える取り決めがなく、うまく伝わらなかった」と指摘。「住民に原発で何が起こっているかタイムリーに知らせる仕組みが必要」と述べ、原発の地震被災の対応が想定されていない原子力災害対策特別措置法の改正を改めて求めた。


 泉田知事はさらに、「電力会社だけでなく、国も住民の信頼がない。自治体までが住民の信頼を失えば、国のエネルギー政策にとって大変不幸な事態となる。国を恐れず、住民の声を伝えていく必要がある」と述べ、立地市町村の積極的な対応を呼びかけた。
 大会は原発の新耐震指針の再検討や、緊急時の対応で自治体への権限を増やすように原災法の改正などを求める決議を採択した。


 東電福島第2原発を抱える福島県富岡町の町議は大会後、「国策で原発を立地したのだから、国主導で安心・安全を図るべきだ」と話した。【前谷宏】

11月22日朝刊

その一方で、わたし達が電力会社からユーザーサービスとして開示されている情報とは、以下のようなものです。


TEPCOの公式サイトより
10.11
ゲームコンテンツ「電気のちから~大停電作戦を阻止せよ~」を公開しました!
11.16

「トリビアな放射線」第13話を公開しました!


~~~

UNPLUG KASHIWAZAKI-KARIWA

引き続き、柏崎刈羽原発停止への署名↑をお願いいたします。

被災された方々の不安と風説被害に心よりお見舞い申し上げます。

同時に風説被害解消を挙げつつ安全宣言をいたずらに急ぐ政府・企業方針に懸念を覚えます。


ブログランキング

(よろしければクリックをお願いいたします。ランキング:ニュース全般)


---

トラックバックピープル「自民党」 に参加しています。

トラックバックピープル「郵政民営化法案の凍結」 に参加しています。

トラックバックピープル「M&Aをやめろ!キャンペーン」 に参加しています。

トラックバックピープル「衆議院選挙 野党共闘に参加しています。

トラックバックピープル「自民党政治」 に参加しています。

News for the People in Japanリンク集 に登録していただいています。