今日は、一日ばたばたしており、大仁田議員の引退と、その肩代わりにか格闘家枠でヤンキー義家氏の出馬を知る程度でした。


父のところにお越しいただいている介護ヘルパーさんが今日はお越しになれなくて、土日は手が足りないとおっしゃるのです。

たしかに、介護業界の人手不足は深刻だし、できるならば休日くらい親族もきちんと関わるのがよいでしょうけれど、介護と家族としてのかかわりとがどうも「公的な制度として」意図的に混同されているように感じることが多く、また、今はわたしは正規雇用にあるとは言っても、「当面、土日には一切仕事に出ません」などと宣言したらどうなるかは明らかです。

そうした調整などは「自己責任で行うべきこと」なのでしょうかね・・・。


夜になって、『日本の、これから』「納得してますか?あなたの働き方」 という番組を父が見ていました。

一般参加者の発言などから、正規雇用者と非正規雇用者の壁の厚さと、もしかしたら、いや、もしかしなくとも「勝ち組」は新自由主義が続いてもらうことに望みを託していることが見て取れました。


終身雇用のよいところも振り返ることは必要ないのか、同一労働同一賃金のルールから非正規雇用を濫用することがあまりに、逸脱している、といった話題が出るたびに、八代尚宏 氏の論旨のすり替えに辟易としました。

いわく、

  「終身雇用も40年の年限雇用なんですけどね」(←そうした時間の観点しかない議論じゃないのに)

  「であれば、全員を正規雇用にしろというんですか」(←誰もそんなこと言ってませんって)


毎回ですが、この人のこの「持っていきかた」には田原総一朗氏が思されます。


参加者のパソナの南部社長はフリーター問題の取り組みで知られていますが、どんな話題でも自社宣伝に話題を逸らす話し方にもうんざりしました。

 ◆南部氏に関する参考 『現代産業情報』

 民主・前原前代表と安倍首相を結びつける新進企業経営者  (この経営者=南部氏)


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この番組を見て、やや旧聞に属しますが、先週の月曜まで売られていた雑誌『エコノミスト 』(毎日新聞社)6/19号の記事の情報を紹介させていただきます。

また、そこで見つけた中小企業白書の中のデータについて、少し触れたいと思います。


『エコノミスト』 2007/6/19のトップ特集

娘、息子の悲惨な職場 Part 6 出産で家計崩壊
    -非正社員は結婚しても苦しい生活、子育てもできない

HIKSカップルの現実 結婚しても生活がやっとの非正社員
就職、結婚、子育て意識  激しく働くのはイヤ 低収入なので結婚もできない 他

ご周知の方も多いと思いますが、この冒頭にある小林美希さんというライターの方が続けた連載で、最近、書籍化されてもいます。


ルポ正社員になりたい―娘・息子の悲惨な職場 』 (影書房)

今や派遣、請負、パート、アルバイトなどの非正規雇用で働く労働者は全体の1/3にも上る。その多くは“超就職氷河期”の世代、学校卒業時に就職できず“とりあえず派遣”となった20代、30代の若者たち。 “景気回復” “グローバル市場で生き残るため” といった企業の掛け声の裏で、「細切れ契約」「妊娠解雇」「社会保障加入逃れ」「偽装請負」等々といった不法・無法・不公正な行為が横行している。労働市場の規制緩和政策のしわ寄せを受け、不安な生を強いられている若者たちの“現場の声”を、同世代の著者が丹念な取材で拾い集めた渾身のルポルタージュ。
今回の雑誌の特集も、特に小林さんの書かれた記事は力の入ったショッキングなものでした。
たとえば、若い夫婦の妻が正社員、夫が契約社員で大卒何年かして合算して600万円程度まで世帯収入が確保できて、そろそろ子どもを持ってよいかなと計画する方々は多いでしょう。
けれど、女性の側に妊娠が分かった途端、正社員としての解雇や契約社員としての雇い止めがの危険が極めて高い、そのことはもはや常識になりつつあるようです。
こうした事実が、経済雑誌にすら、6回にわたって不定期ですが連載されています。

(『エコノミスト』では、教育再生会議の提起する「バウチャー制」のイギリスでの破綻や、アベの目指す美しい教育の過ちを正す記事も継続的に載せて下さっています)


上げ潮路線だけで事を運ぼうとして迷走している(森永さんのコラム )コイズミ・アベ周辺の人びと<経団連の重鎮も含む>は、経済イコールシンプルな金儲けである、と信じて疑わず、その結果、経済常識に対してひどく無知で、長期的展望を欠いており、経済界からも呆れられる存在であることが分かります。


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◆過去の「娘、息子の悲惨な職場」の連載に関するリンク

■(2005年)3月22日号 (リンク先では誤っては15日号の情報がアップされています) 

 あなたは知っていますか? 娘、息子の悲惨な職場
 (正社員になれない若者が417万人、生涯賃金の大きな格差などについて告発しています)


■(2005年)5月31日号
 【特集】 娘、息子の悲惨な職場 具体集 
 図解 正社員年収はフリーターの3・8倍
 これだけではない「悲惨例」 他

■(2005年)9月20日号
 娘、息子の悲惨な職場 Part3 脱出編
 図解 人生の節目で生み出されるフリーターの数 他


■(2006年)年3月28日号
 娘、息子の悲惨な職場 Part4 -遠い正社員への道
   -雇用が改善しても広がる所得格差-

 「労働法制の強化が必要」(福島瑞穂・社会民主党党首)
 「ジニ係数」分析 若年層の所得格差は97年以降に拡大していった 他


■(2006年)11月7日特大号

 娘、息子の悲惨な職場 Part 5 果てしなき低賃金

 正社員になっても逃れられない低賃金
 日本経団連会長のお膝元キヤノンで正社員化が進むが… 他


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上で挙げた最新特集の記事で、年収と既婚率・年収と子どものある率の露骨な相関関係のグラフが示されています。


出典: 中小企業白書 2007年度版

第3部<テーマ分析[2]>少子高齢化・人口減少社会における中小企業

第2節 若年者雇用の不安定化の概況

【クリックで拡大します】

2006中小企業白書より

生活が苦しければ、家庭も持ちにくいという一般論を超えた強すぎる相関です。

だから、柳沢大臣、「ひとりあたまで」努力して子どもを持つことなどできないんですよ。


追記:

中小企業白書全体概要 (PDF)には、p.33でも、求人が増えていても雇用者が増えていない、という事実を明記しています。

個人の努力不足に帰してしまってよいわけではありません。

また、地域間のばらつき、という表現が随所に現れますが、これはランダムな「ばらつき」ではなく、はっきりした「格差」です。


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