週刊ダイヤモンドを呼んでいたら(←仕事です)、冒頭コラムにこんな内容がありました。(強調は引用者による)


週刊ダイヤモンド 2007/3/10号 巻頭コラム『プリズム』

 見事に騙された。三年前、公正取引委員会がゼネコンの談合抑止策として課徴金を大幅に引き上げ刑事罰も科すという独占禁止法強化を打ち出した。日本経団連が、頑強に抵抗した。メディアは悪徳ゼネコンを擁護するのかと、いっせいにたたいた。奥田碩・経団連会長(当時)の思いどおりの展開だったと、今はわかる。さぞかし、ほくそ笑んでいたことだろう。
 その年の七月に参院選を控え、ゼネコンの票を失いたくない自民党は、課徴金引き上げ方案をつぶしたかった。だが、表立って反対はできない。その意向をくんだ奥田会長が、反対闘争開始を極秘に指示、悪役を引き受ける大芝居を打ったのである。「小泉自民党を守るという奥田の一念で経団連はまとまった」と幹部は振り返る。方案は翌年に提出、成立した。
 時移り、共に主が代わり、今年jも参院選を前にし、だが、安倍(晋三)自民党と御手洗(冨士夫)経団連の関係は様変わりしてよくない。格差問題に過敏な自民党は、割り増し賃金、最低賃金の引き上げ、中小下請け企業の保護など経団連が好まぬ”弱者政策”を繰り出し、経団連が切望するホワイトカラー・エグゼンプションは先送りした。いらだち募るところに中川秀直幹事長が「賃上げ」を要望、御手洗会長は「今春闘は賃上げに決まっている。それまで待てぬのか」と内輪の席で激怒した。
 四人の役者の格は、格段に違う。


やっぱり・・・。

いかにもありそうなことで、さらに事情通で知られるこのコラムの信憑性はかなり高いと見なしてよさそうです。

もちろん、コイズミのために奥田氏が打って出たという大役者ぶりに対して、アベのために御手洗氏はなんら打って出ないどころか、中川(蛙)にまでしてやられる始末。

しかし、中川(蛙)とアベが一枚岩でないところも大根役者と二流舞台監督としての弱みです。


一方で、こうした事実をみて悲観的になるとするなら、政権交代があったとしたら、この与党との相互コバンザメ状態に墜ちた経団連をいかにハンドリングするか、という遠大な課題があり、当然ながら「党が違うよ」で突き放せない深く入り組んだ根があるに違いありませんから、財界との付き合いは本当に楽観視できない、とそうした部分はあります。


老いた自民党政治家がおっしゃる「野党になんかできっこないんだ」という妄言は、このあたりの綱引きも指しているんでしょう。

内閣VS内輪の席で会長が激怒する経団連の力関係は、もう圧倒的に後者が主導しているということなのでしょうか。

しかし、視点を変えれば、ここも攻略ポイントですね。

世界からみても通用しない政財界癒着のひずみきった経済方針から足を洗うには。

ただ、それをどう実行すればいいかというと・・・


ああもう、浅知恵が浮かんでキリがありません。

たまには、我が家の水槽のネオンテトラのことなどを書こうかと今朝は考えていたのに。


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同じダイヤモンドに、財政破綻する自治体の特徴を挙げているところがあり、深刻ですが、非常に興味深いものです、

首長の権限集約と周囲の判断停止についての箇所を引用しますね(p.149)。



週刊ダイヤモンド 2007/3/10号  わが市町村の破綻を回避する策は?
  首長多選禁止と個人責任の追及

  財政状態を明示する指標も必要

【前略】

 財政破綻した自治体の事例を検証すると、破綻に至る要因が鮮明に浮かび上がる。驚くほどに通っており、パターン化している。

 まず、特定の個人に権力が集中していく。積極的に事業を展開し、税金をふんだんに使う。住民はその人物の力に依存し、すべてを”お任せ”するようになる。情報が実力者周辺のひと握りの人たちに独占され、多くの人はあずかり知らぬ状態に置かれる。議員は思考停止になり、議論は封印される。議会は単なる追認機関となる。監査委員も同様だ。実力者の息のかかった人物がポストに就く。

【後略】


いずこも他人ごとではありません。


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