1/17。12年経ったのですね。身内が多く震源近くに住んでいて、それにちょうど数日前までその場所にいて東京に戻ったばかりだったので、本当に驚いて、恐ろしさに震えたことを思い出します。
ただ、そんな外から見ていたわたしがコメントすることは不快を与えるかもしれないけど、今日も生命のことを考えました。

人を「頭数」や「役に立つ・立たない」だけで考える時代にはしてはいけないということも。


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今日もやはり、徹底した「成長戦略」をアベは謳っています。


asahi.com 安倍首相、成長戦略の必要性を改めて強調
2007年01月17日16時15分 [東京 17日 ロイター]

 安倍晋三首相は17日午前、自民党の定期党大会であいさつし、成長戦略の必要性を改めて強調するとともに、地方の活性化も重要課題と位置づけた。また、統一地方選や参院選に向け、正攻法で戦うとの姿勢を示した。

 安倍首相は、「美しい国」づくりに向けて「国の骨格、形をつくるのは憲法であり、立党の精神に立ち返り憲法改正に取り組む」とし、通常国会で関連法案の成立を目指すとした。また、統一地方選や参院選に関しては自分たちの主張を訴え、「正攻法で臨む」との考えを述べた。

 また、人口減少時代でもイノベーションを進めオープンな日本を造りたいとしたうえで、企業に向けてではなく国民生活のために成長戦略が必要だとの持論を展開。また改革の成果を家計や全国に広げたいとの考えを強調した。さらに「地方の活性化なくして日本の活性化はない」と地方重視の姿勢を打ち出した。

 来賓として出席した公明党の太田昭宏代表はあいさつで、少子高齢化社会の到来などの今後の課題について「構造変化を直視した360度の政策実現が安倍内閣の使命だ」と指摘。また、参院選に関し「(自公で)結束して戦えば勝てるとの決意でいっぱいだ」と強調した。


同じ日の世界日報の社説では、民主党に向けて野党共闘などよせと力説しています。

野党である民主党に、こんな呼びかけをする必然性が(真正面からは)分かりません。

つまり特定の層にとって、共闘はよほど都合が悪いことなのでしょう。

   世界日報 2007/1/17社説 民主党大会/保守への舵切りに勇断を


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ところで。

ある組織や企業に属する(たとえば、○○新聞の記者である、たとえばなんとか社の創業者の家系である)という「単なる事実」だけで人を色眼鏡で見たくないし、また、それが長期的には選択可能なものであったとしても、その人がその属性でいるには何かの理由があるかも、ということを斟酌するべきですよね。


ただその組織が総体としてどんな社会的な影響力を行使しようとしているか、ということは厳然とあります。

なんて言い訳めいた前書きとともに、今日はわたしが見落としていた?ことを簡単に挙げます。


「日本青年会議所」について、いささかとっちらかっていますが、若干の情報をリストアップします。


発端は、また、海の向こうの友人からのメールでした。


> オマケ(?)に、こんな本まであるんですぅ。読んでないけど。
> 『誇り高き国 日本―この国に生まれて本当に良かった』
> 櫻井よし子氏絶賛。


ということでさっそく調べたら、下記書籍紹介を発見し、そこには目次があったのですけど、
http://www.creage.ne.jp/app/BookDetail?isbn=4478733449
末尾に、「社団法人 日本青年会議所からの提言」とあったため、条件反射で青年会議所のWiki に飛んでみました。


・・・うーん。

わたしの知る青年会議所って、ただ「ちょい保守の若旦那の仲良しクラブ」(笑)という意識でしたが、以下のOBの共通性については、無知の恐ろしさに寒さが走りました。

(下記OB一覧はWikiからの引用。どこから、あるいはどの組み合わせに突っ込めばいいのだろう)


JC出身・在籍中の著名人
愛知治郎(仙台JC、参議院議員)
赤池誠章(甲府JC、衆議院議員)
麻生太郎(飯塚JC、元会頭、外務大臣)
牛尾治朗(東京JC、元会頭、ウシオ電機会長)
柿崎順一(科野JC、元理事長、芸術家、華道家)
小泉純一郎(横須賀JC、第87、88、89代内閣総理大臣)
塩川正十郎(布施JC(現・東大阪青年会議所)初代理事長、元衆議院議員)
鴻池祥肇(尼崎JC、元会頭、元国務大臣)
越本隆志(宗像JC、在籍中の2006年1月に第34代WBC世界フェザー級王者獲得)
佐藤栄佐久(郡山JC、元理事長、元副会頭、前福島県知事)
千玄室(京都JC、元会頭、裏千家前家元)
田中良生(とだわらびJC、元埼玉ブロック会長 衆議院議員)
中川俊直(東広島JC、元衆議院議員秘書、中川秀直自民党幹事長の次男・東広島市長選挙候補者)
西岡武夫(長崎JC、参議院議員、元文部大臣)
丹羽秀樹(春日井JC、衆議院議員)
鳩山由紀夫(苫小牧JC、衆議院議員)
服部禮次郎(東京JC、元会頭、セイコー名誉会長)
鈴木寛(東京JC、参議院議員)
平将明(東京JC、衆議院議員)
村岡兼幸(秋田JC、元会頭、村岡兼造元官房長官の長男・秋田県知事選挙立候補者)
森喜朗(小松JC、第85、86代内閣総理大臣)

(ここまで引用)


さらに、はてなダイアリーのキーワードもあたってみます。


日本青年会議所 にっぽんせいねんかいぎしょ

日本各地の青年会議所運営の総合調整機関として1951年設立。各地の青年会議所から出向するメンバーによって構成されている。

地方毎の地区協議会、都道府県単位*1のブロック協議会という下位組織がある。

青年会議所のメンバーの思想・信条はさまざまだが、日本青年会議所に出向するメンバーは保守系タカ派色が強い*2。

*1:北海道は4分割
*2:麻生太郎は第27代会頭


御手洗ビジョンにしても、日曜の講演をわたしの限られた知識の中から解釈しても、経団連や日本会議とその同一平面にある周辺が新自由主義教育を主導している、そんなイメージだけがあったのですが、ずっとずっと重層的な構造が確立されていたんですね。


もちろん、上の解説にもあるように、個々人の思想信条はさまざまでしょうから、青年会議所の所属メンバーやその考え方を誹謗するつもりは一切ありません。


だけど、たとえば、

社団法人 日本青年会議 近現代史検証委員会 による、
「中学校社会科教科書対応表と中学校学習指導要綱」の存在など、いったいどう捉えればいい??

さらに上のページを見て、すっかり目が点に(陳腐な表現だけど仕方ない)なりました。

社団法人日本青年会議所 2006年度ホームページ

 ”精神ルネッサンス”真の自立国家「美しき日本」の創造に向かって!!


これならば、たしかに経団連のビジョンに改憲も愛国心教育も、挙げられてしくは無し、ですね。

また、こと教育に限らず、天真爛漫に強者の論理で爆弾発言をする女性経営者なども、財界では必要かつ香ばしい役回りなのですね。(おっと、それました)


なお、近現代史検証委員会については、教育基本法改正情報センターによる非難声明がありました。

昨年のものです。こちらもうかつにも見逃していて、お恥ずかしい限りです。


「改正」推進運動のページ より  日本青年会議所「近現代史教育プログラム」


日本青年会議所の保守的、国家主義的性格はよく知られているが、それを象徴する教育プログラム。「誇り~伝えようこの日本のあゆみ~」と題されたプログラムは、「つくる会教科書」を展開したものといってよい。「愛国心」教育の具体例。

「愛国心教育」がいかに歴史をゆがめるものか、情緒的な教育になるのか、歴史科学が道徳・教化に転化することがわかる。教育基本法の精神を否定する内容・

そして青年会議所はこの資料を全国の学校に送付することを考えているのであろう。そしてその活用を求めるのであろう。これは教育に対する不当な支配に該当する。

二重の意味で教育基本法違反である。

どんな支配権を想定しているのか、日本青年会議所のトップページ には、様々な教育の目標が挙げられています。

OMOIYARI運動の展開
  「OMOIYARI」とは、日本古来から受け継がれ、文化として持っている高潔で徳高い心、また、相手の立場に自分自身を置き換えて、お互いを理解し受入れ信頼する心です。その心を日本国内はもとより全世界の人々に広めていくことで、様々な社会問題解決と武力によらない世界平和実現を目指します。

(本当の思い?なぜ思いやり、と、やまと言葉で書けないの?なんちゃってだから?)

【追記2007/2/14】 他の国に日本的心情を理解していただきたいためローマ字表記、というご指摘を受けました。

 もったいない=Mottainai、と同様に世界的な理解をめざすということで理解しました。

 茶化すようなコメントは大変失礼いたししました。


近現代史教育推進運動の展開
  次代を担う子供たちに確かな歴史を伝え、家族愛、郷土愛からなる国を愛する心を育むために、各地の青年会議所と協働して、DVDアニメ『誇り』を基にして、確かな歴史認識を確立し、日本人としての自信や誇りを呼び覚まし、世界平和への心と思考力を育成する事業を展開いたします。


結局どんなDVD?そのDVDアニメ『誇り』の構成 を調べてみました。

 明治維新と近代化政策
 大正~昭和初期
 支那事変から大東亜戦争
 国際軍事裁判
 現在へ


えっと・・・。ゴー○ニズムじゃなくて、社団法人の提供するプログラムですか。


わたしはなにしろ国会成立を阻止したいという気持ちでいましたが、草の根、いや地下茎が張られ、白昼正々堂々とこんな表立った動きをしていたのですね。


思いついて、「日本教育再生機構」のサイトも確認してみました。するとやはり…


教育再生 各界有識者の提言 日本教育再生機構


  [39] 今期政権の教育政策に期待し、日本の教育を立て直すための提言/池田佳隆((社)日本青年会議所会頭)
  http://www.kyoiku-saisei.jp/cgi-bin/auto/mh_load.php?mode=39


さらには、こんな方も。法律家を育てる立場にあるはずなのに。

  [26] 「教育改革と人的資本論」/反町勝夫(株式会社東京リーガルマインド代表取締役社長)
  http://www.kyoiku-saisei.jp/cgi-bin/auto/mh_load.php?mode=26


美しい国の教育、なんて、ご隠居の繰言(経団連)かと思いきや・・・。

もう少し検証してみたいと思います。わたしがあまりにこの方面に無頓着だったのだろうから。


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おまけ・・・とは言いがたい重さなんだけど、最後に東京の話を。


本屋さんと売店を10箇所以上回って、ようやく、卸売市場移転候補地の豊洲の土壌汚染の記事(オリンピックに絡めて)が掲載された週刊ポストを手に入れました。いつも週刊ポストは有り余っているのに)。


盛り土の高さはわたしの最初聞いていたより厚いけれど、盛り土で回避するということの浅はかさ。

週刊ポストの経緯説明では、もともと別の施設(大学)の誘致の決まっていた豊洲を都が強引に買い上げ、かつもともと再開発の決まっていた築地をオリンピックメディアセンターにする石原構想には、2兆円というお金の動き以外にも、三男宏高氏に都知事を世襲させようという意図もあるのではないか、という指摘がありました。


これに関連して、「エコロジーな東京オリンピック」をアピールする石原氏サイドのプロパガンダを発見したので、最後に画像をアップしておきます。


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環境新聞冬号(2007/1)