16-10-10
調布市文化会館たづくり8階映像シアターでこぢんまりと開かれた映画祭で、柏原寛司さんのコーナーがあり、同じく脚本家の三村涉さんと東宝でプロデューサーを永く務めた富山省吾さんが「シン・ゴジラ」について対談するというので、行ってきました。
2004年の正月明けのトークライブがぼくの表舞台の最後でした。金子修介監督のゴジラ「GMK」でした。富山プロデューサーとはそれ以来なので、12年ぶりです。
「ミレニアム」のトークライブに来てもらった脚本家の柏原さんと三村さんとは15年ぶりなんですが、三村さんとは7月、古谷敏さんが出た闘魂酒場のイベントで再会していました。お3人ともあまり変わってないんですね。
「ミレニアム」から「ファイナル」にかけて、ゴジラ映画は善戦したものの、世の中がなんだか冷めていて、こと特撮においてはどんどん冷たい風が吹きさらしていた印象がありました。
アメリカ同時多発テロが01年です。世の中の目線はもうゴジラに向けられません。現実の恐怖が大きかった。
リーマンショックはその少し後ですけど、しまいには本が売れない、作られなくなってしまうとは誰も想像だにしなかった事です。
活字文化が滅んでいきそうな危機感を個人的に感じたままです。あくまでも私見ですが、ネットの文字は活字でありません。テキスト文字です。活字は、印刷されるまでに徹底して校正し、洗練されて文章になります。
いまぼくがネットで書いている怪獣や特撮の記事は走り書きでしかありません。それは本を出す機会がない事と同時に、それでもなにか発信する事も大事だと思う事と本には書けない事をネットで送っているわけですが。
しかし本の文字はまったく別のものです。
それはさておいて。映画の世界ではハリウッドよりも邦画に足を運ぶ傾向が強くなって、それはとても良い事で、今回の「シン・ゴジラ」に怪獣ファン、ゴジラファン以外の女性客が得られた事が最大の功績だったと感じます。
果たしてアナログ特撮はこのまま滅んでしまうのか。本も。
そんなことはないと思います。
おととし、川北さんとも15年ぶりくらいに再会出来て、イベントをやりますから、日本の特撮を語り継いでいきませんか、と打診したら快諾してくれました。その直後に二度と会えなくなりました。
伝える事があって、伝えれば、誰かが継承してくれる。だから、文化は消えたりはしません。
お3人の「シン・ゴジラ」評については行った人の財産として、ここで触れません(笑)。ただ、三村さんが悪役を買い、柏原さんが冷静に分析して、富山さんが宣伝に徹しました。時間が足りなくて、どうしてもっとみんな来ないんだ!と勿体なく思いました。
いまの世の中で、例の五輪、豊洲問題などの欺瞞に満ちた政治や行政に対して「シン・ゴジラ」になにか世相になぞらえる皮肉めいた面白さを感じる人も少なくない、と、みなさん、感じているようです。
ゴジラが神なら、不埒な人間どもを踏みつぶせば良いんです。
対談の前に、いやこっちが主役である、映画祭の出品映画10本ほど上映されています。
ぼくは最後の「宇宙大怪獣ヌマギラス-来襲-」に滑り込んで最後だけ覗かせてもらいました。
時間が合わなくて、本当はもっとたくさん観るべきでしたが、なんせ連休明けまでに終わらせないといけない3つ目がまだ終わってない状態。
原型の抜き勾配のリテイク、今晩中。頑張ります。
柏原さんからの告知。
片桐竜次が俳優生活45周年を記念したインディーズ映画「キリマンジャロは遠く」。柏原寛司さんが監督をしています。11月11日まで公開中。ぜひ、足を運んで下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=k2GqegRwhI0
三村さんからの告知。
三村涉さんが制作を兼ねた劇場アニメ「算法少女」がついに公開されるそうです。たった1人のクリエーターが5年の歳月をかけたそうです。
古谷敏さんも声の出演をしています。12月公開。
http://artmic8neo.jougennotuki.com/sanpu_syoujo.html
その主題歌。
https://www.youtube.com/watch?v=5tWQ61nCzmM
・この3人と言えば「ゴジラ2000ミレニアム」です。
・ミレゴジがシンゴジを斬る!
・柏原さんが監督した「キリマンジャロは遠く」。公開中。
・三村さんが制作と脚本で参加した「算法少女」12月公開決定! 本日の司会は、元円谷プロで、「算法少女」でも声をやっているわかばかなめさん。
・調布と言えば水木しげる! 文化会館たづくり1階奥に、先生の追悼コーナーがありました。