BS・TBSチャンネル「ウルトラマンガイア」最終回。
「地球はウルトラマンの星」。初回は円谷プロ主催のパーティ会場で観たので感動しつつもちゃんと頭に入らないんですね。お祭りのように興奮しちゃって。後日しみじみとビデオを見ました。初回の印象のせいで最終回は特別な感情が伴って2回ほど見たら封印して、大事に思ったまま刻が経ちました。
番組のあと平成3部作のオリジナルビデオがそれぞれ出ました。映画も作られ、絶好調の中「ウルトラマンコスモス」が始まった。
「コスモス」はそれまで番組を掲載していた講談社に加えて小学館が連載を始める事になり、ライバル誌同士で現場がややこしくなるので、一般誌の取材はもう少し待って欲しいと言われ、待っている間に太陽くんの事件が起きたのでした。
ぼくはホビージャパンの連載が100回になるので区切りをつけたくて雑誌を降りました。いろいろ取材先に失礼もあっただろうから一度尻ぬぐいをしておきたい部分も含めて。あれで本当にあの特撮熱に区切りがついてしまった。
肉体的な疲れとともに人間関係も疲れてしまい、10年ほど沈黙しました。睡眠障害とか気分障害、鬱や神経症のようなもの、たくさん。
ついで言うなら、この3年ぐらいで復調してきたようなものです。
世紀末、ゴジラがデストロイアと戦って死を迎えた事と入れ替わるかのように95年に「ガメラ大怪獣空中決戦」が公開されて、あまりの面白さに熱中して夕張ファンタまで応援に行きました。
さらに翌年に「ウルトラマンティガ」が始まります。「ダイナ」「ガイア」と毎年続きました。
ガメラは素晴らしかったしゴジラへの哀悼も感じながら、新作のウルトラマンが始まると心を揺さぶられるのは、やはりウルトラマンがいちばん好きだからです。それ以外の理由なんてありません。
太田愛さん、川崎郷太さん、小中千昭さんらたくさんの逸材がウルトラマンを描いて、取材をさせてもらいました。
同世代の活躍が眩しかったのです。
それだけで済まなかったのは現場で出会う人との交流。イベントをやるけど来ませんか? と声をかけるとみな喜んで来て下さった。
我夢役の吉岡毅志くんは、藤宮を連れて行きますと口約束を守ってくれた。
ガイアとアグルを演じた権藤さん、中村さん、清水さん、怪獣をやった三宅さんら縁の下の力持ちたちを雑誌やイベントで紹介出来た。
その間、ゴジラが復活し、異色作「鉄甲機ミカヅキ」が発表され、円谷ではテレビと別班で映画やオリジナルビデオの「ウルトラセブン」「ネオス」を作った。特撮はブームなのか!?と誰もが思ったわけですが。
戦いが終わった我夢。
ふつうの学生に戻った。友人たちもふつうに我夢に接する。ふと見上げる遠く空に一緒に地球を守ったミズノエノリュウの幻が浮かんだ。
地球は生きているんだ、この小さな芽のようにどんどん、新しいいのちが生まれ育まれていくんだ。
嬉しくなって我夢が大空へ叫ぶ。
「おーい」。
誰に向かってなんだろう。過去の番組から、現在の自分へ語りかけてくる声。
「おーい」。
人生の思い出の中にキラッと光る瞬間と再会すると、涙が出ますねぇ。
ありがとう、ウルトラマン。
・根源的破滅招来体の最後の攻撃が始まった。地球の各地から地球を守るために戦っていた地球怪獣の体内の光が集められた。その光の力が、ふたたび我夢と藤宮にウルトラマンの能力を授ける。
XIGの隊員の中に、ウルトラマンを演じた権藤さんと中村さんが!