トップシートカッター ~恐るべき小さな精密機械~ | Totoronの花鳥風月

トップシートカッター ~恐るべき小さな精密機械~



皆さんは


「Top Sheet Cutter(トップシートカッター)」


というのをご存知ですか。




世の中に


刃物はいろいろありますが、


これほど精密な刃物は


ちょっと見たことがない。




刃物なのに


切れ味を誇るのではなく、


その精度を誇る刃物である。





私は、


狩猟もするし


釣りもする。





登山もするし、


ハイキングもする。



そして、


そういう時には


その状態に応じた刃物が活躍する。




狩猟には


山で獲物を捌くときに


動物の脂もはじくといわれる


スキナーというナイフを使う。




ご存じない方は、


下記をご覧ください。


「コレクション ~ナイフ・フンダーベルグスキナー~」






魚釣りには


塩水にめっぽう強くて


刃先の鋭い刃物が使い勝手が良い。




登山やキャンプなどでは


一つのナイフに


缶切りも栓抜きも


ドライバーものこぎりも


20種類くらいがついている


VICTORINOXが便利。




驚くほど多機能ですので、


これもぜひ下記ブログをご覧ください。



コレクション ~ナイフ・VICTORINOX~




さて


今日の主役の


「トップシートカッター」とはどのようなものか。




これがその刃物。



Totoronの花鳥風月-tsc1


「トップシートカッター」という刃物だけでは、


人の目に触れることも難しいので、


定規に組み込んでありますが、


定規が主役ではありません。





定規は


その刃物を持てるようにしてあるだけ。





ではその刃物は


どこに付いているかというと、


目を凝らして


これをご覧ください。




Totoronの花鳥風月-tsc2


お判りでしょうか。



矢印の先の小さな三角状の刃先。




どれくらいの小ささかというと、


10cmの定規の


1mmずつを刻んである線より


はるかに細いことがお分かりだと思います。




10分の1mmよりもっと小さい刃物です。





これをどのように使うかというと、


新聞の記事の切り抜きに使います。




鋏だと


新聞を手にもって


その記事だけを切り取ることは


結構面倒だし


ナイフだと2枚目や3枚目まで切り取ってしまいがちですが、


そこでこのナイフの本領が発揮されます。




切り取りたい記事の端に


刃先の部分を密着させて、


抑えながら線を引く感じでずらしていくだけ。





それで


2枚目には傷一つ付けずに


1枚目だけを見事に切り取ります。




「Top Sheet Cutter」 とは


「一番上の紙だけを切り取るカッター」という意味で、


その下になっている新聞には


傷一つ付けません。





新聞紙の厚みは


大体0.1mm以下です。




それを


下の紙を傷つけずに切り取ることのできるカッターというのは、


ものすごく精密機械のような気がしませんか?




そんな小さな金属に


どのようにして刃をつけるのか


その技術や恐るべし。






そうして切り取った記事がこれ。



Totoronの花鳥風月-tsc3


この記事の中に記載されている装置は、


私のブログにもたびたび登場願っている


岩宮さんの会社が作っています。



世界の海洋観測精密機器メーカー、


「株式会社鶴見精機」。



どのような会社かは


下記をご覧ください。


「モロッコの夕べ2012開催 ~椿山荘の夜~」





記事には


海洋研究開発機構と鶴見精機の共同開発とありますが、


機構は製造技術などは持っていないので、


このようなものを作ってくれと言うだけで、


多分設計製造はすべて


鶴見精機が手掛けたものだと思います。




恐るべし鶴見精機、


そして、トップシートカッター。




今日は、


全長2.1mと


0.1mm以下の


二つの精密機器の話でした。