下記、友人のblogより抜粋
読んで怒りを通り越して呆れ、悲しみが・・・

そこに心はあるんですか?



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福島県に、警戒区域に一時帰宅するためのコールセンターが開設された。


今日、伯父宅に、伯父と母の従弟夫妻が遊びにきた。
双葉町(原発から約3.5キロ)の人たちで、現在、福島市内に避難している。
60代前半の夫婦。
時々来て、おしゃべりに花を咲かせていく。

夫妻は、地震の当日に避難指示が出て家を離れて以来、
一度も自宅に戻っていない。
まさしく、着の身着のままに避難してきた。
自宅は、屋根瓦のぐしが落ちたままになっていて、
ブルーシートもかけられず、
放射線と雨漏りが心配だという。
玄関も歪んでしまっていて、やっとの思いで鍵をかけてきたそうだ。
着替えも位牌も何もかも置いてきてしまっている。

今回、コールセンターが開設されたので、
昨日、奥さんが電話をかけたそうだ。
これが、何度かけても話中でまったくつながらない。
朝からずーっとかけ続けて、
何時間もかかってようやくつながった。
オペレーターは、どうやら、地元の人ではないらしかった。
「双葉町です」と言ってもピンと来ないようだったという。

その電話の中で、住所や名前を聞かれたあと、

「帰宅したい理由はなんですか?」

と聞かれたそうだ。
奥さんはびっくりして、怒りがこみ上げて、
でも言葉にならずに、電話口で涙がこぼれたそうだ。

そういうマニュアルになってるんだろうか。
だとしたら、誰だそんなマニュアル作った奴。


何の目的のコールセンターなのよ。
誰のための一時帰宅なのよ。
みんな、どんな思いで電話をかけていると思っているのか。
どんな思いで、つながらない番号を何度も何度もリダイヤルし続けていると思っているのか。
やっとつながったら
「帰宅したい理由はなんですか?」
って・・・・・

川内村の人たちは、帰る前に誓約書を書かされたという。


起こってしまった事故は仕方が無い(いや全然仕方なくなんかないけど)
せめて、一日も早く収束して、元の町に戻れることを願っている。
私たちには、物理的には、待っていることしか出来ない。

せめてもう少し、
被災者の心情に寄り添う対応ができないものなのだろうか。
メディアでだって、散々、心のケアが大事だって言っているではないか。
ある日突然、家から出ろと言われ、戻っちゃダメと言われ、
そんな状態が2ヶ月以上も続き、
やっと帰る機会が出来ると思ったら
「帰宅したい理由は何ですか」って・・・・


私は電話をかけるのはまだこれからだけど、
私も聞かれることになるんだろうか。
「帰宅したい理由は何ですか」って。
これに答えないと、家には帰れないのだろうか。

まぁ私は、警戒区域になる前に
実は3回ほど家には戻っていて(ちゃんとスクリーニングも受けて異常なしです)
貴重品も着替えも、このパソコンも持ってきているから
切羽詰っているわけではないのだけど。
それでも、今は絶対に入れない家に入れる機会、
しかも次がいつになるか、というか次があるのかどうかも分からないのだから
持ってきたいものはまだまだたくさんある。
出来ることなら、ドラえもんのスモールライトで家ごと小さくして持ってきたい。
避難している人、みーーーーんなそう思っている。
思っているんだよ。


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