ＪＲ東海の371系が、富士急行に譲渡されることになりました。わずか1本のみの存在で、沼津から松田を経由し連絡線を通って小田急線に入り、新宿まで乗り入れる特急「あさぎり」として活躍しましたが、乗客の伸び悩みから御殿場～新宿間の小田急の車両のみで運転する過去の形に戻り、定期運用から外れました。その後は団体用や臨時列車として使用されましたが、昨年暮に引退していました。
新しい職場となる富士急行には「パノラマエクスプレス」用の車両をＪＲ東日本から譲り受けて「フジサン特急」に使用していましたが、老朽化で２本のうち１本は既に廃車となっています。
旧「パノラマエクスプレス」編成のうち１本を置換えたのは、小田急から譲り受けたロマンスカー20000形RSEで、３両編成に改造して8000系として活躍中です。
この系列は、沼津から「あさぎり」が運転されていた頃の小田急側の車両です。小田急線内の他の特急にも充当されましたが、ＪＲ東海との協定に合わせて製造されており、共通点も多くあります。
奇しくも富士山の反対側でまた同じ鉄路での活躍を始める両編成には、祝福の言葉を贈りたくなります。稀少な存在だと修理などの際に部品がないなどの問題は起きますが、やはり３両編成に短縮しますので、抜いた車両のものを活用することになると思います。
いつから元ＪＲ東海371系が運転されるかはまだ情報が入っていませんが、再会を果たし、今度は同僚として世界文化遺産への足となる両者に幸あれ！