DIYでスピーカースタンドを作る(1) 振動と共振 | ギター兄ちゃんの独り言…

DIYでスピーカースタンドを作る(1) 振動と共振

こんばんわー。

前回までは基本的にDIYの為の前フリで。今回から本題のスタジオ家具作りです。

スタジオ家具の中でも一番重要で。今回のDIYのなかでもメイン作業のスピーカースタンド制作。

今回はそのスピーカースタンドついて。詳しーく。




前フリですw

あ…石は投げないで下さい。はい。危ないのでダメですよー(・∀・)



では。まずスピーカースタンドに乗せるスピーカーが何なのかってことです。

音を出すもの。そんな単純なもんじゃないことはコレを読んでいる皆様ならご存知の通り。

スピーカーって音を出す度に振動を起こします。そしてその振動が共振を発生させます。

でも…。でもですね。基本的にこのスピーカーは共振を嫌います。そういう風に作られています。

共振は音に悪影響を与えるし。それはスピーカーが本来持つ音とは違う音が再生されてしまいます。

詳しい話しは省きますが。共振が発生するほどにスピーカーからの再生音のレンジが狭くなる。

そう思ってくれたらいいです。だいぶ大雑把ですが( ̄▽ ̄;)

で。この共振を発生させる大元の原因とは。そもそもスピーカー本体なわけです。

でも。よく間違った考えで。スピーカーが振動しないように上に重りを乗せたりする方がおられます。

こんな若造のエンジニア(腐れ)ではございますが。声を超大にして言わせて頂きます。



大間違いっ!(σ・∀・)σぺぺぺぺぺ



そもそもスピーカー自体は振動するのが当たり前。その振動がボックスを"箱鳴り"させます。

その"箱鳴り"を含めてスピーカーは再生装置として設計されているナリ。

スピーカー自体の振動を減らせば減らすほどに音には大きな変化をもたらしますが。

それが良い方に出る事は100%絶対にないです。 俺の経験とオーディオ的常識から言い切ります。

特に中低域から下の再生に対してはスピーカー本体の振動を殺すほどに削られてしまいます。

最低限、絶対に守ること。スピーカーの上に物は置かない。スピーカーの重ね置きとか言語道断です。

余談ですがギターのスタックアンプ用のキャビネットの場合。
 キャビネットの上にヘッドアンプが乗っている前提で設計されています。
 なのでヘッドアンプを乗せない場合、キャビ上に重りを置くのは間違いではないです。


スピーカーの振動は出来るだけそのままに。かつ周囲の共振を防ぐのが大事。

共振するようなものを周囲から徹底的に取り除く。壁の吸音などもそうだし。

スピーカーが他の物体に接してる面から伝わる振動を減らすことは共振を減らすことに繋がります。

またスピーカーそのものが接する面積を減らすことで周囲の共振を削ることになります。

その為のアイテムとしてインシュレータースタビライザーがあるわけです。

自分はaudio-technicaAT6099というインシュレーターを好んで使っています。
 
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インシュレーターは基本的に3点支持で支える物がほとんどです。

4点や平面に比べて3点は3ヶ所に平均して加重がかかるので安定しやすくガタツキにくい。

底辺を設置面から浮かすことでスピーカーの振動が整い低域の安定再生にも繋がります。


スタビライザーはRadialRecoil Stabilizerという製品が最近は人気みたいです。

 $ギター兄ちゃんの独り言…

どちらもスピーカーの振動が周囲に影響を与えないようにするものですが。

ただし。平面のスタビライザーは特に素材の音が露骨に出るので慎重に選ぶこと。

基本的にスピーカーに面した物の素材によって音は様々に変わります。

これはどうにも避けられない事象で。ならばそれを踏まえてセッティングするということ。

素材によってスピーカーの音がどう変わるかは実際に体感してみるのが一番です。

木や石。金属やゴムなど。卓上も。とにかく色んな物にスピーカーを置いて聴く。

経験は財産で。経験なく物事を語るのは陳腐極まりない。良い悪いではなく。経験すること。

最初から極上の環境を経験するのも良いけれど。悪い環境を経験するのもまた財産。

悪い音が分かるから良い音が分かる。良い音が分かるから悪い音が分かる。

何事も経験。なの(*゚Д゚)/だー



で。素材によって音が変わるのはインシュレーターやスタビライザー以上に台が大きく関わります。

スピーカーを置くもの。特に台になる素材がどんなものであるかが大きく影響します。

素材に振動が伝わると素材それぞれ特有の共振をします。

金属なら金属。木材なら木材の。石なら石の。それぞれ素材が持つ固有の音がします。

こういう言い方をするとよく分かりにくいでしょ?w

簡単に説明するとカナヅチでそれぞれの素材を叩いてみたと想像してみて下さい。

金属ならカーンとか鳴りますよね。木材ならコン。石ならゴゥンって感じかな。

でも金属製のインシュレーターは素材の音が出ないように加工されてるものがほとんど

それが素材の音です。詳しくは素材には比重伝達速度音響抵抗という3つの要素があります。

比重は重さ。重い物は響きにくいが一度共振すると比重に応じて連続的に続いていく。

軽い物は響きやすいが共振してもすぐに収まる。

伝達速度は響く際の響く速度とでも言いますか。早ければ鋭く、遅ければ鈍い音になる。

音響抵抗は素材の密度です。数値的には少なければ密で共振しにくい。

さぁ。それではお待ちかね。皆さんの大嫌いなお勉強のお時間どぇ~す(σ・∀・)σ


 比重(gr/cm3) 、伝達速度(cm/sec(×10の4))、音響抵抗(kg/m3・sec(10の4))

 比重=木材 0.1~0.6/コンクリート 2.6/鉛 11.4/銅 7.8

 速度=木材 4~500/コンクリート 310/鉛 71.8/銅 501

 抵抗=木材 20/コンクリート 81/鉛 82/銅 391



ようは金属は重たい。重たく共振しやすいのが数値上で分かると思います。

逆に木材は伝達速度が高く抵抗が低いので音は伝わりやすいけれど共振しにくいと。

よくスピーカースタンド代わりに使われるコンクリートですが。

重たい割には実は重さほどの音響的に有効な数値ではないということが分かります。

あくまで目安で。素材それぞれにもさらに色んな種類があり。

音響的な加工をされることで大きく変化しますし使い方によっても。あくまで理論上です。


ちなみに素材同士が重なっている時など。お互いの共振を素材同士が接触面で摩擦し合う。

振動は摩擦によってエネルギー(熱)に変わるので軽減される。変わりに熱が出る。

小学校の時に理科の実験で実践したことのある人も多いでしょう。

鉄などは単体素材ではやたら響くけれど重ねている状態で叩くと鳴らなくなる。

でも溶接すると1つの素材になるのでまた響くw

よくスピーカースタンドの中に砂を入れますが。これは砂が細かい粒同士で接しているから。

それが音の響きを吸収する役目を果たしてくれるわけです。


ちなみに上の表には載せませんでしたがグラスウールやロックウールなどの断熱素材。

これは比重が軽く、伝達速度が低く、音響抵抗数値が低い。

ただし、以前どっかで書きましたがグラスウールなどは密度によって性能は大きく変わります。



あと。石。コンクリートを積み上げるのは良く見かけます。

そうです。実は石は俺に投げつける以外にも使い道があるのですw

これ見てる人でコンクリートの積み上げやっている人は沢山いるんじゃないかな?

安くて軽いスピーカースタンドはそれだけで不安定でかつ音に悪い影響しか与えないです。

コンクリートブロックは1つでもそれなりの重さがありますよね。

複数を積み上げていく事で上で書いたような接触によって共振しにくくなるという利点も。

手っ取り早く。しかも安上がり。1mぐらいの高さなら2つのタワーで1万円もあれば用意出来ます。

近場のホームセンターで購入でき。まさに宅録ミュージシャンの理想とも。

問題はコンクリートブロックの精度。と。その重量。そして何よりも…


ださいw


ま。見た目の問題は別として。精度の悪いものだと積み上げるとガタつく時があります。

その部分がビビリの原因になることも。ビビリはいかんよ。ビビリはー( ̄Д ̄)

高さは合っていてもビビリが原因で音が濁ってしまってはまともにモニタリング出来ません。

その場合はガタつきの原因になっているものを探し出し。安定するものと交換する手間が出ます。

あと簡単に移動が出来ない。一度設置したらモニタリング位置は固定にするしかない。

床が重量に耐えれるかどうかも大事。ちなみに知人で賃貸マンションの床を凹ました強者がいますw


コンクリートではなく石。石材店とかでオーディオボードなんて売ってますね。

あまり知られていませんが石には硬石や軟石といった種類があります。御影石は硬石で硬く響きます。

オーディオの世界では見た目もすごく大事なので黒御影石のボードを敷くのが流行ってますが。

あれは見た目は良いけど個人的には硬石よりも軟石の方がオーディオには合うと思う。


でもね。俺の経験では石はインシュレーターやスタビライザーには滅茶苦茶不向き。

どうしても音が硬質化するんですよね。カコーンって感じ。個人的に木の自然な響きが好きなので。

俺は硬い音はモニタリング、リスニングしていると何か疲れます。耳が痛くなってくるというか…

だから石は何であれ土台には良いけど。スピーカーに直接に接するのはタブーだと思っています。

なのでもしコンクリートでスピーカースタンドを組んだり。スピーカーの下に石を敷いたのなら。

市販のインシュレーターやスタビライザーでも良いですし。

例えばホームセンターで売っている3cmぐらいの厚みのあるゴム板とかでも良いので。

必ずスピーカーと石の間に何かをかますことをオススメします。

たったそれだけのことでモニタリングの環境はガラっとかわりますのでっ!




最後にあまりオーディオの世界でも音響の世界でも聞かない素材。

それは油粘土。油粘土って皆さんも小さい頃に触った事あるんじゃないかなと思います。

実は俺が今まで聴いた事のあるなかでダントツ一番にスピーカーの音がそのまま出ていました。

それが油粘土。昔、こねこねと慣れ親しんだあの油粘土でした。

とあるオーディオマニアの方で。その筋ではかなりの有名人様。その方のお宅で体験しました。

俺が今メインで使っているパワードモニターもパッシブモニターもその方が施行したモデファイ品。

正確にはその方を中心としたピュアオーディオのサークルなのですが。

一見さんお断り。宣伝をしたら絶縁。施行料金は時価と気分という。そんな集団の長ですw

気になるその方の自宅にあった粘土のスピーカースタンドですが。

まず床下から10cmほどコンクリートが2つ飛び出していて。それは地中2mほど埋めているそうで。

その頭だけが床から出ているとのこと。コレだけでかなりの強者ですがw

その上に御影石が乗っており。その上に油粘土を交互左右に複雑に重ね合わせた長方形のタワーです。

さらに粘度タワーの頭をくりぬいて木のボードが埋め込まれていて。

木のボードの上に鉄製のスパイク型のインシュレーターをかまして高級スピーカーが乗っていました。

土台の安定度からしてすさまじいお金のかけようですが。

さすがにどうあがいても俺には現実不可能な予算なのだけは確かなので金額は聞いてません( ̄▽ ̄;)

とにかくもうその出音にビックリしました。スピーカーの振動はスピーカーだけなんですよ。

一番に影響を受けるはずのスタンドが一切の共振をしない。スピーカーは爆音で振動する。

再生するスピーカーの金額的なものもあるのでしょうが。どこまでも歪みなくピュアな音でした。

おそらくこれがスピーカー本来の音を聴くということなのだなと。そう思った今より若かりし頃。

あれ以降。あれより良い音というものはまだ出会っていません。おそらくもう無いかもしれないなと。

それぐらいの衝撃を受けたわけです。そして。そんなとてつもなくピュアな音よりも。

もっと破壊的に衝撃的だったことがあります。






・・・。





くさかった Σ( ̄Д ̄)


いや。もう。なんてゆーか。油粘土が大量にある密閉された空間って凄まじく臭い。w

よくあれで優雅にコーヒーが飲めるなと…( ̄_ ̄ i)

音は良いんですけど俺はあの臭いは無理。でも粘土のスタンドの有効性は間違いないです。

強者がいたら実践してみて下さい。紙粘土とかだめだよ。油粘度ねw




ということで。今回の「STUDIO Air Room」でのスピーカースタンドの制作ですが。

今回説明した色んな要因を踏まえつつ単一素材ではなく複数の素材。硬いものや柔らかいもの。

また伝達速度や音響抵抗の違う物を組み合わせるということに決めました。

が…。それはまた別のお話しw

本題に到達せずすみません_| ̄|○l||l



続くw

STUDIO Air Room (PCサイト)
twitterhttp://twitter.com/gaku4321

$ギター兄ちゃんの独り言…



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