『ついつい描き過ぎて濁ってしまうのですが、
何かいい解決方法はありませんか?』
という相談をどこに行っても受けます。
簡単です。描かなければいいのです。
描き過ぎたのだから、描かなければ解決です。
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というのは、ちょっと簡単に片付けすぎですね。(^^ゞ
まず、対象に向かった時にどう考えるか、で結果は大きく違ってくると思います。
つまり、
『さぁ、これをどう描こうかな。』と考えるか、
『さぁ、これをどう描かないでおこうかな。』と考えるか。
こう言うと、『それは描ける人の言葉。描けるようになってからでしょ。』と片付ける人がいます。それを聞くたびに私は思います。
『いつ描けるようになるのですか?』
“描かないこと”は“描くこと”のうち。省略や取捨選択が自在にできることは、同時進行で勉強していかないと“ただの描く人”になってしまうのではないでしょうか?
さて、描き過ぎてしまう理由はいろいろあると思いますが、
私の結論は、『自分の腕に“自信”があるから』だと思います。イメージも計画性もないまま『描いていれば、なんとかなるだろう』という根拠のない“自信”です。
ハッキリ言って、透明水彩画に関してはそれではどうにもなりません。
もう一つは、透明水彩絵具の特性を誤解しているからかもしれません。
透明水彩は薄い色を重ねて濃くしていくものだと思っていませんか? だから手数が増えて濁るのだと思います。
例えば、真っ赤なバラを描こうと言う時に大量の水で薄く溶かした“赤”を100回塗っても真赤になりませんよね。いつかは強い色を一気に塗ることになると思います。だったら、最初にその赤を置くべきです。なぜなら、紙に一回塗った絵具は例外なくきれいだから。
描かないための具体的方法については、明日お話ししようと思います。
とても魅力的なスポットです。どこを中心に描くか、しっかり完成イメージができたら描きはじめます。その時にはすでに描かないところも決まっていますし、どう描かないかも予め決めています。
現場で描いたのはここまで。
戻ってから、奥の建物との距離感を強調するのと、壁に当たった光を際立たせるために左の木を入れました。
手順のわかるビデオはこちら
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横浜画塾α展 ~作品と自画像展~
※塾生全員参加の教室展です。
10月28日(月)~11月3日(日)
サブウェイギャラリーM
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