イイカゲン+テキトウ | 塾長の日記

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“イイカゲン”とか“テキトウ”という言葉はふつう悪い意味合いが強いですね。チャランポランで無責任なイメージがどうしても先に思いついてしまうのでしょう。

でも、私は水彩画を描く時いつもこの言葉が頭をよぎります。
“いい加減”、“適当”と書くとその真意は容易に分かっていただけると思います。

私は、水彩画というのは端から端まで時間をかけて塗りつぶすようなまじめな絵ではないと思っています。油絵で白いキャンバスがそのまま残っているようなことはあり得ないと思いますが、水彩画ではなにも塗っていない白い紙が美しく見えることが重要な要素となります。
さらに言えば“白い紙をきれいに見せるために色を置く”とさえ言えると思います。

同時に、水や紙や重力や気候に大きく依存する水彩画においては、多少の人間らしい誤謬は許されるというより魅力にさえなるともいえます。


だから、まじめに“塗り絵”をするより“適当に”“いい加減”な筆さばきで描きあげていくのがよいと思うのです。

そして、“ナントナク”“イイカンジ”に仕上がるのがいいですね。この力の抜け加減こそ、水彩画の極意かもしれません。




今日の一枚の途中。
53cm×21cm

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これはすでに“キマジメ”すぎるので、後半戦でぶち壊しに入ります。


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