“明るい”と“薄い”は違うのです。 | 塾長の日記

塾長の日記

水彩画のこと、横浜画塾のこと、スケッチのこと、時事ネタ、美術全般のことアコースティックを中心とした音楽のこと、季節の移り変わり、おいしいもの、おもしろいところ…なんでも気づきのままに。

今日の講評でも出て、ブログでも質問があった光と影の見え方についてちょっとしたヒントをお話しましょう。

例えば、深紅の薔薇を描く時、明るいところは“薄い赤”にしますか? 
When you paint the bright part of red rose, do you paint it by thin red?

ハッキリ言います。 それは間違いです。
I answer exactly, "No".


光があたって明るいということは“薄い色”ということではないのです。
明るいということは、色が鮮やかに見えるということだから真っ赤にしなければ深紅の薔薇にはなりません。
Because it is able to see clearly at the bright part, and it's very difficult to see at the dark part.
It is natural, but not so easy.


簡単にまとめておきましょう。


◆光が当たるということは、クッキリよく見えるということ。
The bright space is
Ⅰ. 色が鮮やか
   Vivid color
Ⅱ. 輪郭がくっきり
   Clear outline
Ⅲ. コントラストが強い
   Strong contrast

◆陰の中は、光が足りず良く見えないということ。
The shade space is
Ⅰ. 色は鈍い
   Dull color
Ⅱ. 輪郭は弱い
   ambiguous outline
Ⅲ. 明暗の差がない
   Weak contrast



$塾長の日記
陰の部分はほとんど見えないので描いていません。大切なのは光と影の境界(稜線)。

$塾長の日記
光の当たったところはコントラストを強く、陰の中は曖昧にしています。

ということで、暗くしたら陰になるわけでもなく、薄く描いたら明るく光が当たるわけでもないのです。








+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
笠井一男 水彩画展
~東京・横浜・パリ~

会場; 青山 コンセプト21 
会期; 2011年12月15日(木)~21日(水)
11:00~19:00 (最終日15:00まで)
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ご興味のある方はどうぞ!
透明水彩 シンプル・レッスン  
水の力を生かして描く
笠井一男・著