自作ステディカム その8(コツのまとめと残課題) | IT徒然草 (gaia)

自作ステディカム その8(コツのまとめと残課題)

前回のステディカム記事から1ヶ月。さらに安定化し、自作のコツもわかってきたので、これまでのノウハウも含めて書いてみようと思います。

■最新映像と改良点

映像はYouTubeに載せてます(一部はニコニコ動画にも)。

Handmade SteadiCam Test #6 http://jp.youtube.com/watch?v=L556x5H45PE
Handmade SteadiCam Shot in Yokohama #1 http://jp.youtube.com/watch?v=pBxUZIbmWHg
Handmade SteadiCam Shot in Yokohama #2 http://jp.youtube.com/watch?v=1hFSesL7_No
Handmade SteadiCam Shot in Yokohama #3 http://jp.youtube.com/watch?v=2d2GPi2afpc

前回からの改良点は錘の重さです。「重心からの距離」×「重量」がビデオカメラ側と錘側とでイコールになる重さを逆算すると、300g強が正解ということがわかりました。

そこで500gの鉛の錘を外し、銅板やアルミ板などで300g程度に近づけたところ、左右の揺れ(ローリング)が減りました。今までは必要以上に錘が重く、移動時に余計に振られたってことです。本当はさらに細かく調整していくべきですがまだそこまでは至っておらず、今後の課題となってます。

もう1つ大きな改良点は広角レンズ。ステディカム構造の本質には関係無いのですが、視聴時の印象とブレのインパクトを薄める?こともあって、7,000円程度でSONY純正のものを購入しました。視野角が広がることで、「全体を見てる」という人の目に近い感覚も出てきますし、「移動してる感」も生まれやすいですね。

■自作のコツ

自作品をどんな構造で作るかは好みもあるので、私からあれこれ言うことはできません。それ以外の点で今までの経験から得られたコツを書いてみたいと思います。

1.全体の剛性を確保する

 第1弾の失敗点はフレームの柔らかさでした。硬いと思った部材でも、重いものを取り付ければそれだけでブルブルと振動してしまいます。当たり前といえば当たり前ですが、自分が思うより硬いものがベターかもしれません。自作派の部材を見ると、プラスチックパイプや硬い金属、はたまた木材ってのもありますが、腕力で曲げられるようなものはNGです。

2.バランスを「追い込む」

 私自身この点はやりきった感じがしてないのであまり偉そうなことは言えませんが、とにかくバランスが第一と言っても過言ではありません。前回の記事でがっちゃんさんがお書きになった「追い込む」という表現がまさにピッタリだと思うのですが、多分重さは数グラム単位、位置も数ミリ単位で調整するぐらいになる感じがします。
 私の場合、1度使った機材を部屋に置いてからまた持ち出そうとすると、微妙にバランスが崩れてたりします。多分カメラが軽ければ軽いほど、この微調整の重要性は増すでしょうね。
 私の自作品の場合、ミニ三脚を取り付けている稼動部(重心)のネジ位置を数ミリ前後に動かしただけで、カメラの仰角・俯角が変わります。逆に錘の位置はそれほどシビアではないのですが、それにしても撮影前には必ず全体調整が必要です。
 ちなみに私の場合、錘の重さをうまく変えた結果、圧倒的に持った時の感覚が変わりました。左右に素早く動かした際の揺れが減り、重心がサっと動くような軽くなった感覚です。
 がっちゃんさんにリンクしていただいたYouTubeの画像が、ステディカムの原理とポイントを分かりやすく説明していますが、やはりバランスが命という内容。ここにも載せておこうと思います。ありがとうございました。

Steadicam Pilot - How to demonstration(YouTube)
http://jp.youtube.com/watch?v=S3PgqKF6ugY

3.調整しやすい可動点を増やす

 これもがっちゃんさんが書いていらっしゃったのと全く同感です。ステディカムは原理を考えると、3軸(上下左右前後)の動きをやじろべえを活用してキャンセルすることが肝です。つまり理想は、錘を前後方向・左右方向(上下は実現できてますからね)に付けて、いかなる方向の揺れもキャンセルすることではありますが、それを実現するためにも、また実現できない状態でも、できるだけ機材や錘をいろいろな方向に可動調整できるかはポイントになってくると思います。
 私の場合は部材をあちこちでネジ留めしているのですが、ほんの少しだけゆるめてる箇所もあります。この「遊び」があるからこそ、撮影前にチョコチョコと調整することが可能というわけです。参考までに私が固定してる箇所と遊びを作ってる箇所は以下のとおりです。

 固定箇所
  ・カメラの位置(ネジなので調整はできますが、ここは一応固定点としてます)
 遊びのある箇所・可動箇所
  ・ミニ三脚を取り付けてる位置(ミニ三脚側のネジをゆるめたりはずしたりして前後を調整)
  ・錘を取り付けてるネジ2箇所(これで、錘の左右方向と前後位置を調整)

4.重心点の摩擦を減らす

 ジンバルとも言いましょうか、私の場合はミニ三脚のボールジョイントで実現してる重心点の摩擦削減。ここがスムーズに動かないと元も子もありません。やじろべえの重心がベッタリ指に張り付いてたら意味が無いのと一緒です。
 スムーズに動かないとちょっとしたブレには対応できず、手の動きがバランス制御に変換できず、画面で見ると細かな手ぶれにつながってスムーズな動きになりません。
 ボールジョイントの素材などによって変わるのでしょうが、私の場合はクレ556など潤滑剤を注入したりしてできるだけ摩擦を減らすようにしています。世の中には磁石を使ったボールジョイントなどもあるようですが、素材や構造を極めてみることも必要かもしれません・・・

■残課題

さて私の自作品。数千円で実現したとはいえ、まだまだ改良点が見当たります。上記のように掴んだコツをもっと極めるということに尽きるでしょうか。

まず、錘を前後2箇所に分割しようと思ってます。SteadiCam Pilotではバッテリーとモニターが錘として2箇所に分かれていますし、SteadiCam Merlinでもよく見ると弓の中心に錘が付いています。これによって、更なる安定化が図れるのではないかと思います。もちろん重量バランスを細かく調整することは必須です。

次にボールジョイント部分の改善。ここは金属加工の技術が無いと自作は難しいので、さらに良品を探してみたいですね。カメラ機材屋さんだけでなく、違うジャンルの売り場にも目を向けてみたいと思います。

まぁ、あとはカメラの性能ですね(笑)。今はSD画質の古いハンディカムですが、やっぱりここまで来るとフルハイビジョン画質のカメラが欲しくなります・・・ そうなると当然それをエンコード・編集するPCのスペックもQuad Coreレベルが必要で・・・

そんなこんなで最近は物欲王になりつつありますが、実際は残高とにらめっこだったりしますね~(´・ω・`)ショボーン