特別養護老人ホームと障がい者グループホームは合築可能か? | よこやま信一公式ブログ

特別養護老人ホームと障がい者グループホームは合築可能か?

いよいよ20日から通常国会が始まります。18日には、第4次産業革命と呼ばれるIoT、人工知能、ビッグデータなどの革新的技術を活用した新規事業などを揃えた各省からの提出予算案と法案説明が行われました。

 

提出予定法案には、第7次地方分権一括法が含まれています。この法律は地方分権を推進するために各省の事務権限委譲が示されるものです。

昨年、厚労省からこの件でヒアリングを行った際に、私は、第7次地方分権一括法に盛り込まれている運用改正通知の中の、「「特別養護老人ホーム」と「障害者向けのグループホーム」の合築可能な場合の明確化」が分かりづらいと指摘しました。

 

これ受け、今月に厚労省障害保健福祉課は、その趣旨や基準等を記した「指定共同生活援助(グループホーム)の指定基準(立地)に関する疑義について」を地方団体に向け発出することになりました。

 

この通知には、障がい者のグループホームのサービス基準は、従来どおり、利用者が家庭的な雰囲気のもとでサービスを受けることや地域との交流を図り社会との連帯を確保することとされています。

 

この趣旨のもと、グループホームの立地場所は、利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される地域であることや、日中も夜間も利用者の生活が入所施設と病院だけで完結しないよう、これらの敷地外であることとされています。

 

ところが、現状では、「病院」と併記されている「入所施設」が都道府県によって様々に解釈されています。特別養護老人ホームや小規模多機能型居宅介護などと同一建物にグループホームの設置を認めている県もあれば、反対に、病院・入所施設に加えて通所系事業所さえも合築を認めない県もあります。

 

そこで、この通知では、入所施設に特別養護老人ホームを含めることについてあらためて基準を示しました。これによると、「入所施設」は、施設類型だけで一律に合築の可否を判断せず、地域との交流を図ることなどグループホームの趣旨に則った運営が確保されるかを総合的に勘案すべきものとされています。

 

すなわち、グループホームの趣旨に則っていれば、特別養護老人ホームと障がい者グループホームの合築はできますし、趣旨に反していれば、合築はできないことになります。今回の記事は、少し理念的な内容になりましたが、障害福祉行政の重要な内容にかかわらせてもらったので紹介しました。